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第一章、コペルニクス的転回「主導権は客側へ」が起こる ~【簡易版】文系オヤジ降臨~まだ唱えてるぞ!オイラの『評価経済論』~

0-M0T0KI
2 years ago

前回の「まえがき」で私は、以下のようなことを書いていました。

そしてこの「使う」能力こそ、これからの時代に必要な「受ける側」の能力の一つなのです。

「受ける側」に必要な能力には「選ぶ・使う・評価する」の三つがあります。

この「受ける側」の立場の人で最も代表的なのが「お客さん」です。

お客さんとは「業者さんにお金を出して、物やサービスを受ける側」の立場の人ですよね。

その後、以下のようなことも書いていました。

中でも最後の「評価する」は、お金の機能の一つである「価値尺度機能」と密接な繋がりを持つものでありまして、この能力が高ければお金に困ることもありません。

というわけで、今回のけーこす先生の元記事は以下です。

評価経済社会の理解とハックに欠かせないコペルニクス的転回とは?

この記事をできるだけ、わかりやすく解説していきたいと思います。

最初にツッコミたいのは「コペルニクス的転回って何?」ってことで。

あ、もしかしてそれは私だけですかそうですか……と思いながらも一応。

「コペルニクス的転回」とは、哲学者のカントが「自らの哲学が従来の哲学を逆転させたこと」を「コペルニクスが従来の天動説を否定し地動説を唱えた」ような、非常に大きな発想の転換である、としたことです。

そのカントの言う「コペルニクス的転回」とは「認識(主観)が対象(客観)に依存するという従来の説に対し、対象(客観)こそ認識(主観)により構成される」というものだとか。

コトバンク様の百科事典マイペディア「コペルニクス的転回」の解説を参考にしました)

例えば、お皿の上にケーキ(対象物)があったとしますと、それまでの哲学では“ケーキがそこにある。人がそのケーキを見たからケーキがあると認識する”ということで「ケーキという対象物が存在→人が認識(=物が先)」と、考えられていました。

ところがカントは“人が見て、ケーキがそこにあると認識する。認識したからこそケーキがそこにある”と、つまり「人が認識→ケーキという対象物が存在(=人が先)」と考えたのです。

けーこす先生の上記リンク先の記事内では、以下の文章がそれに該当します。

つまり、近代以降、食糧などよりも、相対的にその他の製造業の比率が高まると、価格に敏感な社会、カネがモノをいう社会、つまり供給者(農民などの生産者)よりも、需要者(消費者)が交渉力をもつ時代へと移り変わっていくことを改めて認識していただけると思います。

というわけで、この「供給者(農民などの生産者)よりも、需要者(消費者)が交渉力をもつ時代」を言い換えると「需要側が供給側よりも強い立場になった時代」と言えるでしょう。

(今回のけーこす先生の記事では、このターニングポイントを迎えたところまでの話ですが、その後に長い時が経って現在に至っているわけで、今は最終的に主導権を客側が奪うところまできているわけです)

ここで、経済学における学術的な裏付けはけーこす先生の元記事にお任せするとして、我々のような一般人はどのように考えて行動したら良いのでしょうか?

これを言い換えると「上記の情報(需要側が供給側よりも強い立場になったこと)を得ましたが、これをどのように使えば良いのでしょうか?」という問いになりますが。

答えは「自らの立場のデフォルトを供給側(主に労働者)から、需要側(客)に変える」ということです。

……って、さらっと書きましたが、実はこれってかなり難しいことなんですよね。

何故かといいますと「日本人の価値観は供給側に非常に偏っており、それが常識とされている」からです。

その価値観から来る教育は「(供給側でかつ)労働者として、如何に稼げる人材になるか」にほぼ全振りされている状態でもありますし。

故に「稼いだお金をどう使うか?」という教育は、ないも同然だったわけで。

(お金の使い方には、通常の物やサービスだけでなく金融商品も含まれます。

最近は高校で資産運用の授業がはじまったそうですが、ちと遅くないですか?)

さらに今は(お金を使う)お客さん側の立場のまま、お金を稼ぐ手段もあります。

例えばラーメンの食べ歩きが趣味の人がお金を稼ごうとした場合、インターネットが普及する前は「自分がラーメン店を開く」という方法が一般的なものでした。

この場合「自分がラーメンを作って、それをお客さんに出す」という、供給側の立場になる必要があるわけです。

(グルメレポーターやグルメライターという職業も当時からあるにはありましたが、芸能人で知名度があるとか他のライターをやっていて雑誌や出版社にコネがあるとか、そういう一部の人にしかなれないものでした)

今は、一般の人でもYoutubeやブロガーになるという手段があります。

つまり、客側の立場のままで「評価する」という能力を使って、お金を稼ぐという手段ができたわけです。

……出た、評価ですよ評価、評価する能力ですよ皆さん。

まーそれはさておき、日本人の価値観が大きく変わった時代と言えば、明治維新に戦前戦後などが挙げられるのではと思いますけども。

(ここら辺の話については、けーこす先生のマガジン内元記事『「明治維新」~「終戦」、そして~ 「新型コロナウィルス」④』も、是非ご覧ください)

ある意味今回はそれ以上の衝撃があるわけですが、皆さん気付いてないですよね。

何故なら、これまでの価値観の変化はすべて供給側の中で起こっていたことです。

ちなみに、このことを流通の話で言えば、少し前に興味深い論文を拝読しました。

静岡産業大学学術機関リポジトリの岩本勇先生の論文「チャネル・リーダー移動と社会環境要因の関係に関する研究 ― 業界別PB比率とハーフィンダール指数 ―」です。

この論文のお世話になりまして、以下の画像を掲載させて頂きます。

画像の末尾に「中古品なら全員お客さんになってまうやん」というツッコミを思わず入れてしまいましたが(メルカリやヤフオクなどの仲介業者さんはおるけど)。

まぁ、それぐらい供給側の立場はやばい状態なんですよね今、これからは。

そんなわけで、自らのデフォルトの立場を客側にするという話になります。

が、かなり長くなってしまいましたので、ここから次回にさせて頂きたく。

故に次回も引き続き、けーこす先生の以下の記事の解説をさせて頂きます。

評価経済社会の理解とハックに欠かせないコペルニクス的転回とは?

いやもう、それぐらい濃いんですよこの記事は……非常に素晴らしいです。

ご興味持たれた方は是非、リンク先のけーこす先生の記事をご覧ください。

※元マガジン「文系オヤジ降臨~まだ唱えてるぞ!オイラの『評価経済論』


2022/8/22 追記。補足の記事を書きました。


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2 years ago
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