ハイプ・サイクルに見る先進テクノロジーの現在地
ガートナー社による「日本における未来志向型インフラ・テクノロジーのハイプ・サイクル:2022年」から未来志向型テクノロジーの現在地を把握します。
著作権や意匠権、商標権などのデザインを保護する知的財産権をめぐる話題が絶えないWeb3.0領域。
先日の記事では、二次創作や商用利用ができる寛容なライセンスを持つNFTプロジェクトとして『MEGAMI』をご紹介しました。
世界で絶大な人気を誇るNFTコレクションの一つとして知られる『BAYC(Bored Ape Yacht Club)』も商用利用が可能です。
https://www.udiscovermusic.jp/news/universal-music-group-nft-supergroup-kingship
この特性を活かしてBAYCのキャラクターをモチーフとしたゲームが開発されたほか、米大手レーベルのユニバーサル・ミュージック・グループ(Universal Music Group)からBAYCのメタバースバンド『KINGSHIP』がデビューしたことも大きな注目を集めました。
『KINGSHIP』の楽曲は、ビヨンセやジャスティン・ティンバーレイクのヒット曲を手がけ、グラミー賞を受賞したプロデューサー兼ソングライターのジェームズ・フォントルロイ氏とヒットボーイ氏が制作した豪華なもの。
アメリカでは、M&M'sとのコラボチョコが発売されるほどの人気ぶりです。
出典=10:22PM
この『KINGSHIP』のように、知的財産権を寛大に扱うNFTの最大のメリットは「ホルダーが自主的にプロジェクトを盛り上げてくれること」です。
NFTプロジェクトによって知的財産権の自由度は異なっています。
最近では、知的財産権の管理において最大限に寛容なものとして、作品を完全にパブリック・ドメインに置く④『CC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)』を採用したNFTプロジェクトが人気です。
この記事では、話題のCC0とはどういったものなのかを解説し、CC0とNFTを掛け合わせることの可能性について、代表的なNFTプロジェクトを例に述べていきたいと思います。
CC0は、Web3領域でよく耳にするキーワードですが、NFTやブロックチェーン、暗号資産(仮想通貨)に関する専門用語ではありません。
CC0
科学者や教育関係者、アーティスト、その他の著作権保護コンテンツの作者・所有者が、著作権による利益を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置くことを可能にするもの。
CC0によって他の人たちは、著作権による制限を受けないで自由に作品に機能を追加し、拡張し、再利用することができるようになる。
(
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンより引用)
先述の通り、知的財産権を寛大に扱うNFTの最大のメリットは「ホルダーが勝手に盛り上げてくれること」。
知的財産権において最大限に寛容なCC0が採用されたNFTアートのホルダーは、二次創作のNFTアートをMintしたり、マグカップやスマホケースにプリントして売ったりと、思い思いのクリエイティブを楽しんでいます。
完全に知的財産権という障壁がなくなることで、クリエイターや運営が想像もしなかったような新しい作品をホルダーが生み出し、様々な形で拡張されることで相乗的にオリジナルの重要性や価値が高まっています。
CC0のこの仕組みは活発なファンコミュニティを創出するため、コミュニティ形成を特徴とするNFTと非常に相性が良く、NFTシーンの盛り上がりに一役買っています。
実際に、CC0のNFTプロジェクトは大きく盛り上がり、高額で販売されるNFTも登場しています。
CC0で商用利用可能なWeb3.0の究極系と言われる『Nouns』(ナウンズ)は、32×32ピクセルのドット絵で描かれたキャラクターのNFT。
2021年8月にローンチされて以来、毎日1つのキャラクター(Noun)が生成され、自動的にオークションに掛けられるというユニークなプロジェクトです。
Nounsは、CC0でありながら1体あたり平均100ETHの高額取引が行われる人気NFTであり、徳島県鳴門市のNFT鳴門美術館では、Nouns二次創作品の展示コンテストが開催されるほど大きな盛り上がりを見せています。
🌸いいね・RTのご協力をお願いします😭🙏🌸
— 及川ぱむ🍜🧠Pam-chan┊︎3D NFT ┊︎Daruma VOX (@Pam_Oikawa) April 2, 2022
いいね上位で、『NFT鳴門美術館』に展示されます!
今月末行く予定なので、展示期間に間に合うかわかりませんが直接見たいので
ぜひご協力いただけると幸いです🙇🙇
Nounsのだるまを作りました✨
Please like my posts🙏#Nouns #NounsDAOJAPAN @nounsdao pic.twitter.com/JdcuNHqMqh
2022年のスーパーボウルのCMでは、世界大手のビールブランド『Bud Light』がプロアメリカンフットボールリーグ『NFL』とタッグを組み、Nounsを起用したことでも注目を集めました。
同年8月17日には、メタバース・ファッションブランド『Me+🌏 Japan』から、メタバースサービス『Decentraland』上で着飾れるNounsモチーフのデジタルファッションアイテム(NFT)の新作も発売されたばかりです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000047183.html
BAYCもNounsも、2021年にローンチされてから今日まで、「NFTバブル」と言われるほどのピーク期を過ぎてもなお二次創作の話題が絶えず、高い注目度を保っていることがわかります。
特にNounsは、オークションの決済が1つ終わるたびに次のオークションが始まるため、継続的に売上を出すことができているだけでなく、売上を手数料なしでトレジャリーと呼ばれるNounsのコミュニティで使う共有の財布に入れ、貯まった資金はNounsのコミュニティで議論のうえ、新規プロジェクトに使用しているようです。
まさにNFTとDAOを掛け合わせた新形態と言えるでしょう。
ホルダーが自主的に盛り上げてくれるCC0のプロジェクトは、コミュニティの結束力が強いコミュニティ主導のプロジェクトになる傾向があることがわかりました。
弊社は、NFTマーケットプレイスの運営やコンサルティング事業を中心に、Web3.0を牽引するような新時代のビジネス創出を目指しています。
日々クリエイターやパートナーの皆さまと共に学び、情報を分かち合い、新たな領域に挑戦しながら、コミュニティ内の価値観を世の中に向けて表現したいと意気込んでいます。
もしNFTを活用した事業を展開したい、NFTに興味はあるけれどどう活かせばよいか悩んでいる…など、NFTにまつわるご検討事項がありましたらぜひ弊社にご相談ください。
公認されたコンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動するクリプトアーティストが制作したNFTの販売(一次販売)及び、利用者同士が保持しているNFTを売買(二次販売)できるNFT売買プラットフォームサービス。
SBINFT株式会社が運営する。
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