より分散型のインフラへ:OpenSea対応のEIP-2981とは?
OpenSea対応が発表されたEIP-2981についてご紹介します。
先日経産省が「Web3.0政策推進室」を設置し、さらに暗号資産(仮想通貨)にかかる税制を改革するというニュースが話題になりました。このことから今後国家主導のもと、さらにWeb3.0戦略が進んでいくと推測できます。これに伴い、非代替性の特徴を持つNFTを、公的な証明書に活用していく動きが国内でも見られるようになりました。 海外では日本に先駆けて様々な場面でNFT証明書が活用されています。
その中でも教育機関におけるNFT証明書の導入は、アメリカの有名大学を中心として世界中に広まっており、これから日本でもNFT証明書(履歴書)が一般化していくことが予想されます。
今回は国内外のケースを踏まえて、NFT証明書(履歴書)導入のメリットと今後の展望についてご紹介します。
まずはNFT証明書がどのような仕組みで発行されているか、画像とともに解説していきます。
はじめに、NFT(Non-Fungible Token)とは、改ざん・コピーが極めて難しいブロックチェーン上で構築される代替不可能なトークンのことです。
上記の画像のプロセスを踏むことによって代替不可能なものとなり、本物であることが簡単に証明することができます。
このような技術をNFT証明書(履歴書)に活用することで、学修歴の改ざんを防ぐことができるのです。
それでは国内外の教育機関におけるNFT証明書の活用ケースについて見ていきましょう。
Wikipedia Commons
名門『マサチューセッツ工科大学(MIT)』では、2017年の段階で学修歴証明書・卒業証書をNFT化し卒業生に配布しています。世界ではじめてNFTを学修歴証明書として活用した事例で、NFT for Education の先駆けとなりました。
マサチューセッツ工科大学が開発したブロックチェーン証明書発行・共有・認証のためのオープンソースである『Blockcerts』は、2016年から開発がはじまり、現在ではこれを活用して世界各地の名門大学が学位証明書のNFT化を進めています。
暗号化された卒業証書のファイルがマサチューセッツ工科大学から送信されるので、そのファイルを安全なストレージに保管し、NFT専用のスマートフォンアプリである『Blockcerts Wallet』で読み込むと、卒業証書の閲覧と他者への共有が可能となる仕組みです。
ブロックチェーン ベースの公式記録を発行および検証するアプリを構築するためのオープンスタンダード(規格)。
教育機関以外でも、マルタ共和国の不動産賃貸契約など様々な社会実装プロジェクトで活用されている。
https://www.iium.edu.my/v2/about-iium-2/
次にご紹介するのは、国家主導でNFT学歴証明書を導入した『マレーシア教育省』の事例です。
国家が主導してNFT学歴証明書を導入する背景には、マレーシアの深刻な学歴詐称問題があります。2019年には現役の外務副大臣がケンブリッジ大学を卒業したと学歴を詐称していたことが明らかになり、さらには別の大臣や州首相にも学歴詐称の疑惑が出る事態になりました。
一般市民から政治家に至るまで学歴詐称が横行している問題を解決するために導入されたのが、『E-Scroll』です。暗号資産(仮想通貨)のNEMを用いたブロックチェーン学位証明書で、マレーシアの6大学とLuxTag社の協力によって作成されました。紙媒体の証明書にはQRコードが掲載されており、コードをスキャンすることで学位情報を確認することができます。
現在『E-Scroll』を導入している大学はマレーシア国際イスラム大学のみですが、5000以上の学位がブロックチェーン技術によって保護・管理されています。
https://www.it-chiba.ac.jp/topics/pr20220818/
国内事例で最初にご紹介するのは『千葉工業大学』学修歴証明書の事例です。 こちらは2022年8月18日にプレスリリースで詳細が発表され、大変話題になった国内初のNFT学修歴証明書プロジェクトです。
パブリックチェーン(Polygon)によってNFT化された学修歴証明書は、Ethereumの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が提唱するSoulboundトークンのように、譲渡不可能となっています。 また、使用されているオープンソースは、マサチューセッツ工科大学で開発されたBlockCertsです。
導入の目的としては、履歴書の偽造防止のほか、DAO(分散型自律組織)などで採用されているジョブ提供プラットフォーム『Dework』で証明書として機能することや、現実世界でのグローバルな就職活動への支援も含まれています。
https://www.it-chiba.ac.jp/topics/pr20220818/
すでにこちらのNFT証明書は、2つの授業を履修し単位を取得した学生に発行済みです。デザインは、学内プロジェクトによってデザイン科の学生が担当しました。
https://lastrust.io/2021/04/05/nhighschool/
続いてご紹介する『角川ドワンゴ学園N高等学校』では、中等教育機関でNFT化された証明書を導入した国内初の事例となりました。 株式会社LasTrustが提供する、『CloudCerts(クラウドサーツ)』というBlockcertsに準拠したオープンソースを用いたブロックチェーンサービスとなっています。
記録先のチェーンはEthereum、Bitcoinに対応しており、学習履歴(スタディログ)がブロックチェーンネットワークで分散的に記録されます。
https://vantan.jp/information/press/detail.php?e_id=7570\&year=2021
最後にご紹介する当社SBINFTが携わった事例は、クリエイティブ分野に特化した専門学校『バンタン』の卒業証書です。
2022年3月15日に開催された卒業式にて、パブリックチェーン(Polygon)でNFT化された卒業証書を発行し、各卒業生が保有するクリプトウォレットに配布しました。
『バンタン』のNFT卒業証書は、弊社で独自開発されたブロックチェーン証明書発行技術を用いた、国内で初めて証明書をNFT化した事例です。
卒業証書のデザインは、バンタン出身のアートディレクター・岡田喜則氏が担当。ファッションブランド『VANQUISH』のモデルに初音ミクを起用したことで話題を集めました。
NFT化した目的の1つとして、コロナ禍で会えない家族に卒業証書を送ることが出来る点を岡田氏はインタビューで語られていました。
また「NFT化された卒業証書が数億円もの価値として評価されるようなクリエイターとして活躍してほしい」という願いも込められています。
NFTを導入するメリットをまとめると、以下のようになります。
ご紹介したケース以外にも、NFTを証明書として活用する様々な方法が考えられます。
上記で挙げた活用方法は一部すでに実装されているものもあります。
また日本国内でもマイナンバーなどをNFT化させようとする動きがあり、今後より一層NFTが証明書として利用されていくことが予想できます。
社会のシステムや法整備など、NFT証明書が社会に浸透するようになるまでには、まだまだ障壁が多いのが現状です。
しかし環境や法整備が進めば、将来的にはNFTが証明書として当たり前に社会へ組み込まれるようになると思われます。
学修証明書をはじめとして、証明書の信頼性を高めることで、より安定的な社会へと変化するのではないでしょうか。
「NFT証明書を発行したい」「NFTを活用したいけどどうすればいいのかわからない」など、NFTにまつわるご検討事項がありましたらぜひ当社SBINFTへお気軽にご相談ください。
公認されたコンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動するクリプトアーティストが制作したNFTの販売(一次販売)及び、利用者同士が保持しているNFTを売買(二次販売)できるNFT売買プラットフォームサービス。
SBINFT株式会社が運営する。
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