実話短編「11人いる……?」
東雲いづる⋈Izuru Shinonome
3 years ago
20年ぐらい前、私がとあるイベントを開催した時の話です。
イベントが終わり、会場を出て、手伝いをしてくれた皆さんと一緒に、新宿へあそびに行くことになりました。
地下鉄を降り、西口駅前の地上に出ました。
たしかスバルビルの前だったと思います。とりあえずご飯を食べようという話になり、人数も多かったので、全員で人数を数えました。
みなで、一人二人三人……と数え、私をふくめ全員が『11人いる』と答えました。 数も確認したので、11人で入れそうな店へと移動しました。
私は適当な店を見つけ、入り口で店員さんに、
『11人です』
と告げました。
ところが、店に入ってみると――――10人しかいないのです。
一体だれがいなくなったのか?
全員に聞いてみたのですが、誰ひとりとして、「誰かがいなくなった」とはいいませんでした。もちろん、私も、いなくなった人がいる、という認識にはならなかったのです。
あの時多かった一人とはいったい誰だったのか。 全員が数え間違えたとは思えません。
唯一思い当たることといえば、その中の一人が「医学生」で、そのころ献体の解剖をしていたことぐらいです。
あれってやっぱり、彼が連れてきたのかも……
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東雲いづる⋈Izuru Shinonome
3 years ago
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