『HiÐΞ/IDX/Ceramic』 DIDでIPFSに中央サーバーなき記事公開
Ceramic & IDX
前回の記事ではクリプトウォレットの秘密鍵を使ってオフラインからIPFSにバックアップをすることで記事の作成管理に中央サーバーを不要にする機能を紹介しましたが、今回は記事をDID(IDX)とCeramic(分散型データネットワーク)を利用して中央サーバーを介さずに記事公開・シェアする機能について話します。これによって 記事の作成・管理・バックアップ・公開全てを中央サーバーなしで分散型に行うことができる ようになります。
上の図で実際にはHiÐΞオンラインを介さずオフライン版からも直接分散型ネットワークに投稿可能です。
※今回紹介する機能はCeramicがテストネット段階のため実験的な機能です。記事フォーマットのアップデートやCeramicメインネットに移行時にデータがリセットされますのでお試しの範囲でお使い下さい。
メインネット公開は早ければ4月末頃となります。こちらのアナウンスを参照して下さい。
分散型記事投稿の手順
DIDログイン
ログイン・アカウント管理ページでDIDログインまたは連携をします。メタマスク等、クリプトウォレットでの署名を求められます。
※未ログインの状態からDIDログインすると新規アカウントが作られてしまうので、既存のソーシャルアカウントでログインした状態からDID接続をオススメします。
プロフィールをIDXに保存
DID連携しているアカウントでログインするとマイ公開ページの右下に『IDX保存』ボタンがあるのでクリックします。ログインに使ったのと同じイーサリアムアドレスで署名を求められます。IDXにプロフィールを保存すると名前と紹介文の下に『Ceramic』アイコンが出てくるのでそこから自分の分散型プロフィールページに飛べます。こちらのページで公開されている情報はHiÐΞサーバーではなく全てCeramicのテストネット(IPFS)に保存されています。すなわち、HiÐΞからでなくとも閲覧可能です。
記事をCeramicに投稿
記事の編集ページの投稿画面にいくと『Ceramicに投稿』セクションがありますので、ここから記事を分散型データネットワークに投稿でき、公開ページへのリンクが表示されます。ログインに使ったのと同じイーサリアムアドレスで署名を求められます。これで、上記した公開プロフィールページの記事一覧に追加されます。
例えば僕の分散型プロフィールページ。プロフィール写真と背景をIPFSにアップする機能は開発中です。
何が革新的なのか?
記事データを中央集権サービスに提供することなくオフラインや暗号化されたIPFSバックアップで個人管理の状態からシェアすることができることも革新的ですが、他にも既存のブログプラットフォームの在り方を一新する要素があります。
それは、サードパーティアプリの開発が集権サービスからのAPIやOAuth認証システムの公開なくともオープンに可能になるということです。HiÐΞがCeramicに指定する記事データ仕様さえ利用すれば、他のアプリからもDIDを使って自由に記事投稿ができるのです。
現状HiÐΞに投稿される記事はブロックチェーンやDeFiのトピックが多いですが、他のトピックのHiÐΞコピーをHiÐΞからの技術連携や制限なしにサードパーティが自由に開発できます。これを上記したシステム設計図の中心にあるオープンマーケットメイカーと呼びましょう。むしろサードパーティという概念はなくHiÐΞ自体も分散型に存在するオープンマーケットメイカーのひとつになっていきます。
HiÐΞではこれらの分散型プラットフォームやオフラインノードからCeramicネットワークに投稿される記事に対してイーサリアムのL2を使ったDeFiプロトコルでオープンに報酬分配する仕組みを開発中で、これは実はとんでもない可能性を秘めています。
従来のブログプラットフォーム
記事データを集権サービスが保有しているためプラットフォームがOAuth認証やAPIを提供して始めて外部サービスを開発できる。
WEB3分散型ブログ
オープンな分散型データネットワークにHiÐΞオンラインやオフラインノード、独自開発のアプリやオープンソースのHiÐΞをフォークしたプラットフォームからクリプトウォレットで管理されるDID(分散型ID)と共通仕様を使って自由投稿する。どこからでも投稿できどこからでも記事の取得が可能となる。記事は個人がオフラインや暗号化されたプライベートIPFSで管理し、公開したいものだけアップロードする。HiÐΞはこれを実現するオープンソースの分散型CMS(コンテンツマネージメントシステム)でありいわばミドルウェアである。