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今永昇太投手 2024年シーズン分析レポート

SHOGAKU
18 days ago
pybaseball 使って、そのまま書いてみた1. はじめに2. 基本データ投球数と球種構成球速と回転数3. 球種の効果分析空振り率打球データ分析4. 戦略分析対左右打者別の投球パターンカウント別の球種選択月別の傾向変化5. 投球の位置分布6. 成功要因の分析1. 効果的な球種構成と組み合わせ2. 精密なコントロールと戦略的な投球選択3. 優れた空振り獲得能力4. 強い打球の抑制7. 結論

pybaseball 使って、そのまま書いてみた

 

1. はじめに

本レポートでは、Chicago Cubsの今永昇太投手の2024年レギュラーシーズンの投球データを分析し、彼の成功要因を明らかにします。MLB公式のStatcastデータを基に、投球パターン、球種特性、対打者戦略などを詳細に分析します。

2. 基本データ

投球数と球種構成

今永投手は2024年レギュラーシーズンで合計2,590球を投じました。彼の球種構成は以下の通りです:

球種投球数割合(%)
FF (フォーシーム)1,34351.9
FS (スプリッター)79230.6
ST (スライダー)1997.7
CH (チェンジアップ)1013.9
CU (カーブ)843.2
SI (シンカー)582.2
FC (カッター)120.5
CS (スローカーブ)10.0

【グラフ1: 球種構成の円グラフ】

分析結果から見ると、今永投手は主にフォーシーム(FF)とスプリッター(FS)を軸とした投球スタイルであることがわかります。この2種類だけで全体の約82%を占めています。

球速と回転数

各球種の平均球速と回転数は以下の通りです:

球種平均球速(mph)平均回転数(rpm)
FF91.72,442
FS82.91,119
ST81.62,489
CH81.61,666
CU72.72,423
SI89.01,867
FC89.82,387

【グラフ2: 球種別平均球速のバーチャート】

【グラフ3: 球種別平均回転数のバーチャート】

特筆すべき点として、スプリッター(FS)は球速が比較的速い(82.9mph)にも関わらず、回転数が極めて低い(1,119rpm)ことが挙げられます。これは意図的に回転を抑えることで変化量を増やしている証拠です。

3. 球種の効果分析

空振り率

各球種の空振り率(スイング数に対する空振りの割合)は以下の通りです:

球種スイング数空振り数空振り率(%)
FS49019740.2
ST973233.0
SI301033.3
CH531732.1
FF73210814.8
FC7114.3
CU1600.0

【グラフ4: 球種別空振り率のバーチャート】

最も空振りを奪っている球種はスプリッター(FS)で、空振り率は40.2%と極めて高い数値を示しています。フォーシーム(FF)と組み合わせることで、同じようなリリースポイントから大きな球速差(約9mph)と変化の違いを生み出し、打者の判断を惑わせています。

打球データ分析

打球の質に関するデータは以下の通りです:

  • 平均打球速度: 81.7 mph
  • 最大打球速度: 114.4 mph
  • ハードヒット率(95mph以上): 22.7%
  • バレル率: 11.4%

【グラフ5: 打球角度と打球速度の散布図】

平均打球速度が81.7mphとMLB平均(約88-89mph)を下回っていることは、今永投手が強い打球を抑える能力を持っていることを示しています。

4. 戦略分析

対左右打者別の投球パターン

今永投手は左右の打者に対して異なる投球パターンを採用しています:

対左打者(全体の20.3%):

  • FF (フォーシーム): 49.2%
  • ST (スライダー): 33.1%
  • FS (スプリッター): 12.5%

対右打者(全体の79.7%):

  • FF (フォーシーム): 52.5%
  • FS (スプリッター): 35.2%
  • CH (チェンジアップ): 4.9%

【グラフ6: 対左右打者別の球種使用率の円グラフ】

興味深いのは、左打者に対してはスライダー(ST)を多用し、右打者にはスプリッター(FS)を効果的に使っている点です。左打者相手には外角低めにスライダーを投げる傾向があり、右打者にはスプリッターで内角から外に逃げる変化を使っています。

カウント別の球種選択

カウント別の球種選択パターンにも明確な傾向が見られます:

【グラフ7: カウント別球種使用率のヒートマップ】

特に注目すべき点:

  • 初球(0-0)はフォーシーム(FF)が56.9%と多用
  • 有利カウント(0-1, 0-2, 1-2)ではスプリッター(FS)の使用率が増加
  • 不利カウント(3-0, 3-1)ではフォーシームの割合が80%以上に
  • 決め球カウント(0-2, 1-2, 2-2)ではスプリッターが約40%と高頻度

このデータから、今永投手は初球でストライクを奪いにいき、有利なカウントを作ってから決め球としてスプリッターを効果的に使用していることがわかります。

月別の傾向変化

【グラフ8: 月別の球種構成割合のスタックバーチャート】

【グラフ9: 月別のストライク率と空振り率の推移】

月別のデータからは以下の傾向が見られます:

  • シーズンを通じて比較的安定した投球内容
  • 7月と8月にストライク率が向上(約52%)
  • 5月と9月に空振り率が高い(約29%と28%)
  • シーズン後半に向けてスプリッターの使用頻度が若干増加

5. 投球の位置分布

【グラフ10: 球種別の投球位置分布(スキャッタープロット)】

【グラフ11: 各球種のヒートマップ(特にフォーシームとスプリッターのもの)】

投球位置データからは次のような特徴が見られます:

  • フォーシーム(FF): ゾーン上部に集中し、「ライズ効果」を活用
  • スプリッター(FS): ゾーン下部〜ゾーン下方に多く、打者のスイングを誘発
  • スライダー(ST): 左打者の外角低めに集中

6. 成功要因の分析

今永投手の2024年シーズンの成功要因を分析すると、以下の点が挙げられます:

1. 効果的な球種構成と組み合わせ

  • フォーシームとスプリッターの相乗効果: 見た目が似ている投球から大きく異なる軌道になることで打者を惑わせる
  • 球速差の活用: フォーシーム(91.7mph)とスプリッター(82.9mph)の約9mphの差が打者のタイミングを外す
  • 回転数の違い: フォーシーム(2,442rpm)とスプリッター(1,119rpm)の回転差が異なる変化量を生み出す

2. 精密なコントロールと戦略的な投球選択

  • 初球ストライク率の高さで有利なカウントから攻める戦略
  • カウントに応じた球種選択の適切な使い分け
  • 左右打者に対する異なる投球パターンの活用

3. 優れた空振り獲得能力

  • スプリッターによる高い空振り率(40.2%)
  • スライダーとシンカーも30%以上の空振り率
  • 全体の空振り率は約25%と高水準を維持

4. 強い打球の抑制

  • 平均打球速度81.7mphはMLB平均を下回る
  • ハードヒット率22.7%も比較的低い数値

7. 結論

2024年シーズンの今永昇太投手は、フォーシームとスプリッターを軸とした巧みな投球戦略により、MLB初年度ながら安定した活躍を見せました。球速は突出して速くないものの(フォーシーム平均91.7mph)、精密なコントロールと効果的な球種組み合わせにより打者を抑えています。

特にスプリッターの高い空振り率(40.2%)は彼の最大の武器であり、フォーシームとの相乗効果で多くの打者を翻弄しました。左右の打者に対する異なる戦略と、カウントに応じた球種選択の適切さも彼の成功を支えています。

今永投手のデータからは、「速さだけに頼らない知的な投球」と「精密なコントロールと変化の組み合わせ」がMLBでも十分に通用することが証明されています。日本人投手特有の細かな技術と戦略的思考が、世界最高峰のリーグでも効果的であることを示した好例と言えるでしょう。


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