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ブロックチェーン上で行われるNFT取引は透明性を重視したものですが、それでも「匿名のアドレスが欲しい」と思ったことはありませんか?
TwitterやInstagram、DiscordなどのSNSと近しい関係にあるNFTのシーンにおいて、たとえばレアなNFTを所有していることを発信すると、悪意のある第三者によってウォレットアドレスとSNSアカウント、さらには個人情報を結びつけられてしまう恐れがあります。
透明性の高いブロックチェーンでは、アドレスごとの全取引が世界に公開されているので、誰でも特定のアドレスの取引履歴を調べることが可能。つまり、個人情報とアドレスが結びつくことで、今までの取引履歴について、誰が・いつ・どのような取引をしたかが第三者に筒抜けになってしまうリスクがあるのです。
このようなブロックチェーンの特性から、これまでもプライバシーに関する議論が活発に行われてきました。
そんな中、2022年8月8日にイーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、「所有者が誰であるかを知られることなく、“vitalik.eth”にNFTを送ることができるようになる」とツイート。
Idea: stealth addresses for ERC721s.
— vitalik.eth (@VitalikButerin) August 8, 2022
A low-tech approach to add a significant amount of privacy to the NFT ecosystem.
So you would be able to eg. send an NFT to vitalik.eth without anyone except me (the new owner) being able to see who the new owner is.https://t.co/UdqK6NAYjn
イーサリアムが、NFT取引の匿名性を高める機能の実装を進めていることにより、ホルダーを中心にNFTとプライバシーに関する議論がさらに盛り上がりを見せています。
その機能とは、受信者の公開IDへのリンクを隠すというもの。
具体的には、ツイートで触れられているERC-721のほか、EIP-5564にステルスアドレスを実装することで、匿名性の高いNFT取引を提供しようとしています。
NFTを発行する際に最もよく利用されている規格です。1つのトークンIDにつき所有者は必ず1人になるような構造になっているため、非代替性を保証します。シリアルナンバーのついたトレーディングカードや、アートへの紐付けに適しています。
EIPはEthereum Improvement Proposalsの略で、イーサリアムをより良いものにするための改善提案のことを指します。EIP-5564が実装されると、送信者は、最終的に受信者のみがロックを解除できる受信者専用のプライベートステルスアドレスを生成できます。このステルスアドレス生成によりウォレット内の重要なプライバシーが保護され、受信者のアドレスを非公開のまま暗号資産を取引できるようになります。
この記事では、
以上の3点を中心に解説していきます。
暗号資産の取引を第三者から秘匿するステルスアドレスは、Monero(モネロ)等の暗号資産に導入されています。
2つの公開鍵がペアで存在するモネロでは、送金者が秘密鍵データをランダムに生成し、受取人の2つの公開鍵と組み合わせて使い捨てのステルスアドレスをつくっています。
モネロのステルスアドレスを用いた取引イメージは以下の通りです。
出典:金融庁「ブロックチェーンを用いた金融取引の プライバシー保護と追跡可能性に関する調査研究」
イーサリアムにステルスアドレスを実装するにあたって、大きな課題となっているのがコスト面です。
ブテリン氏は匿名性を重視してNFT取引にステルスアドレスを用いる場合、NFTの送信者は「既存の動線の5~50回分に値するETHを送る」必要があると見解を示し、現状プライバシーと引き換えに膨大なガス代がかかることがホルダーや研究者から懸念されています。
ブテリン氏は、「ガス代を減らしてステルスアドレスを汎用化するために、ブロック構築などを用いた解決策を考えている」とコメント。
イーサリアムの大型アップデート『The Merge』を経て環境への負荷が大幅に軽減されたように、ERC-721へのステルスアドレス実装も、チームの技術進歩とともに、より低コストなシステムへと改善されていくことが期待されます。
Web2.0が長年抱え続けた、特定の企業へ情報が集中するプライバシーの問題や、中央集権型によるセキュリティの問題を解決し、個人情報を個人で管理できるようになったWeb3.0。
企業に情報が集約される時代ではなく、個人情報を個人で管理できるWeb3.0時代では、プライバシー保護の観点において、インターネット上において個人の望むように情報を管理できるようになってきました。
一方で匿名性の高い取引ができるようになると、それを利用して不法な取引などの犯罪行為に悪用されてしまうリスクも考えられます。
実際にTwitter上では、「透明性を重んじるブロックチェーンの目的に反するのでは」とNFTのステルスアドレスへの反対意見も散見される状況です。
今後NFTとプライバシーに関する議論はますます活発化していくと思われます。
NFT取引におけるステルスアドレスの活用は、プライバシー保護の観点において、従来に比べて個人が選択肢を持てるインターネットを実現するでしょう。
匿名性を悪用されないためには、匿名性と透明性の最適なバランスを保ち、健全なエコシステムを構築するための適切な規制が必要ですね。
イーサリアムはステルスアドレス実装に向けて、どのような動きを見せるでしょうか? 今後の議論と技術の発展に注目です。
公認されたコンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動するクリプトアーティストが制作したNFTの販売(一次販売)及び、利用者同士が保持しているNFTを売買(二次販売)できるNFT売買プラットフォームサービス。
SBINFT株式会社が運営する。
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