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Avacus株式会社とは ≪後編≫ Avacusのこれからと新サービスSignrについて

もなかす
4 years ago
マイクロタスク事業メカニカルタークユーザーが抱える問題越境間決済の壁DeFiとの連携変化する暗号資産の需要新サービス「Signr」印章の電子的な置き換えにおける問題点公開鍵署名の実用が進まない理由公開鍵署名を一般的なものに浸透させるただひとつのツールAvacus On-chainでも使われているSignrの仕組みSignrの応用① 請求書デジタル化へ向けてSignrの応用② 幅広い分野への展開に期待まとめ

こんにちは!Avacusが登壇したオンラインピッチイベントでの内容やそのほかをもとに、Avacusのこれまでとこれからをまとめていく前後編、後編となる今回はAvacusのこれからや新サービス「Signr」ついてをまとめたいと思います!

前編では事業概要とAvacusユーザーの多様なライフスタイルをご紹介しましたので、こちらもお読みいただけると嬉しいです。

マイクロタスク事業

自社が有するサービスを基に新たなビジネスへ展開させていく構想を持っています。マイクロタスク事業は、その一つです。

◆マイクロタスクとは?

超細分化された・超少額の単純労働で、発展途上国の若者たちの新しい稼ぎ口としていま急激に伸びている市場。AIが判断しにくい「特定の物体を含む画像の選別」「美しさの評価」「文章の翻訳」など、人間のほうが効率的に処理できる作業を1解決あたり1-100円程度の報酬でタスクを発注できるシステム。

その代表的なものがAmazon Mechanical Turk(アマゾン メカニカルターク)です。

メカニカルタークユーザーが抱える問題

メカニカルタークのワーカーはアメリカ在住であればドルで報酬を受け取り可能ですが、その多くは途上国のブラジルやナイジェリアなど途上国の若者で、ドル通貨圏外である彼らは有効期限つきのAmazonギフト残高で支払いを受けています。

そうです、彼らは現金化するために報酬で得たギフト券を日常的にAvacusでShopの代理購入をすることでビットコインに換金しているのです。

現在、Avacus.ioユーザーの高い割合をこのメカニカルタークユーザーが占めています。発展途上国では自国の通貨が不安定で信用できないため、ビットコインなどの暗号資産は非常に高い需要を持っているといいます。

越境間決済の壁

このような背景にあるのは「マイクロタスクと海外送金の相性の悪さ」です。先述の通りマイクロタスクの1件当たりの報酬は超少額です。そのため、ちょっとだけ仕事をしてお金をもらうといった働き方をするにはあまりにもコストが高く、釣り合わない構造になっています。極端な話、報酬よりも送金手数料の方が高いということも珍しくないでしょう。その解決策としてAmazonではAmazonギフト券を使って支払いを行っているのですね。

Avacusでは暗号資産の利点を活かすことでマイクロタスク市場に革命を起こします

もし、AvacusAskでワーカーが直接仕事を受注できて、報酬がはじめからビットコインやドルと同等の価値を持つステーブルコインで支払われるとしたらどうでしょうか。

まつかぶ氏曰く、現在は継続的に仕事を発注するクライアントの選定に入っているとのことで現在開発中のオンチェーン版「Avacus On-chain」の進捗にもよりますが、段階的に始めていくとのことです。マイクロタスク市場は毎年前年比50%のペースとブロックチェーン市場にも負けない成長率を見せており、大手だけでも1000億円規模の手数料売上があります。その5%だけでも取れれば売上へのインパクトはものすごく大きなものになるとその意気込みを語っていました。

DeFiとの連携

DeFiや海外取引所との連携といった構想も今回明らかとなりました。

現在では、4兆円以上のアセットがDeFiに眠っています。しかし「貸す・借りる」以外の用途がないのが現状です。時価総額が増え続ける一方で、その出口はどこにあるのでしょうか?そこで暗号資産を暗号資産のまま使えるAvacusを活用して買い物や仕事といった用途と出口を提供するというわけです。Avacus On-chainならブロックチェーン上で直接DeFiに接続が可能だというので期待して待ちましょう!

既存のDeFiと接続するのか、独自のDeFiをつくるのか、選択肢はいくつかあるそうで、どのようなシナリオを描いているのか気になるところです。

変化する暗号資産の需要

DeFiの登場によって暗号資産の需要は変化してきたとまつかぶ氏は語ります。暗号資産の現物は資産形成や貯蓄目的で取り入れるものになってきて、現金に換える動機が薄れてきたというのです。価格もビットコインなら700万円にもなり、手数料の面から考えてもこれまでのように数百円の投げ銭をするといった使い方は確かにしづらくなってきました。そういった需要の変化にAvacusは対応していくものと思われます。

DeFiとAvacusが組み合わさることで「暗号資産だけで生活できる世界」がより現実になっていくことでしょう。

なにしろまつかぶの意気込みがすごい。

新サービス「Signr」

それではお待たせしました、Avacus株式会社の新サービス、Signrについて現時点での情報をまとめていきます。

Signr(シグナー)は一言で言うと、誰でも簡単にブロックチェーンをつかった署名や契約ができるサービスということです。

印章の電子的な置き換えにおける問題点

Withコロナ時代の今日においてペーパーレスによる業務効率化と環境負荷の削減に向けた『脱ペーパー・脱ハンコ』の流れが急速に進んでいます。

一方で、ハンコ(印章)を画像化しただけの電子印鑑はパソコンで簡単に作成することができるので、容易に複製・偽装されてしまう可能性があります。いつ誰が押印したものなのかも不明で常にセキュリティ面で不安がつきまといます。識別情報が保存されたタイプの電子印鑑は固有のナンバーが割り振られていたり、コピー防止機能が備わっていたりすることもある反面、「そのデータを保有している電子印鑑サービスを信頼する必要がある」ため、セキュリティリスクが契約当事者の外に存在するといった問題があります。

電子データのハッシュ情報を改ざん不可能な署名をブロックチェーン上に記録し残すことができる次世代のブロックチェーン上署名は改ざん耐性が高く、かつSignrでは非中央集権型の電子署名システムを実現します。

公開鍵署名の実用が進まない理由

セキュリティの強力な証明が非中央集権的に可能となるのが、公開鍵暗号を用いた電子署名です。ブロックチェーンが登場してから現在に至るまで、「ブロックチェーンを使えば物流や美術品、著作権などの管理に革命が起きる」と言われ続けてきました。しかしその実例は世界を見てもほとんどありません。それはなぜでしょうか?ブロックチェーンへの署名自体が、ある程度リテラシーを要するもので、その工程は煩雑で面倒な作業なのです。

公開鍵署名を一般的なものに浸透させるただひとつのツール

Signrは、その取扱いの難しさから実用されてこなかった公開鍵署名をほぼワンステップで誰でも使えるサービスです。Signrの仕組みは既存のホットウォレット業者のアプリケーションや既存の取引所のセキュリティを向上させることも可能とのことで、ビジネスへ向けた展開も想定しているようです。

Avacus On-chainでも使われているSignrの仕組み

そして現在開発中のAvacus On-chainに、このSignrの仕組みが不可欠となっています。オンチェーンサービスは『世界中の誰でも制限なく使える新しいAvacus』を意味しますが、「世界中の誰でも使える」ためにはオンチェーン特有の署名の面倒さに起因する利便性の問題が悩ましい問題であったといいます。Signrを取り入れることでこれまでのAvacusに近い形でユーザーはサービスを使うことが可能となります。

2of3などのマルチシグを使うことにより、サードパーティーリスクなくセキュリティを向上させることが可能となります。

◆マルチシグとは?

マルチシグは「マルチシグネチャー(Multisignature)」の略称で、複数の秘密鍵を 用いて分散管理する運用システム。通貨の不正な移転や流失を防ぎ、暗号資産のセキュリティレベルを飛躍的に向上させます。「2of3」と呼ばれるマルチシグは、「事前に作られた3つの秘密鍵のうち2つのキーでの 署名が必要」という仕様を意味します。

Signrの応用① 請求書デジタル化へ向けて

企業間でやりとりする請求書をデジタル化する取り組みが、いま政府主導で急進しています。Signrのイメージとしてはブロックチェーン版のGoogle Authenticator。APIを公開し、あらゆるビジネスに堅牢なブロックチェーン署名を取り入れ、2段階認証のような活用を想定しているようです。

Signrの応用② 幅広い分野への展開に期待

たとえばクリエイター保護に向けてNFTのように作品をブロックチェーンと紐づけたり、アート作品のような希少性の高いモノから、請求書や権利書といった換金性の高いモノ、不動産や人材派遣、ワークフロー改善ツールなどへ応用が考えられるほか、自動承認機能をつかって、今までありそうでなかった「暗号資産のサブスクリプション」といったことも実現可能だそうです。これも面白そうですね!

まとめ

他にもオンラインピッチイベントでは直近の3ヵ年計画やイグジット戦略、暗号資産交換業審査の見通しなどについても言及がありましたが、この記事では詳細は割愛とします。

業績予想については今後マイクロタスクや、DeFiあるいは海外取引所との連携など一つでも動き出すと桁が変わっていく話ばかりですし、特に変化の激しい業界で予測不能な部分が多分にあります。

イグジットについてはIPOまたはM&Aを視野に入れているということですが、直近での譲渡といったことは考えていないようです。まつかぶ氏曰く「僕自身全資産の4億を投じてAvacusをつくっているのでもっともっと大きくしてからバトンタッチしたい」と語っていたのが印象的でした。ブロックチェーン業界は海外取引所によるユーティリティサービスの買収が過熱しており、かつAvacusは様々な暗号資産サービスとも相性が良いため、既にオファーも複数件きているそうですが「こんな値段じゃ売る気はない」ということなのでしょう。

この1年ほどAvacusは交換業申請に係る審査中の関係で公式での発言がほとんどできなった、発信が極端に少なかったというのは事実で、それに対し本気度が見えなくてユーザーは心配になっていたのも自然なことだと思います。そういった声を受け止めた結果なのか、本来は投資家向け説明会として開催されたオンラインピッチイベントがユーザーやホルダー向けにも公開され、金融庁の目が光る中でギリギリまで踏み込んだ内容で共有してくれたように思います。

個人的にちょっと感動したのはまつかぶ氏の「喋り」がかなり成長していたことです。裏話として、実は当日急遽あのような形でまつかぶがカメラの前で喋ることになり、祈るような気持ちで見ていたのですが(エヴァ初号機の初出撃を見守る気持ち)最後にまつかぶのプレゼンを見たのが2019年のISCOフォーラムだったので、その余裕すら感じる安定感に正直驚きました。沈黙していた(ように見える)期間でどれほど場数を踏んできたのか、どれだけAvacusを色々な場所でプレゼンしてきたのかがよく伝わりました。

暗号資産交換業については後日正式にアナウンスがあるかと思いますが、規制や審査で今かなり窮屈感のある中をAvacusはめちゃくちゃ頑張っているので、ここを乗り越えられるように祈っていますし、新しいAvacusを全力で激推ししていきたいと思います!


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4 years ago
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