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Starknetフルノードを立てたら報酬はもらえる? 現状と将来の展望をカジュアルに解説

SHOGAKU
13 days ago
導入現在の報酬状況将来的な報酬の可能性直近の開発者コール(Full Node Call #19)の内容まとめと今後の展望

導入

皆さんはStarknet(スタークネット)という言葉を聞いたことがありますか?StarknetはEthereum(イーサリアム)の上に構築されたレイヤー2のブロックチェーンネットワークで、ゼロ知識証明(ZK-rollup)技術を使って高いスケーラビリティを実現するパーミッションレス(許可不要)な分散型ZKロールアップL2ネットワークです (Starknet | The L2 Validity Rollup Scaling Ethereum - StarkWare)。要するに、Starknet上ではイーサリアムのセキュリティを享受しつつ、手数料の安い大量のトランザクション処理が可能になります。

ではフルノードとは何でしょうか?フルノードとは、そのブロックチェーンネットワークの全取引履歴と現在の状態をすべて保存し、自ら全てのトランザクションを検証するノード(コンピュータ)のことです (Nodes :: Starknet documentation)。Starknetにおけるフルノードは、ネットワークの完全な状態を保持し、新しい取引が来るとそれが正しいかどうかチェックする役割を担っています。要は、ネットワークの健全性と分散化を支える重要な存在です。

本記事では、Starknetのフルノード運用者にトークン報酬はあるのか? という疑問について、現状と将来の見通しをカジュアルに解説していきます。

現在の報酬状況

まず結論から言うと、現状(2025年初時点)、Starknetのフルノードを運用しても直接得られるトークン報酬はありません。 (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - Page 4 - SNIPs - Starknet Community Forum)Starknetはこれまで単一のシーケンサー(ブロック生成者)によって運用されており、ネットワーク全体での合意形成(コンセンサス)機構による報酬分配がまだ導入されていません。そのため、ビットコインやイーサリアムのようにノードを動かすだけで新規発行コインがもらえる、といった仕組みは現時点では存在しないのです。

実際、StarkWare(Starknet開発元)の関係者も「メインネットでステーキングが始まるまではインセンティブ(報酬)は無い。いまはインフラをテストし準備しておくためだ」と述べています (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - Page 4 - SNIPs - Starknet Community Forum)。したがって、今フルノードを立てて動かしている人たちは、自分でネットワークにアクセスするため(自前のRPCエンドポイントを持つため)や、コミュニティへの貢献・検証目的でボランティア的に運用している状況です。

※かつては将来のトークンエアドロップ(無料配布)を期待してテストネットノードを運用する動きも一部でありましたが、少なくとも公式にはフルノード運用者向けのエアドロップや報酬計画は発表されていません。

将来的な報酬の可能性

では将来的にフルノード運用者に報酬が発生する可能性はあるのでしょうか? 答えとしては「イエス、ただし条件付き」です。実はStarknetはProof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク、以下PoS)型のコンセンサス導入に向けた段階的なロードマップを進めています (Nethermind | Your Partner in Blockchain)。PoSとは、ネットワークのブロック生成や検証作業を担うバリデータ(Validator)をトークンのステーキング(預け入れ)によって選出し、その貢献に応じて新たなトークンを報酬として配る仕組みです。イーサリアムの「The Merge(マージ)」後のステーキングと同様のコンセプトですね。

Starknetでも、まず第一段階としてステーキングの初期実装が2024年Q4に行われました (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - SNIPs - Starknet Community Forum) (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - Page 4 - SNIPs - Starknet Community Forum)。この段階では、誰でも一定量のSTRKトークン(Starknetのネイティブトークン)をステーキングすることでバリデータ候補(Staker)になれるようになりました。バリデータになるには最低でも20,000枚のSTRKをステーキングする必要があります (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench)。バリデータはネットワーク上でフルノードを稼働させ、取引の検証や将来的にはブロック生成・証明作成などの役割を担います (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench)。一方、そんなに大量のトークンを持っていないユーザーでも**デリゲーター(Delegator)**としてステーキングに参加できます。デリゲーターは自分の持つSTRKを信頼できるバリデータに委任することで、間接的にネットワーク運用に参加し、その見返りとして報酬の一部を受け取る仕組みです (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench)。

この**ステーキング参加者(バリデータおよびデリゲーター)**には、ネットワークからインフレ報酬が配布されます。具体的には、新規発行されるSTRKトークン(年率換算で約1.8%〜2.5%上限のインフレ率と提案 (Nethermind | Your Partner in Blockchain) (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench))がステーキングした量に応じて割り当てられ、バリデータとそのデリゲーターに分配されます (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - SNIPs - Starknet Community Forum)。バリデータ自身もデリゲーターから一定割合のコミッション(手数料)を設定でき、委任を受けることで自分のステーク量以上の報酬を獲得できます (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench)。一方、デリゲーターは自分でノードを動かさなくても手軽にステーキング報酬を得られるメリットがあります。

重要なのは、この報酬は**「フルノードを運用しているだけの人全員」に配られるわけではなく**、「ステーキングを行いバリデータ(検証者)として登録されたノード運用者」に対して与えられる点です (Stake on Starknet's decentralization)。言い換えれば、将来的にStarknetでフルノードを動かして報酬を得たい場合、単にノードを立てるだけでなくバリデータとしてネットワークのコンセンサスに参加する必要があるということですね。

とはいえ、このPoS移行は徐々に行われていく予定です (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - SNIPs - Starknet Community Forum)。初期段階ではバリデータはまだブロック提案や投票のみで、ネットワークの安全性検証(STARK証明の生成など)は引き続きSequencer(シーケンサー)が担う形になるようです。段階を追うごとに、バリデータがネットワークのさらなる役割(ブロック生成やL1への証明送信など)を引き受け、真の意味で分散化されたStarknetネットワークが実現していく見通しです (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - SNIPs - Starknet Community Forum) (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - SNIPs - Starknet Community Forum)。

直近の開発者コール(Full Node Call #19)の内容

最近行われたStarknetの開発者向けコミュニティコール「Full Node Call #19」では、その名の通りフルノードに関する様々なトピックが議論されました (StarkNet Roundup #27 : r/ethereum)。このコールではネットワークの現状やフルノード実装(例えば現在利用できる複数のクライアント:Rust製のPathfinderやGo製のJuno等)の進捗、パフォーマンス改善、今後の課題など技術的な内容が中心だったようです。

肝心の「フルノード運用者へのインセンティブ(報酬)」に関してですが、このコールにおいて新たに何か具体的な報酬制度が発表されたという情報は特にありませんでした。現状確認したとおり、Starknetではステーキングによる報酬が今まさに始まった段階であり、単なるフルノード運用者に対する個別の報酬スキームは導入されていません。 (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - Page 4 - SNIPs - Starknet Community Forum)開発者コールでもその点は変わらず、**「フルノードを走らせるだけでは直接のトークン報酬はない」**という現在の方針に言及があった程度と思われます。むしろ、コミュニティとしては「将来の完全な分散化に備えて今からフルノードを増やしネットワークを強化してほしい」という呼びかけや、ステーキング参加の準備を促すトーンが強かったように感じます。

要するに、Full Node Call #19の時点でも**「フルノード運用=すぐ報酬がもらえる」という状態ではない**という認識で問題ないでしょう。

まとめと今後の展望

最後に、本記事のポイントをまとめます。

  • 現状、Starknetのフルノードを運用しても直接もらえるトークン報酬は存在しません。 単体のフルノード運用はボランティア的な貢献であり (SNIP 18: Staking’s First Stage on Starknet - Page 4 - SNIPs - Starknet Community Forum)、報酬目的で運用する段階には至っていません。
  • 将来的にはPoS移行により、フルノード運用者の中でもバリデータとしてステーキングに参加した人々には報酬が発生します。 具体的には、20,000STRK以上をステークしてバリデータとなり、ネットワーク運用に寄与することで新規発行トークンから報酬を得られます (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench)。デリゲーターとして間接参加することでも一部報酬が受け取れます (Staking Overview. Staking on Starknet involves locking… | by Esther Oche | CoinsBench)。
  • 直近の開発者コールでも、フルノード運用者単独への報酬は特に発表されませんでした。 引き続きステーキングを通じたインセンティブ設計にフォーカスしている状況です。
  • 今後の展望: Starknetの分散化が進めば、バリデータの役割が拡大し、それに伴ってステーキング報酬もより本格化するでしょう。現時点でフルノードを運用している方は、その知見を活かしてぜひバリデータへの参加を検討してみてください。十分なSTRKを持っていない場合でも、他の信頼できるバリデータにトークンをデリゲートすることでネットワーク貢献と報酬獲得が可能です。

今後、Starknet財団やコミュニティからフルノード運用者向けの新たな支援策やインセンティブプログラムが発表される可能性もゼロではありません。アップデート情報をチェックしつつ、まずはネットワークを支える一員としてフルノードを動かし、Starknetのエコシステムに貢献してみてはいかがでしょうか? そうすることで、いざ報酬が用意された時に真っ先に恩恵を受けられるかもしれませんし、なにより次世代のL2技術を支える体験自体が貴重だと思います。今後のStarknetの発展に期待しつつ、引き続きコミュニティとしてネットワークを盛り上げていきましょう!


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