"OK, boomer !"を心に飼う
はじめに
海外ニートのANE(あね) です。
みなさんは、「boomer(ブーマー)」という言葉をきいたことがありますか?
ANEの場合は、1~2年ほど前、とあるPodcastを聴いていた時にはじめて出会いました。
つまり、最近知った言葉です。
bommerの意味
英単語の意味としては、以下のとおりです。
a person born during a baby boom, especially after the Second World War
(the Oxford Advanced Learner's Dictionary より引用)
つまり、第二次世界大戦後のベビーブームに生まれた人のことを指します。
具体的には、世論調査機関であるPew Research Centerの定義を借りると、1946年~1964年生まれのひとが「boomer」世代です。
(出典: Pew Research Center "Defining generations: Where Millennials end and Generation Z begins")
※年齢は2019年時点のため、+2歳で読み替えてください。
なお、これらの世代の呼び方は、欧米のニュースでよく使われるので、まずは自分の世代が世界では何と呼ばれているのかを知っておくと、ニュースの理解も進むと思います。
"OK,boomer"の意味
単語の意味がわかったところで、この文章の意味を考えましょう。
これは、2019年11月にニュージーランドで発生した、世界的な流行語です。
後に社会現象にもなったこの言葉が実際に使われた話題のシーンを、CNNのニュースを介して見てみましょう。
ニュージーランド議会で、若手議員(25)が、気候変動問題について発言をしている最中に、議場で年上の議員からヤジを受けました。
その際、若手議員がヤジに対して返した言葉が "OK, Boomer" です。
その一言でヤジを退けた後に、淡々と発言を続けていくのが印象的ですね。
"OK, boomer"現象
この出来事をきっかけに、"OK, boomer"という言葉は、気候変動問題をめぐる年上世代への怒りにとどまらず、若い世代の苛立ちを象徴する言葉として、世界中で拡散されました。
TikTokでのムービーの乱立や、ファッショングッズが販売されるなど、boomer世代を揶揄するスラングの流行に乗じて、若者が声を強めました。
あの New York Times 誌も、「世代間戦争」と報じ、注目していました。
当時日本ではそこまで話題にならなかったと思いますが、ANEはYouTubeの動画を観たときの衝撃を今でも覚えています。
"OK,boomer"の有用性
もしANEが60代のboomer世代だとしたら、この言葉に対し「けしからん!」とか「なっとらん!」とか言って、怒るのかもしれません。
もしその言葉がとつぜん自分に向けられたとしたら、「先がないあなたには用はない」と言われたようで、失礼な、さびしい印象を受けるからです。
New York Times誌は、この盛り上がりを「うんざりした何百万人もの子供たちの叫び」 とも表現しています。
しかし、この言葉は、若手議員の年齢をからかうヤジに対して返ってきた言葉です。
その反撃としての機能は優れていると判断しました。
否定も受け止めもせず、ただ受け流すことができる
「そうか、よしよし」と、大人の対応で相手の無礼を冷ややかにいなし、受け流す効果があり、感情的に受け止めずに済みます。
遮られても話し続けることができる
相手の前時代的な発言を無効化し、話の腰を折られず、声を奪われずに済みます。
つまりこの言葉は、未来に向けて挑戦し続ける人のためのおまもり であるわけです。
心の中に、"OK, boomer"
挑戦には、常にリスクが伴います。
挑戦しようとする人に対しては、心ない言葉を使って妨害する人が現れます。
世の中にまだないものを生み出そうとする人には、過去を築き上げてきた人生の先輩たちが、上から目線で否定してくることもあるかもしれません。
そんな時は、クールに"OK, boomer"と心の中でつぶやきましょう。
そうすると、止まってしまいそうな歩みを、またひとつ進められるかもしれません。
なぜなら、ニュージーランドの議会は、彼女の掲げる「ゼロカーボン法案」を可決したのですから。