和組のDAO化と今後の構想 〜日本をweb3立国へ〜
和組のDAO化と今後の構想 〜日本をweb3立国へ〜
Category: Journal Last Edited By: January 18, 2022 10:05 PM
初めまして、柿木駿と申します。和組が始動してはや1ヶ月半、この度、無事「DAO」へ移行し、この度和組のリーダーに就任することになりました。実際にweb3のコミュニティ運営を通じて実感した、DAOの可能性や課題に触れつつ、これを機に和組DAOとして今後どのような未来を描いていくかを記していきます。
和組とは?
和組は、Web3の最新情報を共有・議論するオープンなコミュニティです。現時点(2022/01/16)だと、3,400人以上Discordに参加していただいており、Web3全般(DeFi, DAO, Crypto, NFT, Blockchain, Metaverseなど)のトピックを対象に初心者から起業家まで幅広く所属しています。参加はこちらから: http://discord.gg/b7umbkCcpQ
和組発端に至るまで
当初は、米国の日本人起業家間で最新web3のニュースを議論・共有するチャットグループでしたが、Kiyoさんの働きかけを中心に、またFractonさんの力を得て公に去年の11月末に公開することになりました。和組の言葉の由来は、クリプトの隠語「wagmi」(皆で成功する)を日本語に文字ったものです。
和組のここまでの功績
開始から1ヶ月半足らずであるにも関わらず、多くの方のご支援・ご尽力のお陰で、以下のようなマイルストーンを達成することができました。
- 専用Discordに3,400人が所属
- 認証メンバーが240人超え、DAOランキング(guild.xyz)を通して世界5位
- 和組限定NFT、和組Cats、フリーミントにて850個以上ミントされ、ガス手数料は述べ 約250万円分相当
- ガバナンス投票に述べ111人が参加 (直近のUniswapの投票でも200~300人)
何よりも、和組を通じて「ウォレットをインストールした」「初めてNFTのミントを体験できた」「DAOのガバナンスに投票した」などweb3を実際『体験』される方の声をたくさんお聞きすることができて、とても嬉しいです。
そもそもDAOって何?
DAOとは、コミュニティのメンバーによってブロックチェーンを介して所有・運営される組織形態の一種です。Web3の世界では、コミュニティが自律的に運営していくために、最も多く用いられる形態であり、中央集権的な構造を排除し、インターネットに根ざした組織構造となっています。個人的には、中長期的にDAOという組織形態が日常の至る所に浸透し、株式会社の発明に匹敵するくらい政治や世界を一変させる組織形態になりうる可能性は大いにあると考えております。
和組の場合は、今回コミュニティの意思決定を、議決権をNFT保有者による投票=DAOへと移行する最中にいます。
DAOの何が良いの?
問題点も山積みである一方、将来的なポテンシャルが大きいのが今のDAOの現状です。中でも一番の利点は、「オーナーシップ」がコミュニティに移るという点です。真の意味で、インターネットに根ざしたデジタルで完結する組織形成が可能になります。また、ユーザーに所有・運営されることにより、利益追求だけではなく、彼らに還元するインセンティブが働き、公共財的な性質をも持ち合わせることになります。
和組の場合でも、Snapshotというツールを用いることにより、透明性を保ちながらメンバーの意向を公平に決定する、民主的な手続きが可能になりました。
DAOにリーダーって必要なの?
現時点の和組にとっては、Yesです。 こちらの記事 にもありましたが、企業がトップダウンであるとするならば、DAOはボトムアップでできています。企業は迅速に意思決定を実行することが可能であることに比べて、DAOは動きは鈍くなりがちです。その一方で、企業はイノベーションが遅れがちになってしまうことに対して、DAOでは斬新なイノベーションが可能になります。 上記のプロコンを踏まえた上で、両方を天秤にかけつつも適切なタイミングでDAOは最適な組織体系を選択する必要があります。
和組においては、今は立ち上げで迅速で動く必要性が高いという判断に至ったため、自分が今回リーダーとして就任させて頂くことになりました。
web3を支援する『和』を広げていく
和組は、web3に根ざした組織=DAO発端として、日本からWeb3全体を盛り上げていかねばなりません。多くの日本の皆さんに、web3全般について興味をもって頂くことはもちろん、web3へ果敢に挑戦する起業家の方を日本からより輩出し、支援する側 - 人材・資金・知見の『和』を広げていかなければならないです。
初日からGlobalで戦わなければいけないweb3の世界
web2では、言語の壁や規制に伴い外国企業にとっては少なからず参入障壁がありましたが、web3ではそちらの優位性はほとんどなくなってしまいます。なぜなら、ブロックチェーン上はそもそも世界を横断している以上、ネットワーク効果が以前と比べ物にならないほど強力であるからです。例えば、日本版Uberは存在し得ても、日本版Ethereumは意味を成しません。つまり、初日からグローバルで戦わなければいけない。このままではGAFAを始めとした、web2の再来どころか今以上に日本はweb3の分野に存在感がなくなり兼ねません。つまり、今から動かねば非常に分が悪くなる一方ですし、2022年が最後のチャンスであると言っても過言ではないでしょう。
和組DAOのビジョン -『日本をweb3立国へ』
そこで和組の構想として、『日本をweb3立国へ』を一つの目標として位置付けます。現時点でweb3の世界を牛耳っているのは紛れもなくアメリカです。Uniswapを始めとした多くのDeFiプロトコルは米国発でありますし、何よりweb3におけるリスクマネーはダントツで現状米国が一番潤沢です。ただその一方で、solidityエンジニアの不足が巷では叫ばれているように、実際プロダクトを作る側の起業家やエンジニアさんの数はさほど多くない。
では、『日本をweb3立国へ』として位置付けた場合どのようになるでしょうか。 和組としては、次の①~③のサイクルを回していく必要があると思っております。
① 体験+学習 (Earn to Learn) → 初心者の方を心優しく迎え入れ、実際にNFT購入などの体験を通じて理解度を高い人を増やす。
② リソースや知見の共有 (Connect) → 構想や知見を共有することで、質の高いコミュニティを形成する。
③ 起業支援+投資 (Fund) → 度胸ある起業家のプールを増やし、彼らにリスクマネー及び支援を提供する。
和組エコシステム構想
上記を達成するために、以下のような、和組エコシステム構想を考えております。
和組DAOを中心として、メディアやAMAを通じてweb3の認知を増やしながら、「和組Cats」などのプロダクトを通じて、NFTのミントやガバナンス投票を経て、実際にweb3を「体験」する機会を和組としては提供していきます。また、web3に取り組む起業家・エンジニアの方々のプールを増やすことで、その中から投資DAOを通じて投資やインキュベーションを行っていきます。これら全体の恩恵が和組会員の方々に還元できるよう、和組ならびに日本のweb3界全体を盛り上げていきます。これが僕の考える、『日本をweb3立国』を念頭に置いた、和組エコシステム構想です。
全体としては、クリプト全体に対して往々に規制が追いついていない中、高いリスクを許容するだけの支援者の厚みを増していかなければならない。この『日本をweb3立国へ』とのくらい大きなビジョンを頭の片隅にでも意識する人が増えることで、日本が世界のweb3から遅れを取り戻す良いきっかけになると信じております。自分個人としては、全くのweb3初心者でありながらも、去年の夏から数多くの方からのご支援を経て、web3への理解度を深め今スタートラインに立てているので、そちらの再現性を高めること、次のUniswapを日本から生み出すこと、そこに和組としての存在意義はあります。
日本において、web3の『体験者』の数を増やす
和組として、一番最初に取り組むべきなのは、web3に「理解」のある日本人の母数を増やしていくこと。ここでいう「理解」がある人とは、表面的なファクトを通じてweb3を語る人のことではなく、実際に手を動かしてトークンをスワップしたり、NFTを購入してたり、DAOのガバナンスへ参加したり、とクリプトの『体験』を通じてweb3の感覚値が高い人のことです。そのためには、和組を通じて初心者の方をどんどん迎え入れ、そうしたweb3の『体験』に触れる機会を一人でも多くの日本人の方に提供することが重要です。
最後に
和組DAOを通じて、長文になりましたが、日本の皆さんがweb3に興味を持ち、クリプトの世界へ一歩踏み出すきっかけになればとても幸いです。また最後になりますが、和組DAOが目指す形に少しでも共感された方、日本の未来を作っていく上で貴方の力が必要です。初心者の方から学生までどんな方でも大歓迎ですので是非Discordからご参加ください…!🙆♂️ 次のリンクから → http://discord.gg/b7umbkCcpQ
Credits
最後になりましたが、今回の和組発端の中心であり、いつも深夜まで相談等お気にかけてくださっているKiyoさん、クリプトやDeFiを一から教えてくださってGrowthを担当してくださるゆうすけさん、抜群の安定感でAMAを取り仕切られている大河さん、和組Catsを始めデザインを担ってくださるかじもな、日本を代表するDAOマスターこうへい、オンボーティングを担当してくださる筋肉自慢のえーちゃん、ニュースレターを担当してくれてて渋谷から彗星の如く参上したしゅーご、またDAO化に伴いアドバイザリー・技術支援してくださったFractonさんの亀井さん、鈴木さん、赤澤さん、そして日々いつも和組Discordに貢献してくださる皆様この場をお借りしてお礼申し上げます。皆様の力なくしては和組はなかったと思います、引き続き宜しくお願い致します。