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資本主義の暴力性とトークンエコノミーの可能性について

みなみ🦕
3 years ago
資本主義がもつ暴力性①あらゆるものを暴力的に「商品化」する②すべての人を「貨幣」という一つの軸の上に置いてしまう③「人間の行為動機は自己利益最大化のみ」と想定している「経済成長」という概念を問い直すなんで資本主義は続いてきたの?「経済成長」という言葉の意味「経済学部」の意味を捉え直す「トークンエコノミー」の可能性さいごに文献リスト

こんにちは!みなみです。
最近すごく暑いですね!皆様いかがお過ごしでしょうか。(時候の挨拶)

早速ですが今回は最近の「経済」についての理解や考えをつらつら書いてみようと思います!
書いてみよう!となったきっかけは、最近大学の講義の関係で斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』を読んだことです。そこでいろいろ自分の理解や考えが整理されたので、ここに簡単にまとめてみたいと思います!

証券取引のイラスト(いらすとやさんより)

※注その1 今回は今までに読んだ本の内容をふまえて記事を書いていくので、本の内容の引用などあるかもしれません。
著作権法の「第23条 公衆送信権」「第27条 翻案権」「第32条 引用」などに注意しながら書いていきます!この表現マズイよ、等あれば随時コメントで教えてください!
また今回は自分の中で考えを整理しているとはいえ、その源流の多くは他の方が書いた本の中にあり、それでJPYCを得てしまうことは気が引けるので、投げ銭は無しで設定しています!

※注その2 ここに書いてあるのはあくまで自分のひとつの考え方、理解の仕方になります。勿論間違っているところ等あると思います。また、これはある特定の考えを否定したり、ある特定の考えを支持したりするために書いた文章ではありません。温かく見守っていただけると幸いです、、!

では最後まで読んでいただけると嬉しいです!

資本主義がもつ暴力性

資本主義。
とても聞き慣れた言葉であり、日々の暮らしの中で見慣れすぎた概念です。(自分が資本主義の中に生きていることを自覚できないぐらい!!)
でも最近資本主義批判って結構ありますよね。 ここでは「資本主義がもつ暴力性」という切り口で3つの観点から資本主義批判をまとめてみました。(ここでの「批判」は「否定すること」ではなく「物事を多面的に捉えること」の意になります)

①あらゆるものを暴力的に「商品化」する

今って家で水道を使うために水道料金払っていますよね。でもそれってある意味不思議なわけです。水ってどこにでもある社会的資源なのに、それさえも特定の経済主体下の「商品」になってしまっているんです。

ほかにも、「愛だけはお金で買えない」という言葉もありますよね。あれは裏を返せば愛以外はお金さえあればすべて手に入る、つまりあらゆるものが「商品」の状態にあるということです。よく考えてみると資本主義の特徴を端的に表した言葉だと思います。

なんでこれが問題かと言うと、商品の交換単位である「貨幣」を持ってないと経済社会に参戦することさえできないようになってしまっているからです。資本主義は社会のあらゆる場所に深く入り込み、あらゆるものを体内に取り込んでしまった、つまり「商品化」してしまったんです。

②すべての人を「貨幣」という一つの軸の上に置いてしまう

経済学者の岩井克人さんは、「『欲望の貨幣論』を語る」(丸山俊一、東洋経済新報社)の中で

貨幣はレヴェラーズである

と仰っています。貨幣の下では皆平等であるということです。 一方で、資本主義は①で述べたように貨幣を持っていないと参戦できない社会。裏を返せば、みな一人残らず「貨幣」というひとつの巨大なものさしの上に置かれていると言ってもよいのではないでしょうか。

③「人間の行為動機は自己利益最大化のみ」と想定している

資本主義経済における人間の行為動機は、基本的に「自己利益の最大化」です。人間は自分の得る利益が一番大きくなるように行動するようにできているということです。「ホモ・エコノミクス」「経済人」ともいわれます。

でも、人間の行為動機ってこれだけじゃないはずです。
「経済」は広い意味で 「人と人とが織りなす有機的な営みすべて」 と捉えられるはずです。
このような人間の営みの中では、みながみな「自己利益の最大化」を動機として行動するわけではないですよね。

(私は高2のときにこれをなんとなく感じたのですが、大学の講義の中でカール・ポランニー大先生も同じようなこと(『実体的経済』)を考えていたことを学んでめちゃめちゃテンションが上がりました)

「経済成長」という概念を問い直す

なんで資本主義は続いてきたの?

資本主義は上のような暴力性をはらんでいるにも関わらず、なぜ長い間続いているのでしょうか?それは、資本主義が人間にとって都合の良い考え方だからです。『経済史 ーいまを知り、未来をいきるためにー』(小野塚知二、有斐閣)の中には、

人間は際限のない欲望をもつ

とあります。これには続きがあります。

人間は際限のない欲望を持つが、それを認めたがらない生き物なのである

人間は無限に欲望を持っているけど、それを認めたくはないし周りの人にも言いたくはない。
ではそれをどこに発散するか。とても都合の良い発散先があります。それは資本主義というメカニズムです。

資本主義の目的は 「資本の無限の自己増殖」 です。資本そのものを増殖させる「ため」に、人々は労働し、あらゆるものは商品になっていくのです。(労働するということも、自分の時間を「商品」にしていることと同じです。)

無限の欲望をもつ人間は、それを資本の無限の増殖に発散していたんです。自分は無限に欲望があります!と周りに言わなくても、その欲望(エネルギー)の方向を資本を増殖させることに向ければ欲望はある程度充足されます。この点で資本主義のメカニズムと人間の欲望は相性がいい、というかお互いに都合が良い存在のような感じなんですね。

「経済成長」という言葉の意味

ここまでの文脈の中で「経済成長」という言葉の意味を考えてみると、「経済成長」という言葉に対するイメージも少し変わってきます。

「経済成長」ってなんとなく使ってる言葉ですよね。。自分はそうでした。でも、これを上の資本主義の性質に照らし合わせて考えてみると
「資本の自己増殖の増加分」
と捉えられます。
そしてここでいう「資本」はすべて貨幣で測定できます。
裏を返せば、貨幣で測定できるものしか含んでいないわけです。 貨幣では測定できないいわゆる「本質的な豊かさ」は「経済成長」の中には含めてくれないわけです。

資本主義における「経済成長」は、「無限の資本の自己増殖」を目的とする資本主義において「商品化」された人間が生んだ、「貨幣」という価値基準のみで測定可能な「資本」の増加または増加分にすぎない、と捉えられると思います。
(オタク特有の早口みたいになっちゃったすみません)

「経済学部」の意味を捉え直す

高校生のときに「エコノミクス甲子園」という経済に関するクイズ大会の勉強をしていたときに気づいたんです。

「経済学部」って、「経済/学部」じゃなくて「経済学/部」なんだな

って。
ここでは「経済/学部」→「広義の経済」、「経済学/部」→「狭義の経済」に対応します。
経済学部ではミクロ経済学、マクロ経済学、応用経済学などを扱います。これらの学問は「人間は経済人である」という単一の前提のもと、数理的アプローチをつかってモデル化を行います。

一方、「経済」って広義では人の営みすべてです。人の有機的な営みは上のような経済学だけでは語れません。法学、哲学、社会学、倫理学、化学、生物学などなどなどなど、、諸学問すべての領域が関わってくるはずです。

この点で主に経済学を扱う「経済学部」は「経済/学部」ではなく 「経済学/部」 だと思っています。
(よくわからない言語化ですみません)

※だから経済学部がダメだとか言っているわけでは全くありません!!

「トークンエコノミー」の可能性

ここまで述べた資本主義の暴力性のお話を踏まえて、
「トークンエコノミー」の根底にある価値観が人々にいい感じにヒットしてくれるのでは?というお話です。
自分は「トークンエコノミー」の具体的な実効性などは語れないのですが、ここで言いたいのは根本の価値観についてです。

今までは「貨幣」という一つのものさししかありませんでしたが、 「トークンエコノミー」の中ではたくさんの種類の通貨が共存しています。つまりものさしが増えたわけです。 一つの軸にはとらわれない、多種多様なあり方を認めてくれるわけです。
これって「有機的な人の営み」としての経済社会のあり方に少し近づいていると思います。
そして、自分たちが「資本主義」という枠組みの中に生きていることを自覚する、つまり資本主義を「相対化」する一助にもなるんじゃないかと思ったりもします。

「トークンエコノミー」(特にこの根本の価値観)などがきっかけで、少しでも人の営みのかたちがありのまま反映された、有機的な経済社会が実現するといいなと思います。

さいごに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
議論がガバいところもあったかもしれませんが、みなさんの「経済」について考えるきっかけとなれれば嬉しいです!

ではまた~!

文献リスト

斎藤幸平『人新世の「資本論」』(集英社新書)

小野塚知二『経済史 ーいまを知り、未来を生きるためにー』(有斐閣)

丸山俊一『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』(東洋経済新報社)

(奥島真一郎、吉原直毅『非経済的動機を導入した経済理論の可能性:カント的アプローチ』

(布留川 正博 1984)『カール・ポランニーの歴史認識と実体的経済』


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みなみ🦕
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