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半導体戦争 (Chip War)

Kenichiro Komazawa
a year ago

ダイヤモンド社の「半導体戦争」を読みました。大変面白く、一気読みしてしまいました。

第2次世界大戦後の世界の体制を形作る、一つの大きな要因として半導体があり、わずか70年程度での変化の激しさは他の産業にはないのではないかと思います。また、この半導体の歴史を知ることにより、自分自身の生活にどのように関わってきたのかを知る、良い機会となりました。

半導体戦争

1947年にベル研究所で生まれたトランジスタから始まり、ラジオの時代にいち早く、日本のSonyが産声を上げたこと、フェアチャイルド、テキサスインスツルメントがNASAやDARPAといった軍事的な利用に半導体を提供したことで、大きく市場が広がり、その後インテルが1971年に4ビットのマイクロプロセッサを作った頃から、民生用の市場が爆発的に広がっていきました。

私が小学生の頃の1980年代は、ポケコンと呼ばれる電卓でゲームを作る友達がいたり、おじいちゃんに買ってもらったウォークマンが世界を席巻したりなど、日本の半導体産業がピークだったんですね。

印象深いのは、DRAMメモリで圧倒的位市場を奪った日本に対し、インテルは破壊的イノベーション戦略を取り、CPU開発に大きく舵を切ることで、その後のPC市場での支配的地位を確立します。この辺りの攻防はまさに日米半導体戦争と呼ぶに相応しい、激動の時代だったと思います。

その後、現在に至るまで日本の優位性は徐々に低下し、メモリは韓国サムスンが席巻し、さらに水平分業が進むことで、設計を専業にしたファブレス企業、生産を専業にするファウンドり企業に市場が奪われていきます。一方で、製造装置や、素材分野、イメージセンサーやパワー半導体などの特化したロジックメモリでの市場など、日本もこれから期待できる市場があります。

これらの現在の世界シェアの分布は、経済産業省のこちらの資料がものすごくわかりやすいです。 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/conference/semicon_digital/0001/05.pdf

この本を読んで理解したのは、新しい技術を中心とする産業は、世界のパワーバランスを決定する戦略的なものであり、経済的・技術的な力関係だけでなく、国同士の安全保障の問題が大きく関わってくる、まさに国際政治の歴史だということでした。

今後、平和的に国同士の力が均衡するような半導体の世界地図はどのようにあるべきか、考えていきたいと思います。


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Kenichiro Komazawa
a year ago
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