記憶と忘却について
(1)記憶とは何か
記憶とは過去の経験の内容を保持し、後でそれを思い出すことです。
記憶の過程は記銘、保持、想起、忘却という流れになっています。
記名とは、経験されたことを覚えることです。
保持とは、記名された内容を保存することであります。
想起とは、記名された内容を思い出すことです。
忘却とは、記憶したことを想起できないことです。
(2)記憶の分類
①感覚記憶
感覚記憶とは、目や耳などの感覚器で受け取った外界の情報を一時的に保持しておくための記憶です。
②短期記憶
感覚記憶に残って注意をひいた情報は、短期記憶に保持されます。短期記憶とは、数分もしくは数十分くらい保たれる記憶です。
③長期記憶
短期記憶にある情報のうち、その情報を何度も反復して想起することを通じて、脳内の長期貯蔵庫に送られる情報です。長期間に渡って保存されます。
(3)忘却曲線とレミニセンス
忘却曲線はエビングハウスが考案したものです。
記名した事柄が時間の経過とともに再生できなくなる現象をグラフとして表したものです。
このグラフのように、時間経過とともに、覚えた事柄は忘れていくのだが、条件によっては、記名直後より一定時間経過後が、よく覚えていることがあります。これをレミニセンスと言います。
(4)系列位置効果
例えば、東海道新幹線の東京駅から九州新幹線の鹿児島中央駅の間の駅名を順序よく記憶するように、多くの事柄が一定の順序で配列されている系列を学習することを系列学習と言います。
その系列学習において、一番最初の部分の成績がいいことを初頭効果と言い、一番最後の部分の記憶がいいことを親近効果と言います。それらをまとめて系列位置効果と言います。
(5)思考について
再生的思考
過去の経験やその記憶を直接当てはめる思考です。
生産的思考
過去の経験やその記憶にない新しい方法を見出す思考です。
集中的思考
様々な可能性について考えたり、様々なアイディアを思いつく能力です。
集中的思考
与えられた課題のただ一つの正解に到達しようとする差異に働く思考です。
アルゴリズム
一定の順序に従って正解に至る思考です。ランダが提唱しました。
ヒューリスティック(発見法)
直感的に効率よく解を見出す手続きを言います。