ひそかに入賞を期待していたハッカソンで「えっ、そっち?!」となった話(平日深夜2時に起きたのに。涙)
Scaling Ethereum というハッカソンに参加してみた。
せっかくなので、スポンサー賞のひとつに応募してみることに。
目に止まったのは、IPFS や Filecoin の開発元 Protocol Labs の "NFT Metadata Updater" という賞だった。
NFT Metadata Updater
概要:IPFS 上に保存された NFT メタデータへの、署名・権限・タイムスタンプ付与の更新を管理するためのベストな方法
NFTメタデータのフレームワークには、https://docs.opensea.io/docs/metadata-standards のように IPFS 上のストレージを参照するものがあります。しかし、NFT メタデータはしばしばオフチェーンに保管されます。IPFS 上のコンテンツを参照する NFT メタデータを、任意の L2 チェーンを使って更新する方法を提案してください。メタデータの更新がどのように署名、許可、タイムスタンプされるのかを概念実証で示してください。
NFT のメタデータに課題を感じていた私は、すぐにこれに取り掛かった。
- 「メタデータって、オンチェーンには URL だけ保存されていて、その URL の内容は簡単に書き換えられてしまう」
- 「これを解決するために、内容と URL が1対 1で対応する IPFS がよく使われている」
- 「でもこれだと、NFT 発行元がメタデータを変更したいとき、どうすればいい?(例えば、変化し続けるアート作品とか、ゲームのアイテムのパラメータとか)」
- 「NFT 発行元が勝手に URL 自体を変更できてしまうのは、よくないよね」
- 「メタデータを変更するときは、NFT 発行元と所有者との間に、合意が必要なんじゃないか?」
そうして思いついたのが、次に示す、ごく簡単なプロトコルだ。
- NFT の発行元が、新しいメタデータの URL を提案する
- NFT の所有者が、その提案を承諾すると、実際にメタデータの URL が更新される
シンプルだが、ありそうでなかった合意プロセスなんじゃないか。 この他に、前のメタデータの URL を保持することでメタデータのチェーンをつくるアイデアも取り入れた。
そうしてできたのが、この「Sustainable Metadata」というプロジェクト:
https://showcase.ethglobal.co/scaling/sustainable-metadata
英語でのプレゼンが必要ということで、Google Text-to-Speech の助けを借りて、イケメンボイスの英語音声のプレゼン動画も作成した。
https://www.youtube.com/watch?v=fw2-XAIYPaU
(これはひょっとしたら、入賞、狙えるんじゃないか)
ひそかに期待していた。
・・・
そして、日本時間 深夜1〜3時から行われた、入賞プロジェクト発表(がんばって起きた)
・・・
入賞は、逃した。
狙っていた賞に選ばれたのは、このプロジェクト。
https://showcase.ethglobal.co/scaling/nama-finance
これは、まさに、NFT 発行者向けのメタデータ管理ツール。
私が考えた、NFT 所有者側の視点はまったくない。
そっちか〜
という感想。
これだと、NFT 発行者が、どんどん好き勝手にメタデータを変更していけるようにみえる。
これだとなあ・・・
・・・
と勢いでここまで書いたが、
あらためてこのプロジェクトの詳細をみていたら、なかなか的確に課題に取り組んでいた。
私は最初にこれをみたときに、メタデータの課題が解決されていないと感じたのだが、あくまでこれは NFT に紐付けているかどうかにかかわらず、メタデータを独立して管理するためのツールのようである。
つまり、ここに、NFT にメタデータを紐付けるための合意プロセスを足すことも可能だ。
たしかにこちらが選ばれた理由もわかる。
・・・
そうして、丸一日ひきずっていた悔しさは、すぅーっと消えていったのであった。
いったいこの記事のタイトルはなんだったのか。読んでくれた皆さん、すみません。
(といっても個人的には、このプロジェクトに足りていない合意プロセスの部分が最も重要と感じてはいる)
・・・
ここまで読んでくださりありがとうございました。
はじめて HiDE で書いた記事でした。
これからも何か書いていきたいと思います。