マレーシアのビザ改悪に見る、東南アジアの海外移住一長一短
はじめに
海外ニートのANE(あね) です。
2021年8月13日に、マレーシアの長期滞在ビザの発給が再開された(感染症の影響で発給を停止していた)のですが、内容改定も伴っていて、それがあまりにもひどかったので、ここでシェアします。
MM2Hプログラム(2021年10月1日改定)内容
2021年8月11日、マレーシア内務省より、マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パスの新規申請の再開に関する報道発表がありました。 (出典:在マレーシア日本国大使館)
- 国外源泉収入:月額40,000MYR(≓104万円)以上
- 定期預金額:1,000,000MYR(≓2,600万円)以上
- 流動資産:1,500,000MYR(≓3,900万円)以上
(出典:在マレーシア日本国大使館)
● 月収:4倍の基準額に!
1万MYR(≓26万円)以上➣4万MYR(≓104万円)以上
● 預金:3.3倍の基準額に!
50歳未満30万MYR(≓780万円)以上➣100万MYR(≓2,600万円)以上
※不動産取得、医療、教育目的で最大50%の引き出しが可能に。
● 資産:3倍の基準額に!
50歳未満50万MYR(≓1,300万円)以上➣150万MYR(≓3,900万円)以上
マレーシアの移民政策
マレーシア国内における同プログラムによる外国人流入の懸念から、参加者本人と被扶養者の人数を常にマレーシア国民総人口の1パーセントを超えない水準とする。
(出典:在マレーシア日本国大使館)
そりゃそうか
2021年10月以降の展開を予想
当然マレーシアから移民が多く流出していくことは想像できますね。
日本人にとってマレーシアは、ロングステイ移住国希望ランキング14年連続の首位独占により、幅広い世代から評価されているので、とつぜん悲報が舞いこんできたことになります。
(出典:ロングステイ財団 ロングステイ希望国・地域2019)
では、マレーシアから出て行く人たちはどこへ行くのでしょうか?
他国の海外移住ビザについて
マレーシアのMM2Hというビザについては、改定内容を確認しましたね。
ではここで、東南アジア近隣諸国の内容もチェックしましょう。
就労ビザ以外で長期滞在を可能にするものをまとめました。
東南アジア諸外国のロングステイビザ詳細一覧
国 | ビザ種類 | 滞在できる期間 | 費用 |
---|---|---|---|
マレーシア | 長期滞在ビザ 「MM2H」 |
5年 | 資格:月収4万MYR(≓104万円) 資産150万MYR(≓3,900万円) 預金:100万MYR(≓2,600万円) |
シンガポール | 投資永住権 「GIP」 |
永住可 | 申請料:1万SGD(≓81万円) 資格:2億SGD(≓162億円) 投資額:250万SGD(≓2億円) |
フィリピン | APECO特別永住権 「ASRV」 |
永住可 | 参加料:2万USD(≓220万円) 手数料:75万円 |
タイ | 長期滞在ビザ 「タイランドエリート」 |
5~20年 | 60万THB~200万THB (≓210万円~700万円) |
マレーシアの富豪移民は近隣へ逃げる?
フィリピン
フィリピンの永住権はかなり好条件です。
こちらのタイプだと、よくある年齢制限もなく、リゾート会員権まで付いてくるようです。
ANEは2020年にフィリピンで別の永住権の申請を検討していたのですが、フィリピンの汚職文化がひどく、賄賂を積むと有利になったり、逆に賄賂をあげても保証されるわけではなかったり・・・と、ANEの性格に合わなかったので、見送りました。
タイ
費用の面でいうと、一番現実的なのがタイのロングステイビザです。
年齢制限もなく、払うお金に応じて滞在年数が比例するので、大金の投入が不安な方は、お試しで5年というやり方もできるので便利だと思います。
ただ、ビザ要件は政策や情勢に応じてころころ変わるので、いいなと思ったら、制度自体がなくならないうちに、条件が合ううちに動くのが吉です。
「タイランドエリートという」国家プログラムは、2003年から開始されましたが、一時期なくなって、最近また申し込みできるようになった経緯があるため、気になったらあるうちに申し込むことをおすすめします。
流出先の推測
マレーシアにいる富豪の外国人たちは、おそらくこの2ヶ国あたりを次の目的地に目指すのではないかと踏んでいます。
おわりに
近隣諸国を比べてみると、マレーシアのロングステイビザのコスパの悪さが際立ちました。
このように世界の一部で人の流れが起きるとすれば、ワールドワイドなビジネスにも影響を与えます。
香港からもイギリスなどへ海外移住(というよりは亡命)する人が急増し、国民の流出は8万人ものぼると聞きます。(出典:2021年8月12日 日本経済新聞)
マレーシアのビザ改悪を例にすると、流出先候補のフィリピンやタイで、一歩先にコロナ明けの外国人富豪ビジネスを仕掛けて待つのも楽しいかもしれません。