DAOのつくりかた論議 ~けんすう&なふ~
やさしいDAOのつくりかた論議 ~けんすう&なふ~
こんにちわ。NAFと申します。中東・アフリカにいるノマドです。
特にweb3 (特にICPブロックチェーン)のファンです。
つい先日、このICPチェーンに特化したDAOを立ち上げたばかりでして、これをテーマに
けんすうさんと「DAOのつくりかた」についてお話しました。
さすがインターネット黎明期からWeb上のコミュニティマネジメントを何度も運営してきたけんすうさん。示唆に富んだお話をたくさんお伺いできました。
下記のようなトピックで議論していきましたので、NAFの備忘も含めてまとめます。
1.前提(86DAO)
2.勘違いしやすいDAOコミュマネ4戦 ~人間の脳はバグっている~
3.結論~これから~
けんすうさんとの議論を通じ、やさしいDAOの作り方の結論からいうと、
「リワードありきでコミュニティ設計をするのは無理筋。8年あるし楽にいこう」
となりました。思わず勘違いしがちなコミュニティマネージメントのコツ満載ですので、DAOにご興味ある方は是非ご一読ください👏
1.前提(86DAO)
前提としてNAFは最近、「86DAO」という謎のDAOを組成しました。
どんなDAOか一言でいうと「ICPというブロックチェーン上のトークンを8年もの超・長期間ロックしている人たちだけで構成されたDAO」です。
ICP(Internet Computer)とは...
クラウドサービスの仕組みをブロックチェーン上で実現させるプロジェクトです。
運営元のDfinityは、ICPをbtc, ethに続く
「ブロックチェーンにおける第三の発明」と表現しています
例えば、こんな感じでGAFAMなど巨大プラットフォームに依存しない非中央集権の形で、すでにさまざまなアプリが動き始めています。
ICPやそのDAO(86DAO)について話すと長くなるので、下記のツイートご参照です。
https://twitter.com/NafterG/status/1614970348092497923
以下、名著「嫌われる勇気」っぽいテイストで、DAO論議のやりとりを書いていきます。
NAF「最近日本では、絆系NFTが盛り上がっていますよね。」
けんすう「そうですね、ガチホは日本になじみますよね」
NAF「ですです、8DAOは最終的にグローバルに展開していくのですが、コミュメンバーが主体的に長期間ICPにコミットしているのが特徴です。なぜならば8年ロックだから笑」
けんすう「ICPもだけど8年ロック組だけのDAOって、ユニークで面白い仕組みですね!」
NAF「今後DAOのプランニングや運用フェーズにしていくにあたり、抑えどころを把握したいです。その意味で、数々のプラットフォームやコミュニティを運営なさってこられたけんすうさんに色々お知恵をお貸しいただければと思います」
2.勘違いしやすいDAOコミュマネ4選
(1)リワードありきのコミュニティ管理は短命に終わる
NAF「初期は数十人程度なので、このくらいの規模であればコミュニティに対して、リワード出し続けられます。新規PRJのNFTやWLを配れるので。ただ、今後ICPを普及させたりDAOを盛り上げていくと、コミュのサイズも増やすフェーズがきます。とすると、リワードを与えづらくなるのが悩ましいです。例えば1000人~10000人にサイズになると、WLやエアドロは行き届きづらくなりますよね」
けんすう「わかります。ただ、たまにリワードがふってくるのは良いのですが、それありきになってしまうとコミュニティは短命に終わります」」
NAF「え、、、そうなんですか」
けんすう「例えば定期的にトークンやNFTをあげることをコミットし、それだけが軸のコミュニティだとダメなんです。なぜなら、人間は脳内でそれを時給換算してしまうからです」
Naf「なるほどです。僕はこれだけ頑張ったのに、一カ月がんばってこれだけか・・・と考えてしまうようになりそうです」
けんすう「そうなんです。もちろんたまに配布する運用は全然良いのですが、それだけがコミュニティの価値になるのはまずいですね。とある会社で、利益がとても出たときに、社員に成果報酬のボーナスみたいものを何十万円も払った会社があったんですが、逆にすごい不満がでたらしいんですね。報酬をもらってしまうと、逆に「もっともらえるべきではないか」などと思ってしまったようです。」
NAF「誰も得しないですね笑。日本のコミュニティで、そういった独自のKPIをセットしているDAOってありますかね」
けんすう「例えばベリロンは面白いですよ。あそこは『なんでも長いものはイイ』という価値観で動いています。イラストそのものもそうですが、コミュニティにいる時間等も含めてなんでも長いもの勝ち笑。あえて宗教チックなノリを遊びでやってるので面白いですよね」
NAF「なるほどです。実は86DAOも、8年ロック組の人数をKPIにするイメージないんですよね。『よくわからない謎のアルトコインを8年ロックしなさい』って、それはまさしくヤバい宗教なので笑。なので、ICPを盛り上げ~ご新規のic民を増やして~その結果として8年後に良い結果が出るといいよねぇ、みたいなことでやっていきたいですね」
(2)仲良しの常連だけでは上手くいかない
けんすう「あとよくやりがちな失敗が、常連が仲良し過ぎると上手くいかなかったりします」
NAF「えぇっ!面白いです、その心を教えてください」
けんすう「例えば10人のコミュニティの常連が仲良すぎるコミュニティがあったとして、そこに入りたいと思いますかね」
NAF「たしかに、入りづらいですね」
けんすう「そうなんです。人の入れ替えは大事だったりします。昔、2chでもそんな感じの運用をしていました。あそこは極端にやってましたが常連の入れ替えです。例えばロビー版があって、そこの常連を入れ替えるために、別名の同様の部屋をつくって、元常連を冷遇するくらいまでやってましたよ」
NAF「それはすごいですね。そこまではできないですが、8年ロックですし、疲れたらいつでも抜けたり休憩して良いというのは大事ですね。結局8年後は帰ってこないと損ですし」
けんすう「ですね。例えば8年のうち毎年10回は書き込みすることをルールにするとか、やり方はいろいろありそうです」
(3)不適切な投稿の削除は、コミュニティをダメにする
NAF「掲示板系って、不適切な書き込みとかの管理もご苦労されました?」
けんすう「これも面白くて『管理者はいかに削除しないか』が大事だったりします」
NAF「またしてもその心を教えてください笑」
けんすう「消された方って、我々が思っているよりずっと嫌な気持ちになるんですよね。それにともなって、それを見ていた人も委縮します」
NAF「なるほどです!」
(4)熱量が高すぎると、コミュニティをダメにする
けんすう「あと、熱量が高すぎるコミュニティも短命に終わります」
NAF「えぇっ!これもダメですか」
けんすう「正直人を集めるというのは簡単なのですが、人によっては1日10時間とかい続ける人ができたりするんです。それは危険ですよね。例えば2chってそのへんも上手くて、1週間みなくても全然大丈夫。それくらいの熱量の方が長持ちするんですよね」
NAF「なるほどです、8年あるし、ゆっくりやっていきます」
3.結論~これから~
NAF「本日は貴重なお話をありがとうございました。けんすうさんのコミュの方も微力ながら応援させていただきたいと思います。『リワードありきでコミュニティ設計をするのは無理筋。8年あるし楽にいこう』の精神で、コミュニティメンバーと楽しくやっていこうと思います」
けんすう「こちらこそICPも86DAOも面白そうでした。アルでいろんなツールを作っているので、何かあればいつでもお声がけください。ICPについても調べてみます」
NAF「本当にうれしいです。まりもや、なまけもの、その他けんすうさん企画で、お手伝いできることや、海外展開等を狙われる場合は、是非お気軽にお声がけください。本日はありがとうございましたっ!」