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◯万円から始まるNFT闇取引 ~スマートコントラクトがあれば、その信用いらないんだけど~

ビビドット
3 years ago
はじめにメルマガの内容記事の内容第一章 Twitter NFTとの邂逅立ちはだかる壁「やっぱりキャンセルでお願いします」「他にもDMくれた方で110万円出せるって方がいるんですけど…」「直接取引できますか?」取引最後にTwitter NFTについて謝辞

はじめに

7月8日、七夕の翌日の朝。「書くネタないな~金くれ~。ところで七夕のお願いを叶えるのって彦星?織姫?」とか思ってたらのぶめいさんからメルマガが届きました。

その内容が、NFTを現実世界で顔を合わせて売買した自分にとってすごいタイムリーだったので、今回はその話をします。

あ、はじめまして、vividotと申します。
いつもは「DeFiで落ちてるお金を拾いたいブログ」というブログで記事を書いていますが、 HiÐΞで記事を書くと投げ銭でNFTの購入資金が稼げると聞いて出張してきました。

また、弊ブログの「Uniswap V3 LP Vault (Automated Manager) 完全攻略」という記事は、自分が今まで書いた記事の中で一番評判が良い(笑)ので、Uniswap v3で流動性提供を考えている人は是非ご高覧ください。
ちなみに、ブログの記事をHiÐΞに転載して乞食するのはマイルール違反なので出来ません。

メルマガの内容

今朝、僕の元に届いたメルマガがこちらです。

取引の信用コストを0にするスマートコントラクトを解説

この記事を読んでいる人の大半は「今更スマートコントラクトの解説?」と思われるかもしれません。
しかし、このメルマガを読まないと話が進まないため、どうかご一読ください。

ちなみに、このメルマガは「会社の偉い人を教育する」ために書いてるメルマガなので対象は僕たちではないそうです。悲しい。

偉い人をこんな煽って良いんですかね…

記事の内容

もちろんメルマガの内容に突っ込みたい方もいるでしょう。
フォークされまくってるのにコピー禁止プログラムってなんやねん、とか。

一旦その話は置いておいて「スマートコントラクトは信用コストを0にします」という部分が、とても大事な要素です。

というのも、先日NFTを現実世界で売買しました。 その過程でスマートコントラクトを利用したトレードの楽さ・信用コストを再認識しました。 いや、初めて認識したといっても過言ではありません。 そこで、本記事は体験談を交えて「信用」について書き出してみたいと思います。

また、いつもは自分1人で完結する記事を書いていますが、今回はトレード相手の方が登場人物として登場してしまうため、フィクションを多分に含ませフィクション調で語ることとします。
※「信用」を誇張するためにトレード相手のことを悪い方向に脚色しております。自分が相手の方だったら同じ事をやると思いますし、実際の相手の方は非常に良い方でした。

第一章 Twitter NFTとの邂逅

7月1日、七夕の6日前の朝。いつもは昼頃に目覚める僕も、毎週木曜は研究室のミーティングのために午前中から起きている。ミーティングまで適当にTwitterを眺めて時間を潰していると、それは突然現れた。

「Twitter、NFTはじめました!プレゼントすると言ったら…欲しい人いますか?」

TwitterJapan公式Twitter。新しくアカウントを作った時にサジェストされる以外、フォローするタイミングのない公式アカウントのツイートだ。

ふ~ん。TwitterNFTは合計140個がmintされ、そのうち20個がTwitterJPで配布されると。 たまごっちを彷彿とさせるデザインはやっぱり日本を意識しているんだろうか。

界隈の乞食達が一斉にリプ欄で手を挙げるのを見て、僕も急いで手を挙げる。 「欲しい人いますか?」って聞かれてるんだから回答は「はい!」一択だ。

そして抽選が始まった。抽選とは名ばかりの作為的な選出。選ばれるのは運営の目に止まったであろうコメントばかり…「家宝にします!」じゃないんだよ。カイジの世界だったら「ぐにゃぁっ…」という効果音が僕の背景に描かれていたことだろう。

なぜ界隈の高校生や浪人生はTwitterNFTを手にしているのに、学生という共通項がある自分は選ばれないのか怒りに手が震える。 しかし、そこで諦める僕ではない。妬み嫉みの入り混じる感情を抑えつけ、震える手で当選者を探し始めた。

当選者20人の内、常日頃からクリプトのことをツイートしているような狂った奴らは5人程度…これなら当選者の中にはNFTがなんだか知らない人だっているはず。 タダで貰えなかったのは残念だが、10年気絶目線であればここで買い集めるのも悪くはない…よし。

「ご当選おめでとうございます。NFTを集めているのですが、当選したNFTをお譲りいただけませんでしょうか?」

立ちはだかる壁

一時的にDMの通知をオンにしたスマホが震える。

「まだ受け取ってないんですけど、NFTってのよく分からないのでお譲りするかもしれません」

僥倖っ…!何という僥倖…!はやる気持ちを抑えながら値段の交渉を行う。 Raribleのbidを参考にしながら、90万円で合意。

しかしガッツポーズを決めた僕の前に譲渡方法の問題が立ちはだかってきた。 普通ならOpenSeaのプライベートセールだが、相手は何も分からないし取引所の口座を開設する気もないだって?

最終的に支払い方法はPayPayとなった。先に30万円送金、NFT譲渡、60万円送金が落とし所だ。

信用ポイント①
合計90万円の送金が不審な取引としてアカウントが凍結される可能性
また現金化したいならKYC必須
つまり資金や個人情報について、PayPayを信用する必要がある
▷PayPayではなくスマートコントラクトで実現しているJPYCだったら言うまでもない(実装による)

信用ポイント②
自分は30万円払ってもNFTが譲渡されない可能性がある
相手はNFTを譲渡しても残りの60万円送金されない可能性がある
つまり顔も名前も知らない相手をお互いに信用しなければならない
▷スマートコントラクトならお互いが条件を履行した場合のみ取引を成立させることできる(要はエスクロー)

「やっぱりキャンセルでお願いします」

一瞬、目の前が真っ暗になった。僕は上がったRaribleのbidを睨みつける。

あと1日だけ待ってくれよ…!神様頼む…!無宗教にも関わらず神頼みをするのは日本人の特徴らしい。しかし、Raribleのbidは下がらない。

信用ポイント③
後から売り主の気が変わらないことを信じなければならない
▷スマートコントラクトなら「やっぱやーめた」を防ぐことができる(防がないこともできる)

「他にもDMくれた方で110万円出せるって方がいるんですけど…」

110万円!?僕は脳内でそろばんを弾いた。

前日までに行われていたReddit NFTのオークションを思い出す。 ファーストドロップのレジェンダリーレアが3体あわせて約88万ドル。まだミントが予定されているから、あと3体ミントされると仮定してReddit NFTの時価総額は約176万ドル。 ユーザの数はTwitterよりRedditの方が多いらしいので8掛けして140で割るとTwitterNFTは1つあたり1万ドルだ。

ギリギリ予算の範囲内である。キリも良い。

もちろんTwitter NFTも第二弾として追加で140個mintされる可能性も考えられる。 以前、ツイートの文字数制限を140文字から280文字に緩和したし。 しかし、これを逃したら二度と買えない気がした。

「115万円出します。ご検討よろしくお願いします。」

本当に110万円を提示した人がいるのかと一抹の疑念を抱きながら、僕はそう言った。

信用ポイント④
本当に110万円払うと言った人がいるのかを信じなければならない
値段を釣り上げるための作戦かもしれない
▷スマートコントラクトで公開入札オークションをする場合、嘘のつきようがない

「直接取引できますか?」

相手からの返信は、予想外のものだった。

信じて貰えなかったのは「僕」だろうか、それとも「PayPay」だろうか。 奇っ怪な黄色の猫のアイコンのアカウントで連絡したのが良くなかったのかもしれない。

僕は、直接取引に感じる恐怖心とTwitterNFTの所有欲を天秤にかけた。

取引

7月4日、日曜日。僕は100万円を超える現金をリュックに入れて東京都某駅構内の某カフェに向かっていた。 そう、天秤は所有欲に傾いたのだ。

まるで気分は麻薬の密売人である。今職質されたら絶対疑われるだろう。まぁ、人生で1回も職質されたことないんだけどね。

そんなことを考えていると、予定時間の30分程前に到着した旨のDMが届く。怖い人でないことを祈りながら僕は足早に電車を乗り換えた。

信用ポイント⑤
相手が指定した場所に来るかを信用する必要がある
▷スマートコントラクトは、場所に左右されない(強引w)

「あっ、すみません。◯◯さんですか?わざわざ日曜日に東京まで来ていただいて申し訳ないです。今日はよろしくお願いします。」

定型文から始まる取引。事前に聞いてはいたが、20代後半から30代程度の夫婦であった。マスクをしているので年齢は分からないが怖くはなさそうだ。 雑談をしにきた訳ではないので、さくっとNFTのトレードに入る。

「では、まず代金の確認の方をお願いします。」

僕はローソン銀行の封筒に包まれた札束を差し出した。日曜日に銀行の窓口が営業しているわけがなく、コンビニのATMで下ろした1万円札の束だ。帯付きの綺麗な1万円札じゃないけど逆に数えるのは楽そうだなあ、とか思ったりしながら確認を待つ。

「はい、額の方は問題ありません。先に1枚抜いてチャージしてきていいですか?」

僕の思考は一瞬の停止ののち偽札かどうかの確認か、と結論に辿り着いた。もちろんYES。客観的に見て、20代前半の男性が持ってきた札束なんか信用ならないわ。自分でもそうすると思う。 奥さんがSuicaと1万円札を持って券売機に向かっていった。

信用ポイント⑥
人間の目では偽札かどうかの区別がつきにくい
つまり代金が偽札ではないかどうかを信用・確認する必要がある
▷スマートコントラクトなら偽物のトークン(例えば偽JPYC)を受け入れない(事もできる)

代金の確認が終わる。ついに待ち望んだNFT譲渡、俺のターン。 他人のスマホをごちゃごちゃ操作するのも悪いのでリカバリーフレーズを表示してもらって自分のスマホのMeatmaskにうちこむ。

TwitterNFTがウォレットに表示された。へぇ、スマホ版Metamaskやるじゃん。画像を保存して偽造したNFTの可能性もあるのでNFTのアドレスまでしっかり確認しなければならない。

信用ポイント⑦
NFTが本物なのか画像からだけじゃ区別不可能
▷スマートコントラクトなら偽物のNFTを受け入れない(事もできる)

Metamaskから自分のアドレスにNFTを転送する。ガス代のETHは道すがら送っておいたのでスムーズに行くはずだった。

「Fail」

Etherscanに赤色のマークが表示された。無情にもEthereumはNFTの送信を許さない。どうやらTwitterNFTにtransferFrom関数がないようだ。 Metamaskから送信することは不可能であった。

直コン?OpenSeaから送る?Rarible?スマホにクリプト系のアプリを入れない宗教に入信しているせいで操作に手間取る。 結局、Raribleから送信することができた。ありがとう、Rarible。

取引は無事に終わり、相手とはすぐに別れた。トレードだけのドライな関係。 小腹が空いた僕はカレーパン専門店のカレーパンを買うために列に並んだ。 ポケットからスマホを取り出し、Raribleを開く。10分前と変わらない姿でたまごっちもどきが画面の中をクルクルと回転しているのを眺めている間に自分の番だ。

「カレーパン、1つください」「324円になります」

TwitterNFTの3500分の1の代金を払う。115万円、相手の方は何に使うのだろうか。 ―――クリプトに狂った界隈の浪人生はNFTを売った金でビットコインを積み立てるとか言っていたが…

最後に

以上、NFT闇取引の体験談を交えた信用コストのお話でした。謎にフィクション調に書き始めたせいで無駄に時間がかかりました。二度とやりません。

OpenSeaやRaribleを使うときにこれらの信用は必要ないので、スマートコントラクトは素晴らしいですね。 もちろんOpenSeaやRaribleも「最高額のオファーが表示されている」ことなどサイトを信用しなければいけない部分もありますが。

Twitter NFTについて

1万ドルが高いか安いかは分かりません。ただ、Twitterってママなんですよね。

vividotのアカウントは去年作った物ですが、一番古いアカウントは2012年で、もう9年もTwitterを毎日欠かさず利用しています。 自分は今23歳なので、なんなら母親の顔を見ている時間よりTwitterの画面を見ている時間の方が長いかもしれません。

そう考えるとTwitterの初めてのNFTの140個のうち1つを保有できているというのは非常に喜びを感じます。

また、Twitter NFTは記事内で述べたようにリプライした人に対してドロップされました。今回譲っていただいた方もそうですが、非クリプト層にもドロップされています。 そのため5分の1から3分の1程度はGOXするんじゃないかと思っていて、そう考えると価値あがってくんないかな~みたいな魂胆もあります。

謝辞

暇そうにしていたひよっこさんに本記事をチェックして一部表現などを修正していただきました。

ひよっこさんが執筆したオンチェーン分析入門というnoteは情報が分かりやすくまとまっています。気になる方はぜひご高覧いただけると幸いです。


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