第1回 日本円ハッカソン - 第2日目を開催しました
2021年8月29日、Free TON JapanはJPYC株式会社と「第1回 日本円ハッカソン」の第2日目を開催しました。
午前中は、Free TON Japanによるプレゼンテーションと第1日目の振り返りが行われ、早々に参加者のグループワークが開始になりました。午後のDemo Dayでは、各チームによる2日間の成果が発表され、ブロックチェーンを触りはじめて間もないのに初期デモ実装まで進めるチームや、実際にデモを完成させて審査員を驚かせる場面がありました。
第2日目の模様は、Free TON Japanの主催コミュニティ「ブロックチェーンプロダクトハンター」のYouTubeチャネルより、「第1回 日本円ハッカソン (2021.08.28 - 29) - Day 2」から視聴することができます。
2日目 Demo Dayの発表内容
Demo Dayの発表は、1日目と比べて厳密な枠組みの中で行われました。1チームあたり10分が割り当てられ、発表と質疑応答が行われました。
チーム:カルダノコミュニティ
スローガン「JPYCをカルダノブロックチェーン上にERC20コンバータを使いブリッジさせよう!」
カルダノコミュニティは、ハッカソン時点でスマートコントラクトやブリッジが動いていないカルダノエコシステムにおいて、先行して実装されるソリューションを交えながら如何にJPYCを有効に利用できるのか、実現可能なアプローチを提示しました。
チーム:ふわふわ
スローガン「あなたの寄付、本当に届いていますか?」
ふわふわは、災害が起きた際の被災者への速やかな寄付を行うというアプローチをもとに「クリオネ募金」と名付けられたデモを披露しました。また、システムのみではなく、自治体との連携が必要になる旨を述べました。
チーム:JPYCの社会実装を考える会
スローガン「Avalancheで変える世界」
JPYCの社会実装を考える会は、JPYC払いされた保険金の運用でカタストロフィーボンドを使うことで、流動性を増やすアイデア踏まえながら、震度7の被災地域で鑑定人の認定が不要になる地震保険のデモを披露しました。
チーム:SnakeCat
スローガン「みんなの夢を みんなでカタチに」
SnakeCatは、スタートアップの資金調達と出口が限られている課題を解決するため、JPYC DreamBoxと呼ばれる貯金箱システムを実装しました。また、今後の展望として、資金調達をDAO化する構想を発表しました。
チーム:Trust.js
スローガン「透明性があり、簡易的な募金の実現」
Trust.jsは「デジタル募金の進展化」というテーマで、参加者が身近に感じた社会的課題をベースに、寄付額を入力してトランザクションを実行するだけで簡単に募金ができるデモを披露しました。
チーム:OOO(トリプルオー)
スローガン「一年前まで未経験者がブロックチェーン開発に全力闘魂」
OOOは「使いたいのに使えない暗号資産」という根本課題を解決するために、もらった暗号資産をJPYCに自動スワップする「あらゆる行動をJPYCに変える」アプローチを紹介しました。
チーム:JPYC Wallet
スローガン「知らないうちにブロックチェーン」
JPYC Walletは、ブロックチェーン知識がない多くの人に向け、秘密鍵を管理しなくてもウォレットを扱うことができるように、LINEを用いたJPYCウォレットの実装を披露しました。
チーム:チームKIT
スローガン「ブロックチェーン初挑戦の1人チームだけどひたすらに頑張る!」
チームKITは、電子マネーのオートチャージがものすごく使いやすかったという経験をもとに、適切タイミングで暗号資産を売却してJPYCをオートチャージできるタイミングを図るための、回帰分析を用いたデモを発表しました。
チーム:日本円ハッカー部
スローガン「国内合法DeFi」
日本円ハッカー部は「日本の1億3000万人にERC20トークンをマスアダプションする」というミッションのもと、自家型前払式手段をバスケットにしたDeFiサービスを実装しました。デモでは、実際にPayPayで決済して日本円ステーブルコインを入手し、流動性を供給してリワードを得る内容が紹介されました。
チーム:くまもん
スローガン「くまもんがJPYCを触る」
くまもんは「JPYCの利用先を増やすことに貢献する」を目的に、Google OAuthを使いウォレットのUI/UXを改善し、購入者や販売者のような一般ユーザーがJPYCを使いやすくするアプローチを紹介しました。
チーム:ABC
スローガン「ブロックチェーンの世界へ、Here We Go」
ABCは、今まではユーザーがプラットフォーマーを通して見ていたクーポンを、お店とユーザー主導にできるプラットフォームを実装しました。実際のデモでは、お店がクーポンを発行する機能が紹介されました。
2日目 Demo Dayの結果発表
審査結果
Demo Dayの結果発表では、JPYCグラントに準じる形で審査が行われました。
- レベル1:アイデア段階
- レベル2:コードが動く
- レベル3:利用が見込める・デモ完成
また、レベル2では確度がより高いものに関して、レベル2+が特設されました。各チームの審査結果は、以下の通りになり、それぞれに応じた賞金がJPYCで配られます。
レベル1:5,000 JPYC
- カルダノコミュニティ
- くまモン
レベル2:20,000 JPYC
- ふわふわ
- SnakeCat
- Trust.js
- OOO
レベル2+:50,000 JPYC
- JPYCの社会実装を考える会
- チームKIT
レベル3
- 日本円ハッカー部:300,000 JPYC
- JPYC Wallet:200,000 JPYC
- ABC:100,000 JPYC
レベル3 受賞者と審査員からのコメント
ABC
ABC「私たちは会社の同期で参加しました。ちょっとした知り合いレベルの人で集まったチームでしたが、ここまで実装でき、結果が出たのでとても嬉しいです。」
審査員コメント「弊社は、もともとクーポンを導入したいと思っていました。JPYCがお得アプリになることがあり得ると思っていて、今回はデモ実装まで見られることができ、可能性を感じました。」
JPYC Wallet
JPYC Wallet「栄誉ある章をありがとうございます。引き続き、使いやすいようにウォレットを改良していきたいと思います。楽しいハッカソンでした。」
審査員コメント「LINEユーザーにマスアダプションするきっかけになると感じました。完成したらみんなが使ってみたいウォレットになると感じるので、是非完成させて公開していただければと思います。」
日本円ハッカー部
日本円ハッカー部「大きな賞をいただきありがとうございました。チームで、非常に良いものができたと思っています。引き続き岡部さんを巻き込んで、国内合法DeFiをやりたいと思っておりますのでよろしくお願いします。」
審査員コメント「他のチームといちレベル違ったのが、メタ的に日本円ステーブルコインの今後の解決策を提示した部分でした。業界団体や金融庁と話して社会実装したいなと思う素晴らしいアイデアでした。タイミングも非常によく、これからJPYC以外にもいろいろな前払式手段が出てくると想定されるので、それをまとめて扱うというのは素晴らしいアイデアだなと思いました。一緒にやっていきましょう!」
日本円ハッカソン発起人 Free TON Japan 山本からのコメント
「アイデアだけで大きく経済圏が広がりそうだという雰囲気が伝わってきました。ハッカソンという最前線で皆さんと交流していくということが、未来の大きな拡大につながっていくなとひしひしと感じました。今後もハッカソンを続けていきたいですし、プロダクトを仕掛けていって、皆で世界に挑戦していくことをしていきたいと思います。ぜひ今後も日本円ハッカソンシリーズをよろしくお願いします。」