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エピゲノムと発がん作用はどのような関係があるのか?

biyori
2 years ago
中核となるのは情報と生物遺伝子とは何か?がん発生のメカニズムとエピゲノム最後に

1ドル150円が見えてきそうな最近ですが、バイオインフォマティクスという言葉をご存じでしょうか。

これは読んで字のごとく生物学と情報学を混ぜ合わせたもので、近年ゲノム解析を中心として盛り上がっている分野になります。

最近では、メタゲノム解析やプロテオーム解析、トランスクリプトーム解析などが有名ですが、バイオインフォマティクスの中核には生物学の知識が必要になってきます。これまでBiyoriブログでは発がん作用について様々な方角からアプローチしてきましたが、今回は同じように発がんという視点も混ぜながら解説していきます。

中核となるのは情報と生物

バイオインフォマティクスを形作る要素として中心的なものは生物学情報学の二つでしょう。これらは主にゲノムなどの遺伝子解析とAIやデータベースなどのIT技術を組み合わせることによって取り組まれるものです。よく知られているゲノムの知識として、**「ゲノム配列」**が知られています。生命体のDNA情報はすべてにおいてゲノムで表現することができ、それぞれリードから解析することで生き物の状態を知ることができます。

DNAはよく、生き物の設計図といわれることがあるそうですが、この言われ方は必ずしも合っているわけではないそうです。というのも、遺伝子情報についてはゆらぎのようなものがあり、静的なモデルという印象は昔のものになりつつあるからです。先ほど、メタゲノム解析という言葉を用いましたが、これはショットガン解析手法などによって、大域的にDNA情報を取得、解析することでいまだに遺伝情報が得られていない菌類などのDNA情報を仮想的に作ることができる手法です。

これまで人間には23000種類の遺伝子が存在し、ショウジョウバエには4000の遺伝子が存在するといわれていたように、定数の遺伝子種類ではなく変数として遺伝子が定義されるようになってきたということです。

遺伝子とは何か?

いったんここで、遺伝子について解説していきます。遺伝子というのは英語でGeneと書きますが、これは生物の設計図、といえば違うといいましたが必ずしも異なっているわけではありません。生命体はDNA情報をもとに様々な臓器の機能を決定したり体の形状が決まってきます。

DNAは、複製転写を行うことで生命体を形作っていきます。主にはセントラルドグマという「転写、翻訳、発現、エピジェネティクス」を作用させている機構でそれは説明することができます。大元のDNAから転写されたmRNA(伝令RNA)はtRNAによって翻訳されタンパク質として発現します。これはいわば、DNAという情報が実物として具現化するようなことです。この作用はリボソームという組織で行われます。一部のncRNAは、RNAを発現する道をたどり、再度クロマチンへ作用することが知られています。これはエピゲノムというものであり、エピゲノムはDNAからRNAをどの程度転写するのかを調節する機能として知られています。

エピゲノムの研究は最近において非常に盛り上がっており、とくに発がんのシステムにエピゲノムが関係しているといわれています。というのも、発がんには**「がん遺伝子の発現の抑制」「がん抑制遺伝子の促進」**がどちらも充足していなければ防ぐことは難しく、エピゲノムの作用が抑制や促進の原因であるメチル化アセチル化に関係しているといわれているからです。

これらは後で説明しますが、いわゆる遺伝子サイレンシングDNA損傷が原因でがんが発生することも知られています。よく知られているがん抑制遺伝子にはrbp58などがありますが、p58には過剰発生で発がんが見られた例もあるといわれています。

話が少しずれましたが、遺伝子とはDNAであり「デオキシリボ核酸」という塩基+リン酸+糖の結合体である核酸の一種です。核酸はDNAとRNAがあります。そして、塩基としてアデニングアニンチミンシトシンウラシルが充てられており、それぞれアデニンとチミン、グアニンとシトシンで塩基対を形成します。RNAではウラシルが利用されます。

DNAの複製では、DNAポリメラーゼという酵素が相補的なDNA鎖の生成を促進し、複製の中核的な役割を担います。複製時にDNAが絡まったりよじれたりした場合、DNAトポイソメラーゼが関与するスイベル機構が機能することで、絡まりを解消します。複製ではときたまエラーが起こり、突然変異として現れることがあります。

がん発生のメカニズムとエピゲノム

先ほどエピゲノムが発がんに関係していると述べましたが、発がん作用にはがん遺伝子が抑制しきれずに発生するものが主に知られています。

上記リンクに書いているような、「多段階発がんシステム」がその一例になります。まとめると、以下のような原因からがんが生じるわけです。

遺伝子の突然変異

がん遺伝子の増加

がん抑制遺伝子の減少

エピゲノムの原因

一番最後に書いているエピゲノムは前節で解説しましたが、これは上記3つとは異なるタイプの発症例になります。それまでは遺伝子の突然変異やがん遺伝子、抑制遺伝子の不活性化が原因とされてきたところに、新しく生まれる細胞や遺伝子の発現のプロセスの中で、DNAメチル化を主要原因とした発がんが議論されるようになりました。

遺伝子の転写時に制御を行っている部分をプロモーター領域といいますが、人を含むほとんどすべての哺乳類のゲノムにはシトシンの次にグアニンが高い頻度で出現する領域があることが知られており、この領域をCpGアイランドといいます。CpGアイランドのシトシンがヒストン修飾されプロモーター領域が不活性化します。すると、遺伝子の転写が抑制されることになり、癌として見られやすくなります。

最後に

最近はまったくもってALISをアップデートしていませんが、これはある有名なブロガーの方の思想を反映しています。その方は、毎日投稿は重要だが、それ以上に重要なのはブログが価値のあるものかということだと述べています。私が考える最良の選択が、毎日更新かどうかということではないということであり、クオリティを重視していきたいと考えています。


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biyori
2 years ago
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