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番外編五、これまでの番外編の内容の使用例を挙げてみる 『幸福論~ただし、令和時代を生きる日本人専用~』

0-M0T0KI
2 years ago

まずはおさらいとして、全体的な「情報」の考え方と使用例からお話しします。

知識や知恵、あるいはお金に含まれている信用などを全般的に幅広く言えば「情報」ですが、今はインターネットができてインフラ化したことで、その「情報」が取り放題となりました。

そこで、情報を得ることそのものよりも「何の情報を得るのかを選ぶ」とか「その情報を上手く使う」などの、情報を「受け取る(=受動)」側の能力がより重要となってきたわけです。

ここで以前に挙げた私の「自らの哲学」を再掲します。

1,平時と非常時を分ける(それで対応が変わることを意識する)

2,経済と金融は必須(価値の標準化とお金は大事なものだから)

3,マクロとミクロを意識する(本質的に正しいことは大なり小なり当てはまる)

4,時間・空間・概念を大きく持ち、人や物に対して寛容にする(束縛から解放)

5,分散化が当たり前であり、常識よりも例外を優先し考慮(寛容さにも繋がる)

先ほどの「情報」の話を3番に当てはめて考えてみると「知識や知恵などがミクロであり、全般的な情報がマクロとなることに相当」し、4番で考えてみると「情報を用いて考えるということは概念を大きく持つことに相当」します。

また、5番の分散化が当たり前のものとして、小さな「情報」の一つ一つをあまりに粗末に扱わないよう気を付けることもまた、重要です。

最初の例はフランスの哲学者、デカルトの名言「困難は分割せよ」をどう使うか、ということを考えてみたいと思います。

これは著書「方法序説」で書かれたもので、原文(岩波文庫の谷川多佳子氏の訳を引用)は次のようなものでした。

「検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をより良く解くために必要なだけの小部分に分割すること」

つまり「困難な状況に陥っている情報を一つ一つ必要な分だけ細かくしていき、その小さくなった困難に対する情報について考えて解決していく」という話であり、これは「困難を分散化」しているとも言えます。

これは今、これからの時代にも合っていることなので「そのままで十分使える名言である」と言えるでしょう。

二つ目の例はフランスの哲学者、数学者、物理学者でもあるパスカルの名言「人間は考える葦である」です。

元は著書「パンセ」で「人間は自然の中で最も弱い一茎の葦にすぎない。だが、それは考える葦である」と書かれていたものです。

再掲した「自らの哲学」で4番の「時間・空間・概念を大きく持ち、人や物に対して寛容にする」のは、日本人の欠点である「視野が狭くなる」ことを避けるためのものですが。

逆に視野を広げるために有効な手段として「目的などの終点から逆算する(=逆から考える)」という方法を番外編二で挙げていました。

では、先ほどの「人間は考える葦である」を逆から考えてみると、どうでしょう。

「何も考えない人間は、自然の中で最も弱い一茎の葦だ」ということになりますね。

というわけで、私は主にこちらの方で使っています。

「これは常識だ」とか、あるいは「以前からこうしている」とかなどの理由で、思考停止状態のまま選択したり行動したりして、単なる葦になっていないだろうかと。

そのように、できるだけ考えるようにしています。

つまりこの場合は「逆から考えた方が使いやすい名言である」と思っています。

最後に「時代の流れによって概ね当てはまらない傾向になりつつあるが、場合によっては当てはまる」という諺を挙げておきます。

それは「長い物には巻かれよ」や「寄らば大樹の陰」など、日本の昔からある諺です。

日本ではまだまだ古い体質の会社や、古い考えを持つ人々の影響が強い地域が存在します。

事情があって転職や転居もできない、故にそのような組織に所属したままで「少しでも上手くやっていきたい」と考える人もいるでしょう。

そのような「場合によっては、まだまだこれらの諺は役に立つ」ということがあります。

と、ここで、日本の昔からある諺の「人の褌で相撲を取る」を思い出しました。

今現在も既に、これをこのままかつ厳密に当てはめるのは誤りとなっています。

何故なら、その場合「巨人の肩に乗る」という名言の全否定にもなるからです。

元々この「人の褌で相撲を取る」という諺は、他者の苦労や手柄などを横取りする行為などを咎めるものであり、そのような行為は非難されて当然ではありますけれども。

逆に言えば、例えば「お金を払って褌を借りて、相撲を取るという契約が成立している(貸す側も了承している)」という状態で「人の褌で相撲を取る」という場合には、何も問題はありません。

さらに先に挙げた「巨人の肩に乗る」という行為は、むしろ積極的にすべきものでしょう。

というのは、我々は「偉大な先人の積み重ねてきた技術や学問の成果などの教えを学び、そこから新たな技術や学問の成果を挙げる」ことを目指さねばならない立場だからです。

ここで挙げた「名言」や「諺」も情報の一つであり、使う時には「選択・使用・評価」が必要です。

元の名言や諺、即ち「情報」を「評価」し、自分の立場を考えて「選択」し、上手く「使用」する、ということが今回の一連の行為にも表れています。


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0-M0T0KI
2 years ago
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