偶発の美〜nanakusaオークションに向けてTAKUROMANさんへ特別インタビュー〜
SBINFT株式会社が運営するNFT発行・販売・二次流通機能を備えたマーケットプレイス『nanakusa』には、現在約150名のアーティストが所属しており、日本のNFTアート界を牽引しています。
nanakusa第2期公認アーティストのTAKUROMAN(たくろまん)さんは、伸びやかで美しい線とカラフルな色彩、そして「ART LIVE 2021」のステージで挑戦された臨場感のあるライブペイントなどで、各所から大きな注目を集めているデジタルポップアーティストです。
TAKUROMANさんは子供の頃に描いていた「漫画家になりたい」という夢を叶えるために、35歳で東京の漫画学校に入学し、ゼロから絵を学び始めました。
漫画学校の在学中に、城西国際大学メディア学部・高桑真恵(たかくわまさえ)准教授の著書「人体クロッキー(※1)」(マール社刊)の人体モデルの速写に感銘を受け、直接指導を受けました。高桑准教授の元での約3ヶ月の特訓のなかで、素早く美しい線を描く技術を叩き込まれたといいます。
漫画学校を卒業してからの数年間は、仕事をしながらデジタルでの創作活動を続けました。毎朝の通勤時間帯を利用して電車の中で絵を描き、写真・動画共有SNSのInstagramに投稿した作品総数は現在2000作品を超えています。
※1 クロッキー 対象を素早く短時間で描画すること。速写。
nanakusa
まずは、ぜひアーティスト名の由来を教えてください!
さん
本名をアレンジして、ロマンだったりとか、ヒーローもの(マン)という感じでTAKUROMANと名乗っています。
代表的なシリーズ
Friendsシリーズの作品 "アノヒトゴミハ、タカラモノダッタ"
そんなTAKUROMANさんの代表作は、ほぼ一筆書きで線を描き、直感的な彩色を行うという「Friendsシリーズ」です。
この制作スタイルは、美しい線をひたすら練習しているうちに偶然誕生したといいます。まもなく、ある飲食店から「店舗に飾りたい」と相談を受け、その時に感じた喜びがシリーズ化しようと思ったきっかけだと教えてくださいました。
TAKUROMANさんの代表作「Friendsシリーズ」は、nanakusaでもご鑑賞いただけます。
SBINFT Market/nanakusa/TAKUROMAN
さん
今のスタイルになった当初は、10個に1個くらいは納得いくものができたんです。それであれば、「100個描けば10個いいのができるんだ」と思って、とにかく電車の中でいっぱい描くようにしました。
今は2000個くらい作品を描いたので、理論上は200個くらい納得のいくものがあります。
ART HAPPENS
作品展"アノヒトゴミハ、タカラモノダッタ"の展示作品のひとつ "みんな、どこいった"
青空に浮かぶ雲を眺めていると、ふと「何かの形」に見えることがあるかも知れません。TAKUROMANさんは、自然に引かれた線の形を見て、そこに「何かの形」を見つけてアート作品に仕上げていかれるとのことです。
さん
「描く」というより「見つける」という感じです。
僕のコンセプトは「Art happens, as a life happens.」です。
“happens”とは、偶然起こる、生じるという意味を持つ英単語です。「生命が偶然生まれるようにアートは生まれる」という言葉には、生命が多種多様なように、アートも自由であっていいという思いが込められているそうです。
TAKUROMANさんのこの制作スタイルも、自然に描かれた線を見てそれが何に見えるかを考えていくうちに偶発的に辿り着いた答えだと教えてくださいました。
さん
自然界に存在するものは、誰かが意図して創造したわけではありません。
同様に、自然に伸びやかに描かれた線で、本来の「自然の美」を表現できるのではないかと考えました。逆に、それ以外では表現できないのではないかとすら思います。
ほどよいリラックス感と自然な笑顔でTAKUROMANさんは語ってくださいました。
世界で一番美しい線
nanakusaで初めて売れた作品 “夢の中で何かを追いかけている”
以前は漫画を描くのと同じ下書き、清書、着色という流れで絵を描いていたそうですが、数年前に旅行でロシアに訪れてから、現在の偶発的に生まれる線を楽しむスタイルに変わったそうです。
さん
ロシアの旅行中には沢山の感動がありました。色々な芸術作品や、街並みの美しさ、オシャレな人々。
そして日本に帰ったら突然、なぜかはわかりませんが、今のような「偶然できる形を楽しむ描き方」に変わったんです。
このロシア旅行が転機となり、TAKUROMANさんは現在までその瞬間に自然と引かれる線を描き続けてきました。毎日作品を作る中で、あることに気が付いたといいます。
さん
作為的に線を描こうとすると、大抵は綺麗な線になりません。もちろん、熟練した漫画家なら別かもしれませんけど、ほとんどの人は上手く描けないはずなんです。しかし、スッと自然に描いた線は誰の線でもとても美しいと感じます。
なので、僕が今書いている線は、世界で一番美しい線だと思っています。そして、どんな人でも世界一美しい線を描くことができます。
nanakusa
私でも描けるでしょうか?
さん
描けます描けます。
力を抜くと描けるんです。
高桑先生の授業でも、クロッキーを描く前に、スケーティングと言って、ペンを緩く持って線を自由に走らせるという練習をするんです。そうでもしないと力を抜いて描けないんですよ。なので、自然にできる線が綺麗だというのは間違いありません。
ART LIVE 2021
ART LIVE 2021 セレモニー
ところざわサクラタウン・ジャパンパビリオンにて、2021年11月28日(日)に音楽とアートを体験するイベント「ART LIVE 2021」が開催されました。
TAKUROMANさんは当イベントのキービジュアルとロゴ制作を担当されました。
イベント当日は、人気ミュージシャンとのコラボレーションステージに出演し、音楽ライブに合わせてライブペイントを披露しました。また、液晶タブレットを使ってデジタルアートを描くワークショップを開催しました。
コラボレーションステージは出演順に、color-codeさん、アニソンライブ(遠藤正明さん、きただにひろしさん、石田燿子さん)、カノエラナさんの計3回です。
会場の熱気を感じながら、ミュージシャンの奏でる音楽に合わせて瞬間的に描き上げた3枚のアート作品。このTAKUROMANさんの作品を、12月10日〜12日の3日間で開催されるnanakusaのオークションでNFTアートとして販売いたします。
Art Live 2021 ライブペイント中のTAKUROMANさん
さん
ずっと電車で絵を描いてきたので、短時間で仕上げるって得意なんです。
ライブでは3ステージを担当し、それぞれだいたい10分くらいで描き上げました。
nanakusa
ライブペイントの中で、大変だったことはありますか?
さん
ミュージシャンとの共演ですし、たくさんの方から協力をいただいたので、ステージで手が震えて描けなかったらとか、体調を崩したらどうしようという怖さやプレッシャーがありました。
イベントは順調に開催されて、ライブペイントもご好評をいただけたのでよかったです。
nanakusa
かなりのプレッシャーはあったと思いますが、逆にライブペイントで楽しかったことはありましたか?
さん
やはり、ライブ感はすごいですね。
同じ10分で絵を描くにしても、電車よりもステージの方が圧倒的な集中力を発揮できました。
作品① 夢の先に輝く、色とりどりの未来
color-code × TAKUROMAN
color-codeステージ
作品名: 夢の先に輝く、色とりどりの未来
The colorful future shining beyond dreams
女性ダンスボーカルユニットcolor-code。ステージでは人気楽曲「this city」「keep it one love」「Congrats!」を披露しました。
都会のビル群をイメージした縦に長いドローイング、そして3人のメンバー(NANAMIさん、MARISAさん、MAKOさん)のイメージカラーである赤、青、緑の彩色を徐々に変化させることで、同グループの掲げる「ストイックと多様性」が今後さらに進化していく様子を表現しました。
作品② 光と色を重ねて、僕らは美にたどり着く
アニメソング× TAKUROMAN
アニソンステージ
作品名:光と色を重ねて、僕らは美にたどり着く
Crossing lights and colors, we will reach the beauty.
続くアニソンステージでは、TVアニメ『美少女戦士セーラームーン』『爆竜戦隊アバレンジャー』『ONE PIECE』の3曲の主題歌に合わせてライブペイントを披露しました。
石田燿子さんの歌う「乙女のポリシー」から、遠藤正明さんの「爆竜戦隊アバレンジャー」へと続き、最後は、きただにひろしさんの「ウィーアー!」が演奏されました。
「乙女のポリシー」では、リボンをイメージしたやわらかな線を描き、「爆竜戦隊アバレンジャー」では荒々しい大胆な線を、「ウィーアー!」では海洋冒険ロマンを想像して海面がゆらぐ様子を表現しました。最後にそれぞれのレイヤーを重ね、1枚の絵として完成しました。
作品③ 自由を愛する気高き者たち
カノエラナ × TAKUROMAN
カノエラナステージ
作品名:自由を愛する気高き者たち
Noble ones who love freedom
人気女性シンガーのカノエラナさんが11月17日に発表した最新シングル「3匹のネコ」。ここに収録された3曲「猫の逆襲」「ハジメテノツリザオ」「にゃんこパトロール」に合わせ、TAKUROMANさんがライブペイントを披露しました。
曲の中で歌われているように、気ままな性格ながらも、時には群れをなして団結し、気高く生きる猫の姿を、カノエラナさんの軽快な歌声に合わせた明るく鮮やかな色使いとともに表現しました。
nanakusa
アートライブ2021を終えてみていかがですか。
さん
ライブペイントはNFTの文脈にはぴったりだなと思いました。ライブで会場のその瞬間の空気を表現し、ブロックチェーンに刻むことでずっと残すことができますから。
nanakusaオークション
TAKUROMANさんは、12月10日から12日で行われるnanakusaのオークションに挑戦します。
さん
nanakusaさんの企画は面白いものばかりですし、参加アーティストとして選んでいただけることもとても嬉しいです。今回はオークションで3作品を販売します。
今後も企画があれば積極的に手を挙げながら、一緒に盛り上げていけたらいいなと思っています。
オークション情報
開催場所
SBINFT Market (nanakusa)
公式Webサイト
nanakusa
開催期間
12月10日(金)昼12時から
12月12日(日)夜22時まで
※10分以内に入札が出るごとに、終了時間が5分延長します。
出品作品
作品① 夢の先に輝く、色とりどりの未来
作品② 光と色を重ねて、僕らは美にたどり着く
作品③ 自由を愛する気高き者たち
入札開始価格
0.05ETH(予定)
注意点
クレジットカードはご利用いただけません。
ご紹介
SBINFT Market (nanakusa)
公認されたコンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動するクリプトアーティストが制作したNFTの販売(一次販売)及び、利用者同士が保持しているNFTを売買(二次販売)できるNFT売買プラットフォームサービス。
SBINFT株式会社が運営する。
TAKUROMAN
子どもの頃からの夢を忘れられず、35 歳で一念発起し漫画学校に入学。在籍時に感銘を一入受けた書籍「人体クロッキー」の著者、 高桑真恵から描画技術を直接学ぶ。仕事をしながら絵を描き続けるために、電車の移動時などに「目的地までに完成させる」と決めて短時間で絵を描き上げ、SNSに投稿する活動を続けてきた。現在の作品総数は2,000 点を超える。
TAKUROMANは横浜赤レンガ倉庫で作品を展示します!12月15日〜19日
出品作品「カンジタイ、ネツリョウ」
期間:2021年12月15日(水)~12月19日(日)
開場時間:11:00~19:00
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 2階(神奈川県横浜市中区新港1-1)
5th Chrismas Art Competition in YOKOHAMA
ART LIVE 2021
ミュージシャンのライブや、新進気鋭のクリエイターによるアートパフォーマンスを体験することができるイベント。2021年11月に、COOL JAPANの新拠点「ところざわサクラタウン」のジャパンパビリオンにて初開催された。