ブロックチェーン研究会 CELO 第二回レポート
ブロックチェーン「Celo」に関する第2回のレポートです。
前回はチェーン全体の概要について解説しました。今回はチェーン内のプロジェクトの一つ「Poof」と、その後の最新動向を紹介します。
1.Poof(https://www.poof.cash/)について
クリプトを用いた商品の支払等をするにあたり、普段使用しているウォレットでそのまま送金・受取すると取引履歴がすべて相手に筒抜けになってしまいます。実生活でクリプトでの支払いが今後一般化したとすると、取引先がその気になれば趣味、嗜好、行動範囲等が特定されてしまいます。
その課題の解決を目標とするプロジェクトがPoofです。Celoチェーンでスタートしたプロジェクトですが最近FANTOMチェーンにも進出しています。
・Poof v1
Poof v1ではrCELOというトークンをデポジットし、その際に生成されるパスワードを使って他のウォレットで引き出すことができました。
のプロトコルによりパスワードを相手に伝えることで預けたウォレットのアドレスを知られることがなく送金が可能です。
Poof v2
Poof v2には「SEND」「REQUEST」の機能があります。また、送金可能なトークンはCelo、cUSD、cEURとなり、フィアットでの支払いも想定した作りにバージョンアップしました。
「SEND」は送金先のアドレスを指定し、自分のアドレスを知らせることなく送金が可能な機能です。
店舗等が送金用のウォレットアドレスを公開しておいて、それに対してユーザーが支払いをして商品を受け取る、というような活用が可能かもしれません。
「REQUEST」は請求する側が請求書を作成してそのURLを送付し、支払う側はそのURLを踏んで支払いを完了させる機能です。
URL作成画面
支払画面
この機能はオンライン取引で活用する場面が多そうです。ブロックチェーンのユーザーが増えればクレジットカード情報を入力するよりURLを踏んでウォレットとつないで支払い完了させるほうを選ぶ人も多そうです。
PoofはCeloらしい実用に目を向けたプロジェクトだと思います。Poofによる支払いを受け入れる事業者等が増えればユーザーとしての利便性は高いと思います。事業者側のメリットがどこまであるかは不明ですが、何かインセンティブを付与するか、Celoチェーンの将来のユーザー増加(=採用事業者のシェア増)を期待してもらえれば採用事業者が増えてくるかもしれません。
2.Celoチェーンの最近の動向
前回レポートの後の動向を簡単に述べます。
・TalentProtocol(https://www.talentprotocol.com/)
CoinlistシードプロジェクトにCeloチェーンのTalentProtocolが採用されています。Celoの教育プログラムCeloキャンプ出身のプロジェクトで、隠れた才能を発掘して投資するためのプロトコル構築を目指したプロジェクトです。タレントは登録して自分の才能をアピールし、投資家は登録内容をみてタレントに投資するか否かを決めるシステムを構想しているようです。
・cBRLの発行
cUSDとcEURに続き、ブラジルレアルに連動したcBRLの発行が決まりました。Celoのターゲット市場の一つに中南米があるためでしょうか。中南米で最大の人口を擁しているブラジルで受け入れられればエコシステムはさらに拡大しそうですね。