より分散型のインフラへ:OpenSea対応のEIP-2981とは?

OpenSea対応が発表されたEIP-2981についてご紹介します。
ブロックチェーン業界におけるトレンドが、『NFT』から『Web3.0』に移り変わりつつある今日この頃。 次世代のウェブサービスである『Web3.0』に焦点を当てたプロジェクトが各地で動きだしています。
しかし、現状の『Web3.0』はまだまだ整備途中で、ユーザーが長いIPアドレスを入力してウェブサイトにアクセスしていた『Web1.0』の初期と同じ段階です。
今回はまだまだ発展途上の『Web3.0』を引っ張って行く可能性があるブロックチェーン版ドメインサービス『NFTドメイン』をご紹介します。
現在ブロックチェーン業界では、様々なチェーンからブロックチェーン版ドメインサービス『NFTドメイン』が展開されています。 各種NFTドメインを確認していく前に、ドメインとは一体どういったものなのかを簡単に理解していきましょう。
ドメインを理解するには、同時にDNS(ドメインネームシステム)を知る必要があります。 まずはインターネット上の住所として表現される『ドメイン』について解説します。
数字の羅列であるIPアドレスを、特定の文字列に置き換えて見やすく簡易化したもの
ウェブサービスが展開された初期の頃は、IPアドレスを入力してウェブサイトを表示させていました。 しかし、視認性の悪さからドメインが開発され、今では検索をする際にIPアドレスの入力をするということは一切なくなりました。
余談ですが、実はメールアドレスでもドメインは使用されています。 ホームページ及びメールアドレスでドメインが使われている箇所は下記になります。
IPアドレスを見やすくしたものがドメインとわかったところで、続いては『DNS』について確認してみましょう。
インターネットへ通信する際に、サーバー上でドメインをIPアドレスに変換するシステム
DNSはドメインをIPアドレスに変換して、ウェブサイトを表示させる手助けをしています。 つまりDNSがあるからこそ、私たちはドメインを使って簡単にウェブサイトにアクセスができています。
そして、これらをブロックチェーンのウォレットアドレスに応用したものが『NFTドメイン』です。
ではドメインとDNSを理解したところで、その技術がどのようにブロックチェーンとWeb3.0に活かされているのかを詳しく見ていきましょう。
現在ブロックチェーンのウォレットアドレスには、アルファベットと数字を組み合わせた長い文字列が採用されています。
イーサリアムチェーンでは42桁、ソラナチェ―ンでは44桁と、覚えるには現実的ではない文字列です。 この文字列をドメインにし、NFTとして発行したものが『NFTドメイン』になります。
NFTドメインを利用することで一気に視認性が上がったことがわかります。 今までは、ウォレットアドレスを見るだけでは、誰が誰に暗号資産(仮想通貨)やNFTを送ったのかわかりませんでしたが、ウォレットアドレスをNFTドメインにすることでウォレットの持ち主がわかります。
また、NFTとして発行されているので、『SBINFT Market』や『OpenSea』などのNFTマーケットプレイスでの売買ももちろん可能です。
NFTドメインは、下記のような活用方法が期待されています。
一つ目は、現時点で最も主流な使い方です。
MetaMaskなどのウォレットから暗号資産(仮想通貨)もしくはNFTを別アドレスに送信する際に、NFTドメインを活用することで、42桁以上のウォレットアドレスを入力することなく、簡単な文字列の入力だけで送信することができ誤送信が減ります。さらには、ウォレットアドレスをチェックする手間も防げるため時間の効率化にもつながります。
二つ目は、NFTドメインをユーザーネームとして活用する方法です。
NFTドメインをウォレットアドレスと紐づけることで、Dappsにウォレットを接続した際に紐づけたNFTドメインがユーザーネームとして表示されます。対応しているNFTドメインとDappsは限られていますが、『OpenSea』や『UniSwap』が一部のNFTドメインに対応しているので、今後対応するDappsが増えてくると予想されます。
三つ目は、分散型ウェブサイトのドメインに使用する使い方です。
NFTドメインは、IPFSのIDハッシュとして表示ができるので、NFTドメインをウェブサイトのドメインとしてIPFS上にご自身のウェブサイトを公開させることができます。有名なNFTドメインの一つである『ENS(イーサリアムネームサービス)』では、簡単にウェブサイトのファイルをアップロードして公開する事ができます。今後、様々なNFTドメインにて同じような対応が行われると考えられています。
名称 | Ethereum Name Service(イーサリアムネームサービス) |
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サービス開始日 | 2017年 |
運営元 | True Names LTD |
対応チェーン | Ethereum |
対応通貨 | ETH・BTC・LTC・DOGE |
ドメイン末尾 | .eth |
公式サイト | ENS |
最古のNFTドメインであるENSは、2016年に『Ethereum Foundation(イーサリアムファウンデーション)』のもとで開発が進められました。2017年5月4日にサービスをリリースし、2018年からはシンガポールの非営利団体である『True Names LTD』によって運営されています。運営元はいるものの、DAOが権限を握っており、ENSを所有するユーザーらが今後の方針を決めています。
名称 | Unstoppable Domains(アンストッパブルドメインズ) |
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サービス開始日 | 2018年 |
運営元 | Unstoppable Domains |
対応チェーン | Ethereum・Polygon |
対応通貨 | BTC・ETH・XRP・ADA・ENJ BAT・BNB・SAND・SHIB |
ドメイン末尾 | .crypto・.nft・.wallet・.blockchain・.x・.bitcoin .dao・.888・.zil |
公式サイト | Unstoppable Domains |
多くの通貨に対応しているUnstoppable Domainsは、サンフランシスコに拠点を置く『Unstoppable Domains』によって2018年にリリースされました。ENSとは違い、ドメインの更新費が一切かかりません。さらに、仮想通貨決済以外にもクレカ決済やpaypal決済にも対応しています。ENSよりも敷居が低いNFTドメインとして注目を集めています。
名称 | Quik(クイック) |
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サービス開始日 | 2021年 |
運営元 | Global Tec Services LLC |
対応チェーン | Ethereum |
対応通貨 | ETH・BNB |
ドメイン末尾 | .metaverse・.vr・.chain・.address・.i・.bored・.doge .shib・.btc・.web3 |
公式サイト | Quik |
Quikは、NFTドメインの発行以外に、NFTドメイン専用マーケットプレイスとしても事業を展開しています。Quikの特徴として、特定のNFTドメインを発行すると、NFTアートやボクセルアートが無料で付与されます。ユーティリティが付与されるNFTドメインサービスは今までなかったので新しい試みです。こちらもUnstoppable Domainsと同様にドメインの更新費用は一切かかりません。
今回は、今後Web3.0と密接に関わってくると予想される『NFTドメイン』について徹底解説しました。
Web3.0とNFTドメインは、歴史がまだまだ浅く開発段階です。双方ともに今後さらなるユーティリティが追加されて進化していくでしょう。 また、Web2.0の既存ドメインサービスとの連携に各社が取り組んでいるので、大手企業や個人の方がブロックチェーン業界へ参入しやすくなると予想されます。
SBINFTでは、ENSやUnstoppable Domainsのような主要NFTドメインを売買できる、国内大手パブリックチェーン型NFTマーケットプレイスとして、各NFTドメインの動向を追いながら実装に向けて動いていきます。
公認されたコンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動するクリプトアーティストが制作したNFTの販売(一次販売)及び、利用者同士が保持しているNFTを売買(二次販売)できるNFT売買プラットフォームサービス。
SBINFT株式会社が運営する。
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