De(t)Fi:InternetComputerで実現する、真に開かれた次世代投資プラットフォーム
1. 概要
De(t)Fiは、InternetComputerの技術を活用した、次世代の投資信託/ETFプラットフォームです。従来の金融システムの限界を超え、誰でも簡単に、安全に、低コストで、グローバルな投資ファンドにアクセスできるだけではなく、ファンドを作成することもできる、真にオープンな金融の未来を実現します。 このアイデアでは、De(t)Fiが提供するユーザー体験、技術的優位性、持続可能なビジネスモデルによって、どのように投資の常識を変革するのかを解説します。De(t)Fiは、オープンなファンド作成、マルチチェーン対応、AI運用、高度な自動化を特徴とし、あらゆるユーザーに革新的な投資体験を提供します。
2. 課題と解決策:従来の投資の常識を覆す
従来の投資信託/ETF市場は投資対象が限定されているため、Web3特有のスピーディーな収益機会(昨今のAIブームやmeme銘柄のような)をカバーするものは存在しません。 また、現時点で投資信託/ETFの商品を作成するのは誰でもできるというわけではなく、高い参入障壁があり、運用にはプロの知識が必要でコストもかかるといった課題があります。 De(t)Fiは、InternetComputerの以下の特性を活用し、これらの課題を根本的に解決します。 De(t)Fiという名称は、DeFiとETFを組み合わせた造語です。
- チェーンキー技術によるクロスチェーン統合: 複数のブロックチェーンをシームレスに統合し、あらゆる資産を組み合わせた革新的な投資商品の組成を低コストで実現します。
- キャニスタースマートコントラクトによる高度な自動化: 運用ルールの自動執行、透明性の高い手数料分配、24時間365日のポートフォリオ最適化など、従来の金融では不可能だった運用を実現します。
- 外部API呼び出し: 各銘柄の時価総額や特定のウォレットのトランザクションを参照したり、AIを呼び出すことにより、より多彩な商品の作成が可能になります。
3. 具体的な機能のアイデア
全体のシステムイメージ図
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インデックス組成機能:
- 複数のブロックチェーンにまたがるインデックスファンドを作成する機能です。 ユーザーは、多様な基準で異なるチェーンのトークンを組み合わせたインデックスファンドを簡単に作成できます。
- 組み入れる商品はcoingeckoのカテゴリーなど、一般的に提供されている情報を取得して選定でき、自動で組み換えを行えます。
- 組み入れ比率は、一般的な時価総額加重平均、全銘柄均等などを選んで自動で運用できます。
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アクティブファンド作成機能:
- ユーザーが独自のアクティブファンドを簡単に作成できる機能です。 ファンドの作成者、もしくはファンドの作成者から権限委譲された人が、ファンドの資金を使って投資を行います。
- 投資対象を選択して簡単に投資したり組入比率を変更できます。リスク・リターン分析、バックテスト機能など、専門知識がなくても使いこなせるツールを提供します。
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AI運用ファンド作成機能:
- AIが自動でポートフォリオを運用するファンドです。 ファンド作成者は、複数のAIモデルと独自のプロンプトを組み合わせてファンドを作成することができます。
- バックテスト機能、プロンプトチューニングなど、専門知識がなくても使いこなせるツールを提供します。
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ポートフォリオ・コピーファンド(ソーシャルトレーディング)作成機能:
- 成功している投資家やインフルエンサーのポートフォリオやトランザクションを参考にポートフォリオを構築するファンドです。
- 過去のパフォーマンス、リスク指標などを基にした、独自のレーティングシステムを導入し、複数人の動きを元に投資の可否や金額を判断します。
- 運用資産成績をもとに優秀なコピー元の投資家に、報酬の一部を還元(AirDrop)します。
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ファンド・オブ・ファンズ組成機能:
- 複数のファンドを組み合わせた新しいファンド(ファンド・オブ・ファンズ)を作成する機能です。
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DeFi Action Parts:
- ステーキング等、特定のDeFiプロトコルへの複雑な操作を簡単に実行できる「パーツ」を提供する機能です。 パーツ作成者は、パーツを採用したファンドの収益の一部を得ることができます。
- ファンド作成者は「パーツ」を組み合わせ、多彩なファンドを作成できます。
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キャパシティ管理(投資上限設定):
- ファンドへの過度な資金集中を防ぐ機能です。 運用者は、ファンド規模や戦略に応じて投資上限を設定できます。
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ファンド運営者トークン:
- ファンド運営者がトークンを発行/活用できる仕組みです。 保有者が手数料割引、特定商品の購入権を得られるようファンド作成者が設定できます。
- ファンドの内容を変更する際のガバナンストークンとしても利用できます。何を変更するために何%の賛成が必要なのかをDe(t)Fiで規定することで、不当な変更を防止します。
- De(t)Fiで新たに発行することも、既存のトークンを利用することもできます。
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AllowList:
- 特定のトークンやNFT保有者のみ、ファンドを購入できる仕組みです。 Web3では一般的となった仕組みを採用することで、ファンド運営者トークンを活用します。
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透明性の高い柔軟な手数料体系:
- 透明性と柔軟性を兼ね備えた手数料体系です。 商品作成者は、管理報酬、成功報酬など、多様な報酬体系から自由に選択できます。
- 自動分配: スマートコントラクトによって、報酬を一定間隔で自動分配します。
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商品リスク判定:
- 投資対象資産のリスクを判定する仕組みです。 大手取引所への上場状況、発行元のプラットフォーム、情報サイトへの掲載などから、商品のリスクを判定します。
- BTCやETH、SOLなど大手銘柄のみを組み入れたものは安全度合いが高く、まだどの取引所にも情報していない銘柄を組み入れた商品やポートフォリオ・コピーの商品はリスクが高く判定されます。
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保険ファンド:
- 万が一の事態に備えた保険ファンドです。 収益の一部を自動的に積立てて運用することで、万が一の場合に補填できるようにします。
4. 参加者のモチベーション
今でもステーキングなどの仕組みがあるなかで、De(t)Fiを利用するモチベーションについて説明します。
- ファンド運営者として
トレーディングに自信がある人は、ファンドを作成して出資者を募ることで、より大きな資金をもってトレードを行い、成功すれば大きな報酬を得ることができます。
インフルエンサーは、安定したインデックス商品などを作成して、フォロワーに購入してもらうことで報酬を得ることができます。代わりにファンド運営者トークンを配り、それを使ってNFTを配布したりすることでフォロワーに喜んでもらうことができます。
- ファンド購入者として
新たなテーマが生まれたとき、特定の銘柄に集中するのではなく、テーマに沿った複数の銘柄を纏めて保有したいという場合。
Web3の世界は動きが早く、自分で行うには時間も集中力も消費します。リスクはありながらも、成功者に追随したいという場合。
5. 注意事項
De(t)Fiは魅力的なアイデアですが、法律や技術課題など乗り越えなければいけないことはたくさんあります。 特に日本においては、このアイデアをそのまま実現することは難しいでしょう。
6. まとめ
De(t)Fiは、InternetComputerの革新的な技術を活用することで、従来の金融システムの課題を解決し、誰もが参加できる、オープンな投資の未来を創造します。オープンなファンド作成、マルチチェーン対応、AI運用、高度な自動化を特徴とするDe(t)Fiは、投資の常識を変革し、DeFiの普及を加速させる可能性を秘めています。実現できれば、次世代の投資プラットフォームとして、世界中のユーザーに革新的な投資体験を提供できるでしょう。