GitHubのpybaseballドキュメントをPDF化する方法 (NotebookLMのデータ準備)
Pybaseball
NotebookLMに、マニュアル登録するために、全部PDFにした
GitHubのpybaseballドキュメントをPDF化する方法:GitHub APIとPersonal Access Tokenの詳細ガイド
こんにちは、データサイエンス愛好家の皆さん。今回は、GitHubにあるpybaseballライブラリのドキュメントをPDF化する完全なプロセスをご紹介します。特に、GitHub APIの利用とPersonal Access Tokenの適切な使用方法に焦点を当てて、詳しく解説していきます。
目次
- プロジェクトの概要と目的
- GitHub APIとPersonal Access Token(PAT)について
- 必要な環境とツールの準備
- GitHub Personal Access Tokenの取得と設定
- GitHub APIを使用したドキュメント取得
- MarkdownからPDFへの変換プロセス
- 完全なPythonスクリプト
- 遭遇した課題とその解決策
- プロジェクトの成果と学んだこと
- 今後の展望と応用可能性
1. プロジェクトの概要と目的
pybaseballは野球データ分析のための強力なPythonライブラリです。このプロジェクトの目的は、GitHubに散在するpybaseballのドキュメントを一つのPDFにまとめることで、オフラインでも参照しやすくし、効率的な学習や開発をサポートすることです。
2. GitHub APIとPersonal Access Token(PAT)について
GitHub APIは、GitHubのリポジトリやユーザー情報にプログラマティックにアクセスするための強力なツールです。しかし、認証なしでAPIを使用すると、厳しい利用制限(通常、1時間あたり60リクエスト)があります。
Personal Access Token(PAT)を使用すると、以下のメリットがあります:
- より高い利用制限(認証済みユーザーは1時間あたり5,000リクエスト)
- プライベートリポジトリへのアクセス
- より多くのAPIエンドポイントへのアクセス
3. 必要な環境とツールの準備
このプロジェクトには以下のツールとライブラリが必要です:
- Python 3.x
- requests, markdown, pdfkit ライブラリ
- wkhtmltopdf
- GitHub Personal Access Token
インストール手順:
pip install requests markdown pdfkit
wkhtmltopdfは公式サイトからダウンロードしてインストールします。
4. GitHub Personal Access Tokenの取得と設定
- GitHubにログインし、右上のプロフィールアイコンをクリックして「Settings」を選択します。
- 左側のサイドバーで「Developer settings」をクリックします。
- 「Personal access tokens」を選択し、「Generate new token」をクリックします。
- トークンの説明を入力し、必要な権限(少なくとも
repo
スコープ)を選択します。 - 「Generate token」をクリックしてトークンを生成します。
- 生成されたトークンをコピーし、安全な場所に保存します(このトークンは二度と表示されません)。
トークンを環境変数として設定するには:
Windowsの場合(コマンドプロンプト):
set GITHUB_TOKEN=your_token_here
macOSまたはLinuxの場合:
export GITHUB_TOKEN=your_token_here
5. GitHub APIを使用したドキュメント取得
GitHub APIを使用してpybaseballリポジトリのコンテンツを取得します。以下のコードでは、環境変数からトークンを取得し、APIリクエストのヘッダーに追加しています。
import os
import requests
github_token = os.environ.get('GITHUB_TOKEN')
if not github_token:
github_token = input("Please enter your GitHub Personal Access Token: ")
headers = {"Authorization": f"token {github_token}"}
def get_contents(path=""):
url = f"https://api.github.com/repos/jldbc/pybaseball/contents/{path}"
response = requests.get(url, headers=headers)
if response.status_code == 200:
return response.json()
else:
print(f"Failed to fetch content list. Status code: {response.status_code}")
print(f"Response content: {response.text}")
return []
このコードの重要なポイント:
- 環境変数からトークンを取得し、セキュアに管理します。
- トークンがない場合、ユーザーに入力を求めます。
- リクエストヘッダーにトークンを含めることで、認証済みリクエストを送信します。
- エラーハンドリングを実装し、問題が発生した場合にユーザーに通知します。
6. MarkdownからPDFへの変換プロセス
取得したMarkdownコンテンツをHTMLに変換し、さらにPDFに変換します。
import markdown
import pdfkit
def convert_to_pdf(md_content, output_path):
html_content = markdown.markdown(md_content)
pdfkit.from_string(html_content, output_path, configuration=pdfkit.configuration(wkhtmltopdf='/path/to/wkhtmltopdf'))
7. 完全なPythonスクリプト
以下は、GitHub APIを使用してpybaseballのドキュメントを取得し、PDFに変換する完全なスクリプトです:
import os
import requests
import markdown
import pdfkit
import base64
import time
# GitHub Personal Access Tokenの設定
github_token = os.environ.get('GITHUB_TOKEN')
if not github_token:
github_token = input("Please enter your GitHub Personal Access Token: ")
headers = {"Authorization": f"token {github_token}"}
# wkhtmltopdfのパスを指定
wkhtmltopdf_path = r'C:\Program Files\wkhtmltopdf\bin\wkhtmltopdf.exe'
config = pdfkit.configuration(wkhtmltopdf=wkhtmltopdf_path)
# GitHubリポジトリの情報
repo_owner = "jldbc"
repo_name = "pybaseball"
base_url = f"https://api.github.com/repos/{repo_owner}/{repo_name}/contents"
# 出力ディレクトリの作成
output_dir = 'pybaseball_docs'
os.makedirs(output_dir, exist_ok=True)
def get_contents(path=""):
url = f"{base_url}/{path}"
while True:
response = requests.get(url, headers=headers)
if response.status_code == 200:
return response.json()
elif response.status_code == 403 and "API rate limit exceeded" in response.text:
print("Rate limit exceeded. Waiting for 60 seconds before retrying...")
time.sleep(60)
else:
print(f"Failed to fetch content list. Status code: {response.status_code}")
print(f"Response content: {response.text}")
return []
def process_file(file_info, current_path=""):
if file_info['type'] == 'dir':
process_directory(file_info['path'])
elif file_info['name'].endswith('.md'):
print(f"Processing {file_info['path']}...")
md_content = base64.b64decode(requests.get(file_info['url'], headers=headers).json()['content']).decode('utf-8')
html_content = markdown.markdown(md_content)
pdf_path = os.path.join(output_dir, current_path, file_info['name'].replace('.md', '.pdf'))
os.makedirs(os.path.dirname(pdf_path), exist_ok=True)
try:
pdfkit.from_string(html_content, pdf_path, configuration=config)
print(f"Converted {file_info['name']} to PDF: {pdf_path}")
except Exception as e:
print(f"Error converting {file_info['name']} to PDF: {str(e)}")
def process_directory(path):
contents = get_contents(path)
for item in contents:
process_file(item, path)
# メイン処理の開始
print("Starting the conversion process...")
process_directory("")
print("All documents have been processed")
8. 遭遇した課題とその解決策
-
API利用制限:
- 課題:認証なしでのAPI利用制限に達する。
- 解決策:Personal Access Tokenを使用して認証済みリクエストを送信。
-
トークンの安全な管理:
- 課題:トークンをコード内にハードコードすると安全でない。
- 解決策:環境変数を使用してトークンを管理。
-
PDF変換の問題:
- 課題:wkhtmltopdfのパスが正しく設定されていない。
- 解決策:wkhtmltopdfの正確なインストールパスを指定。
-
大量のファイル処理:
- 課題:多数のファイルを効率的に処理する必要がある。
- 解決策:再帰的な関数を実装し、ディレクトリ構造を維持しながら処理。
-
エラーハンドリング:
- 課題:ネットワークエラーやAPI制限によるエラーの処理。
- 解決策:try-except文を使用し、エラーメッセージを表示。API制限に達した場合は一定時間待機して再試行。
9. プロジェクトの成果と学んだこと
- GitHubのAPIを効果的に利用する方法を学びました。
- Personal Access Tokenの重要性と安全な使用方法を理解しました。
- MarkdownからPDFへの効率的な変換プロセスを実装しました。
- 環境変数を使用したセキュアな認証情報の管理方法を学びました。
- 大規模なドキュメント群を効率的に処理する技術を習得しました。
- エラーハンドリングの重要性と実装方法を学びました。
10. 今後の展望と応用可能性
- 他のGitHubリポジトリへの適用:このスクリプトは簡単に他のリポジトリに適用できます。
- 自動更新システムの構築:定期的にドキュメントを更新するCronジョブやGitHub Actionsの実装。
- PDFのスタイリング改善:CSSを使用してPDFの見た目をカスタマイズ。
- GUI開発:PyQtやTkinterを使用して、ユーザーフレンドリーなインターフェースを作成。
- マルチスレッド処理:大規模リポジトリの処理を高速化するための並列処理の導入。
まとめ
このプロジェクトを通じて、GitHubのAPIを活用したデータ取得、Personal Access Tokenの適切な使用方法、ドキュメント変換など、幅広いスキルを実践的に学ぶことができました。特に、API利用時の認証とセキュリティの重要性を深く理解できたことは大きな収穫です。
皆さんもぜひ、自分の興味のあるGitHubプロジェクトで同様の取り組みを試してみてください。APIの利用やトークンの管理など、実際のプロジェクトで直面する課題に対処する良い練習になるはずです。
それでは、Happy Coding!