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日本のガソリン価格データをPythonで取得するための方法とAPI活用に関して

SHOGAKU
a month ago
日本のガソリン価格データをPythonで取得するための方法とAPI活用1. はじめに2. データソースの体系的分析2.1. 政府統計データ:e-StatAPIの特性と利用方法2.2. 民間データプラットフォーム:gogo.gs APIの特性2.3. 両データソースの比較と活用シナリオ3. Pythonによるデータ取得の実践的アプローチ3.1. e-StatAPIとの連携3.2. データ品質管理と検証手法3.3. 民間API(gogo.gs)の利用と連携戦略4. 応用分析とさらなる展開4.1. マクロ経済指標との相関分析4.2. 時系列予測モデルの構築5. 技術的課題と解決策5.1. 主なエラーケースとその対処法5.2. セキュリティおよび運用上の留意点6. 倫理的配慮とデータ利用規約6.1. 個人情報保護と匿名化6.2. 商用利用時の制約事項7. 結論

日本のガソリン価格データをPythonで取得するための方法とAPI活用

1. はじめに

近年、エネルギー価格の急激な変動が経済活動に大きな影響を与える中、正確かつタイムリーなデータ収集は研究や実務において極めて重要な要素となっています。本報告書では、日本国内のガソリン価格データを対象に、政府統計データと民間データの双方を活用し、Pythonを用いて効率的にデータを取得・処理するための最新の手法と技術的課題、及びその解決策について体系的に検討します。

2. データソースの体系的分析

2.1. 政府統計データ:e-StatAPIの特性と利用方法

e-StatAPIは、総務省統計局が提供する公式APIであり、全国の小売物価統計調査に基づくガソリン価格データを提供しています。
主な特徴:

  • データ粒度
    都道府県庁所在市や人口15万以上の市単位でのデータを提供しており、マクロなトレンド把握に適しています

  • 更新頻度
    毎月10日前後に前月分が更新されるため、定期的なデータ収集が可能です。

  • 歴史的データの網羅
    2000年以降の長期にわたるデータが一括で取得でき、過去のトレンド分析にも有用です。

  • メタ情報の充実
    地域コード(JIS X0402準拠)や品目分類コードが統合管理されており、データの整合性を担保しています。

APIエンドポイントは基本的に
https://api.e-stat.go.jp/rest/3.0/app/json/getStatsData
となっており、パラメータとしては統計表ID(statsDataId)、地域コード(cdArea)、および品目コード(cdCat01)などが必要です

2.2. 民間データプラットフォーム:gogo.gs APIの特性

gogo.gsが提供するAPIは、全国約4万箇所のガソリンスタンドからリアルタイムに価格情報を収集できる点が特徴です。
主な機能:

  • リアルタイム性
    ユーザー投稿型の仕組みにより、短期間の価格変動を迅速に反映可能です。

  • 多品目対応
    ガソリンのみならず、軽油、灯油など複数の燃料種別に対応しています。

  • 位置情報の付与
    各スタンドの緯度経度情報が含まれており、地理的分析や地図上での可視化が容易です。

  • 利用制限
    商用利用時には利用規約に基づく制限があり、無料プランでは1日あたり500リクエストまでの制限が一般的です

2.3. 両データソースの比較と活用シナリオ

要件 e-StatAPI適性 gogo.gsAPI適性
学術研究向け歴史データ ◎(長期データが充実) △(リアルタイム性に欠ける)
リアルタイム価格監視 △(更新頻度が低い) ◎(最新情報が取得可能)
地域細粒度分析 ○(集計単位に制限あり) ◎(スタンド単位の詳細情報)
価格予測モデル構築 ◎(基盤データとして優秀) ○(短期変動の補正に有用)

政府統計データは大局的なトレンド分析に適し、民間APIは短期的な変動や地域別の詳細分析に強みを持つため、ハイブリッドなアプローチが推奨されます。

3. Pythonによるデータ取得の実践的アプローチ

3.1. e-StatAPIとの連携

以下は、横浜市のガソリン価格データを取得するためのサンプルコードです。セキュリティ面では、アプリケーションID(APP_ID)は環境変数から取得することを推奨します。

import os
import requests
import pandas as pd

# セキュリティ向上のため、APP_IDは環境変数から取得
APP_ID = os.getenv('E_STAT_APP_ID', 'your_application_id')
STATS_DATA_ID = '0003421913'
AREA_CODE = '14100'  # 横浜市
URL = 'https://api.e-stat.go.jp/rest/3.0/app/json/getStatsData'

params = {
    'appId': APP_ID,
    'statsDataId': STATS_DATA_ID,
    'cdArea': AREA_CODE,
    'cdCat01': '07301',
    'lang': 'J'
}

try:
    response = requests.get(URL, params=params)
    response.raise_for_status()
    data = response.json()
except requests.exceptions.RequestException as e:
    print(f'APIリクエストエラー: {e}')
    data = None

if data is not None:
    records = []
    # JSON構造の変化に備え、キーの存在確認を実施
    try:
        value_list = data['GET_STATS_DATA']['STATISTICAL_DATA']['DATA_INF']['VALUE']
        class_list = data['GET_STATS_DATA']['STATISTICAL_DATA']['CLASS_INF']['CLASS_OBJ']
        unit_info = class_list[1]['CLASS'] if len(class_list) > 1 else '不明'
        for item in value_list:
            # 各項目の存在確認と型変換の例外処理
            try:
                time_label = item.get('@time', 'N/A')
                price = float(item.get('$', 0))
                records.append({'year_month': time_label, 'price': price, 'unit': unit_info})
            except (ValueError, TypeError):
                continue
    except KeyError as ke:
        print(f'JSONキーエラー: {ke}')

    df = pd.DataFrame(records)
    print(df.head())

改良点:

  • APIレスポンスのエラーチェックと例外処理の強化
  • JSON構造の変化に対する柔軟な処理
  • 機密情報の管理(環境変数からの取得)
    [citeturn0search0]

3.2. データ品質管理と検証手法

データの正確性を確保するため、以下の検証プロセスを導入します。

  • 範囲チェック
    政府公表の平均価格と比較し、±5%の許容範囲内かを検証する。

  • 時系列チェック
    前月比で30%を超える急激な変動がないかを確認し、異常値を検出する。

  • 地域比較チェック
    隣接地域との価格差を算出し、統計的な逸脱がある場合はフラグを立てる。

さらに、移動平均法を用いた平滑化処理を適用し、データのノイズを低減します。

y^t=1ni=tkt+kyi\hat{y}_t = \frac{1}{n} \sum_{i=t-k}^{t+k} y_i

(ここで、( n ) はウィンドウサイズ、( k ) はオフセット)
[citeturn0search0]

3.3. 民間API(gogo.gs)の利用と連携戦略

民間APIは、以下の点で活用が期待されます。

  • リアルタイム性の補完
    e-StatAPIの月次データに対し、gogo.gsの高頻度データで短期変動を補正するハイブリッドモデルを構築。

  • 詳細な地域分析
    各ガソリンスタンド単位のデータを用いることで、地域ごとの微細な価格差や市場動向を捉える。

なお、API利用制限(例:1日500リクエスト)を考慮し、以下のような取得戦略を推奨します。

  • 定期取得スケジュール
    • 長期トレンド分析:e-StatAPIを毎月15日頃に実施
    • 短期変動監視:gogo.gsを深夜帯(例:23:00~24:00)に実施
  • エラー発生時の再試行
    Exponential Backoffアルゴリズムを用いてリクエスト失敗時に自動再試行する実装を導入

例として、以下のコードスニペットは再試行処理を実装しています。

import time
from tenacity import retry, wait_exponential

@retry(wait=wait_exponential(multiplier=1, min=4, max=10))
def safe_api_call(url, params):
    response = requests.get(url, params=params)
    response.raise_for_status()
    return response

[citeturn0search0]

4. 応用分析とさらなる展開

4.1. マクロ経済指標との相関分析

取得したガソリン価格データを、消費者物価指数(CPI)や原油先物価格など他の経済指標と組み合わせることで、以下のような分析が可能です。

  • 相関係数の算出
    Spearmanの順位相関係数などを用いて、各指標間の関係性を数値化。

ρ=16di2n(n21)\rho = 1 - \frac{6\sum d_i^2}{n(n^2 - 1)}

(( d_i ) は順位差、( n ) はサンプル数)
[citeturn0search0]

4.2. 時系列予測モデルの構築

LSTM(Long Short-Term Memory)ネットワークなどを活用して、将来のガソリン価格の予測モデルを構築する手法を検討します。以下は基本的な実装例です。

from keras.models import Sequential
from keras.layers import LSTM, Dense
import numpy as np

# モデルの構築
model = Sequential()
model.add(LSTM(50, activation='relu', input_shape=(n_steps, n_features)))
model.add(Dense(1))
model.compile(optimizer='adam', loss='mse')

def split_sequence(sequence, n_steps):
    X, y = [], []
    for i in range(len(sequence)):
        end_ix = i + n_steps
        if end_ix > len(sequence) - 1:
            break
        seq_x, seq_y = sequence[i:end_ix], sequence[end_ix]
        X.append(seq_x)
        y.append(seq_y)
    return np.array(X), np.array(y)

この手法では、時系列データのウィンドウ処理を行い、学習データと検証データに分割した上でモデルを訓練します。
[citeturn0search0]

5. 技術的課題と解決策

5.1. 主なエラーケースとその対処法

  1. API制限エラー(429 Too Many Requests)

    • Exponential Backoffアルゴリズムを用いた再試行処理を導入し、一定時間後に再リクエストする仕組みを実装。
  2. データフォーマットの変更

    • JSONスキーマバリデーションを利用し、取得データの構造が想定通りであるかを確認する。
    • スキーマ定義例:
      from jsonschema import validate
      
      schema = {
          "type": "object",
          "properties": {
              "GET_STATS_DATA": {"type": "object"},
              "STATISTICAL_DATA": {"type": "object"}
          },
          "required": ["GET_STATS_DATA"]
      }
      validate(instance=data, schema=schema)
      
  3. 地域コードの改定

    • 統計局の公式サイトから最新の地域コードを自動で取得・更新する仕組みを構築することで、コードの陳腐化を防止。

5.2. セキュリティおよび運用上の留意点

  • 認証情報の管理
    APP_IDなどの機密情報は、コード内にハードコーディングせず、環境変数や安全な秘密管理システムを利用する。

  • エラーログの収集
    発生したエラーをログとして記録し、定期的に解析することでシステムの健全性を維持する。

6. 倫理的配慮とデータ利用規約

6.1. 個人情報保護と匿名化

民間APIのデータ利用においては、以下の点に留意する必要があります。

  • 位置情報の匿名化:緯度・経度データは小数点以下の桁数を制限するなどの手法を用いる。
  • 出典明示:利用するデータの出典元(例:総務省統計局、小売物価統計調査など)を明確に示す。
  • 個人を特定可能な情報の除外:投稿データなどに個人情報が含まれる場合は、必ず匿名化処理を実施する。

6.2. 商用利用時の制約事項

  • 政府統計データの二次利用に際しては、出典明示および改変箇所の明示が求められます。
  • 民間APIの場合、利用規約に基づく商用利用の制限(無料枠やリクエスト数の上限)を遵守する必要があります。

7. 結論

本改訂報告書では、e-StatAPIと民間API(gogo.gs)を活用した日本のガソリン価格データ取得の手法を、技術的実装例、エラーハンドリング、データ検証、及びセキュリティ対策の観点から包括的に検討しました。政府統計データの信頼性と民間APIのリアルタイム性を組み合わせたハイブリッドモデルは、学術研究や実務における価格予測、経済指標との連動分析に有効であると考えられます。今後は、AI技術を活用した異常値検知システムの導入や、最新のAPI仕様変更への柔軟な対応が求められるでしょう。


【参考文献】
[1] https://openapi.gogo.gs
[2] https://qiita.com/hayasix/items/0b65a481115662b9ee3e
[3] https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040054127
[4] https://relaxing-living-life.com/642/
[5] https://qiita.com/GridDBnet/items/009d0b0e99ed61bacd33
[6] https://api-sdk.navitime.co.jp/api/specs/api_guide/gas_price.html
[7] https://api-sdk.navitime.co.jp/api/specs/api_guide/gas_station.html
[8] https://evv2h.enegaeru.com/gasoline-trend
[9] https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/
[10] https://note.com/chatgpt_nobdata/n/n68ed1e7bf70f
[11] https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/pdf/h2dhhpe2022k.pdf
[12] https://wepicks.net/category/energy/energy-gasoline/
[13] https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/000249.pdf
[14] https://api-sdk.navitime.co.jp/api/
[15] https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/content/000110462.pdf
[16] https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl007/results.html
[17] https://tenshoku.mynavi.jp/shutoken/list/p13/f269+f003+f206/pg990/?af=filterAreaF
[18] https://www.rim-intelligence.co.jp
[19] https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&bunya_l=07&layout=dataset&toukei=00200571&stat_infid=000031961053
[20] https://wepicks.net/energy-fuel-fee-top/



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