DTMのすすめ 作曲ソフト選び編
みなさん、DTMしてますか?madflashです。
今回は「作曲したいけど何からはじめていいかわからない」「既にDAWを持っていて、乗り換えを考えている、興味がある」という方向けの記事になります。
それでは、はじめましょう!
作曲ソフトの選び方
DTM(DesktopMusic)というからにはパソコンと作曲するためのソフトが必要です、これはDAWと呼びます。
めちゃくちゃ種類ありますよね。どれ使えばいいか悩みませんか?
筆者はFL Studio、SONAR、Cubase、Logic Pro、 Ableton、Studio Oneと多くのDAWを触ってきたので、経験上、用途にあった分類を書いてみます。
- クラブミュージックが作りたい人向け
FL Studio、Ableton - 歌もの、バンド系が作りたい人向け
Cubase、Studio One、Logic Pro、Studio One
正直、どのソフトでも頑張れば、どんな曲でも作れますが向き不向きは実際あります。
パソコン用の代表的なソフトを、なるべく分かりやすく特徴を書いて解説していきます。
FL Studio
対象OS:WindowsOS、macOS
元々国内より海外での評価が高く、ユーザーが多く、ソフトの起動も軽め。iPhoneやiPad版もあるので、最近はモバイルではじめて作曲する人も割といます。UIは良くも悪くもクセがあります。
FL独自のSytrus等の音源や、純正エフェクトの一部が優秀で、別のソフトと連携して使う人もいます。
youtubeにあるEDMのメイキング映像でも、FLStudio使用者が多いのはグッドです。
ステップシーケンサという機能が特徴的で、「ポチポチ画面を押しながらリズム作りたい」という人は楽しくナイスな相棒となるかも。
有名な作曲家、トラックメイカー:
deadmau5、Martin Garrix、Avicii、banvox、AJURIKA など
Ableton
対象OS:WindowsOS、macOS
livetuneの活躍で国内での認知度もそこそこあり、ユーザーが多く、ソフトの起動も軽め。初回起動時だけ、サードパーティ製プラグインが多い場合、読み込みに時間かかります。
純正エフェクタの処理能力も高く、ミニマルな曲やちょっとしたトラック制作なら純正だけでも出来ます。
オーディオの切り貼りやリズム検出に長けているため、remixを作るのにも向いてます。
ダブステップで有名なスクリレックスもAbletonユーザー。オートメーションという、パラメータをリアルタイムに変化させる部分で扱いやすい。
コードアシスト等の機能は弱いのでコード進行や音楽理論への理解がしっかりしてないとj-popやオーケストラの編曲は難しめ。
有名な作曲家、トラックメイカー:
Skrillex、deadmau5、livetune など
Studio One
対象OS:WindowsOS、macOS
筆者が今一番愛用してるDAWです。お値段的コスパはかなりよし。
起動時や作曲中の動作も軽いし、動作が安定していて音がいい!純正プラグインだけでもそこそこいけます。
Cubaseの軽量化版、動作やUI的にもスタイリッシュ版といった感じで、機能も豊富です。
コードアシストや音のレイヤーを簡単に行き来する機能があるため、編曲に向いています。
開発陣に元Cubase開発出身者が多く、使用ユーザーも作曲歴が長いプロ作曲家が乗り換えてから愛用する人が続出。
田辺恵二さんが日本コミュニティで精力的に活動しているので、修正の要望が公式に伝わりやすく、ソフトの改善や更新が早いのもポイントです。
解説記事も、Studio Oneを基本にして書く予定です。
有名な作曲家、トラックメイカー:
砂原良徳、田辺恵二、浅田祐介 など
Cubase・Nuendo
対象OS:WindowsOS、macOS
元祖何でもできる最強DAW、立ち上がりが重いのと環境によって動作が不安定になりがちなのがネック。それでも元祖だけあってユーザーも多い。
近年はネガティブ要素も改善されてるかも?しかし値段も元祖プロ用ということで、当然お高め。
目新しさはないが、基本出来ないことはないため、プロの愛用者も多い。
ソフトのUIが複雑で感覚的にスタートするのはちょっと難し目。
perfumeやcapsuleのプロデューサー兼トラックメイカーである中田ヤスタカが愛用している事で知られる。
ちなみにNuendoは一部のプロしか使わないので選択肢から外して良いと思います。
有名な作曲家、トラックメイカー:
Kraftwerk、Justice、中田ヤスタカ、DE DE MOUSE など
Logic Pro・GarageBand
対象OS:macOSのみ
macOSユーザーは正直これがあれば最強です。WindowsOSとの互換性は無し。
コスパよし、動作軽い、初期から入ってる音源やリバーブ等のエフェクトも強い。プロの愛用者も多い。
特にLogic Proは純正音源のリアルさなどが値段からは考えられないくらい高いので、音源買わなくてもバンド曲、オーケストラ曲もそこそこ作れる化物級DAW。
macが手元にあって作曲初めてみたいなら無料のGarageBandを触るのも手ですね。
有名な作曲家、トラックメイカー:
Kygo、Finneas and Billie Eilish など
その他、作曲ソフト
ProTools?REAKTOR?SONAR?
初めての方かつ、今どきなトラックメイキングをしたい方が使う理由は殆どない、ので一旦忘れて大丈夫です。
完全なスタジオユースだったり、アップデートの少ない、または古いソフトは解説サイトや動画が少ないため修練に苦労します。中古で安くてもオススメできません。
どうしても好きなら買う、くらいの気持ちで。
筆者は使ったことがないのですが、Cakewalkという無料ソフトもあります。
iPhone、iPadユーザー向け(番外編)
iOS向けのモバイル用ソフトも実は沢山あります。その中でも有名なソフトを紹介します。
一部、アンドロイドも対応。
ソフトの相性・類似性
ソフトには類似性や相性があります、こちらもざっくりまとめます。
似ている
- Studio OneとCubase …開発元が近い、というのと「出来ないことをなくす」という姿勢がかなり近く、全ジャンル対応可能な機能が特徴。
- AbletonとFL Studio …オートメーションの編集力、パターンを作って貼り付けるのが得意な作曲法など類似性あり。 オーディオの編集能力はAbletonのほうが優秀だが、オーディオのノイズ処理等の編集をするための純正プラグインはFL Stduioが優れてます。
- AbletonとLogic Pro…音の細さや通り抜けやすさ、純正エフェクトの性能(誰が触ってもそれなりに使える)という意味で近い。
相性がいい
- FL Studioと何か …FL StudioをReWireで音源として呼び出して使うユーザーもいます。
- Abletonと何か …他DAWは細かな波形編集自体が得意とは言えないので、Abletonで補うのもグッド。
- 何かで作った曲をStudio Oneでミックス・マスタリング …動作が安定していてプレビュー時の劣化も少ないのでミックス作業やマスタリング作業が快適に出来ます。
よくある疑問
「音がいい」って聞くけど、何?
DAWはリアルタイムでオーディオ処理を行いますが、DAWによって書き出す時とプレビュー時の音が異なるといった劣化現象が起こります。これはソフトの根幹的な設計の違いによるもので、比較的新しめのStudioOneなどは劣化が少なく「音がいい」と言われたりします。
あとは純正エフェクトの性能差などもあります。
悩んで決められない、どうしたらいい?
Studio Oneの廉価版か、それがついた機材を買うか、Abletonの廉価版を買ってみるのも良し。とりあえず安いものを手に入れて触れるものから触る、くらいの気楽さでスタートしましょう。
FL Studioのデモ版は、保存できないですが機能的には自由に触れます。起動した後のデモソングを聴いてみましょう。
独断と偏見でいいからおすすめ教えて
なるべく汎用的で、買って損がなかったと感じたもの順で書くと
Studio One>Ableton>Logic Pro>FL Studio>Cubase>その他
という感じです。値段的コスパとUIの特殊性で順位付けしてます。
LogicProは上位1、2のポテンシャルがありつつ、windowsOSとの互換性がないのが後々響く印象。
何のソフトでどんな曲作ってる?
例えばAbletonでLinkin ParkのIn The Endという曲でブレイクスREMIXを作ったりしてました。このトラックでダンサーが踊ってくれたり。今はStudio Oneでポップス寄りな曲を作ってます。
こちらの曲は8年前ですがお気に入りなので紹介します。粗い点には目を瞑って下さい。
おわり
筆者が知る限り、ここまでユーザー目線で書いたまとめは少ない(微妙に間違ってたり、コマーシャルで書かれてる記事は弱点の掘り下げが足りない)ので、有益な情報になれば幸いです。
DAW毎の有名な作曲家、トラックメイカーは情報が散在しているので、誰か詳しい方、補足願います。
もし情報が沢山集まったら別記事でまとめても面白いかも、気軽にコメント下さい。
ひとまず自分でも聞いたことがある、直接本人から聞いたことがある範囲にしておきました。
DAWは1つでなくても良いと思うので実際、Studio One>Ableton>FL Studioの頻度で今でも触っています。
用意ができたら次は機材を最低限揃えましょう。
お楽しみに!
追記
アムステルダムなど国内外で活動されている、トラックメーカーでありLogic ProユーザーのTakahiro Yoshihiraさんに「いいまとめ」とお墨付きを頂きました。