第4話 ”紙の本”を出版してみよう【ゼロ円出版】
これまでの記事にて電子書籍の出版手順についてお話ししてきました。
Amazonなどで電子書籍を出版できれば、24時間365日本を売り続けることが出来ます。
これが町の本屋さんにはない強みの一つですね。
電子書籍は出版する側も読む側にとり便利なものですが、いっぽうで紙で出来た本を手にする、実際にページをめくりながら読み進むことにこだわりを持った読者も数多くいます。
こだわりどころか、電子書籍が普及しても紙の本の人気は全くと言っていいほど衰えていないのではないでしょうか。
そこで、記事以降で”紙の本”を出版する方法についてもお伝えしたいと思います。
一般的に紙の本を出版するためには高額な資金が必要となります。
そのため、多くの方々が「ブログサイトを作って、そこに掲載すればいいか。」などといった発想に至ってしまいます。
しかしながら、ここであきらめてしまってはもったいない! 実はあるのです。資金ゼロでも本を出版できる方法が。
出版社を通して本を出すとなると、初期費用も準備しなければなりませんし、在庫のことだって気にしなければなりません。
また、どれだけ規模の大きな書店に陳列できるかが、売り上げにも大きく影響します。
もちろん、出版社を通した自費出版以外に、出版社が企画するコンテストに応募するといった選択肢もあるかもしれません。
でも受賞できなければ、有名作家の道どころか、スタートラインに立つことすら不可能です。
やはり、こうしたことを目の当たりにしてしまうと、そこで思考停止に陥ってしまいますよね。
焦らしてばかりでは叱らせそうなので、そろそろ答えをお伝えしましょう。
”紙の本”をコストをかけず出版しましょう!!
AmazonのPOD(プリントオンデマンド)出版サービスを利用することで、これらの課題を一気に解決することが可能です。
POD出版サービスでは、1冊単位での受注製本を可能にしました。
そのため、従来の出版における百万単位の初期費用が実質”0”円です。
POD版の書籍を実際に手に取ってみるとわかりますが、なんら普通の本屋さんで販売しているものと変わりありません。
もちろん、図説、写真入りの場合にはそれに応じて原稿を整える必要はありますし、表紙の作成も必要です(表紙デザインについてのノウハウは別に記事で紹介したいと思います)。
原稿があり、推敲がしっかりとなされてさえいれば、出版社経由の書籍ではなくとも、POD版にて十分満足できる本を出すことが可能なのです。
しかも、Amazonの世界規模のマーケットで24時間販売されます。
書店販売では、よっぽど期待された本でもない限り、片隅に表紙すら見えない形でひっそりと並ぶだけです。
国内の限られた店で午前11時からせいぜい夜の8時位まで、人知れずひっそりと並べられ、売れなければいつの間にか撤去されてしまう。
そんな売り方に数百万かけるよりも、遥かに効果的な選択肢がAmazonのPOD出版です。
Amazon PODの出版
Amazon PODの出版は、電子書籍(Kindle)とは異なり、個人ユーザーに登録サイトを開放していません。
紙の本を製作するに当たり、規定の枠内に本文や表紙がが収まっているかなど、事前の確認を厳しく行い、適切な印刷を行えるようにするため、限られた取次店を通してのみPOD版出版申請を行うことが出来ます。
POD出版取次店はいくつかありますが、“0”円、もしくは格安で、しかもサービス品質の高い2つをご紹介させて頂きます。
インプレスR&D NextPublishing 出版サービス
パブフル
上記以外にも取次店はありますが、私の知る限りでは数万円から十万円単位の費用が発生します。
しかしながら、上記の2つは“0”円、もしくは低コストで、かつ高品質の書籍が出版できます。
POD出版取次店の比較
いずれも、実際に私が利用し、数冊の本を出版した実体験をもとに述べさせていただきます。
<インプレスR&Dの特徴>
ホームページ: ****https://nextpublishing.jp/
書籍の出版申の特徴
- 株式会社インプレスR&Dが運営する「NextPublishing 出版サービス」によりPOD出版の申請を行う
- 非常に使い勝手の良いシステムで、かつ申請に必要な事項が細部にわたりよく説明されており、初めての出版でも問題なく申請できる
- サービス利用ガイドの内容が充実しており、特異なケースも含めPOD出版に関わることが網羅されている
- インターネットのWebシステムにログインし、必要事項を記入、原稿と表紙のアップロードを行う
- 内容に不備があれば、システム側のチェックが入り申請できない
- 申請後もご担当者による最終確認が行われ、システムで検出できななった不備が見つかれば差し戻される
料金
- 初版の出版コストが“0”円
- 改版時の改訂コストは5,000円(軽微な書籍本文変更や、サイトに掲載される紹介文の修正は可能だが、書籍のタイトルや価格などは変更できない)
- 費用は改訂前のクレジットカード払い
- 書籍サイズに応じ、表表紙・裏表紙・背表紙のサイズや体裁を整えてくれる「表紙データセルフ作成支援」ツールが1,000円で利用できる
- 表紙作成をプロに頼みたい、印刷用本文を加工してほしいなどのオプションメニューも充実しているが、こちらのサービスは50,000円からとなる(もちろん、オプションメニューに一切頼らずに表紙も本文も出版仕様に加工できるので、こちらは参考情報として)
利用後の所感
- システマチックに申請処理を進める事ができ、自分自身のペースで書籍を出版できた
- 出版に関する費用が”0”円で、かつ他の取次店へお願いするのと差異がない内容で出版できた
<パブフルの特徴>
ホームページ:http://pubfull.com/
書籍の出版申請方法
- 自分自身は原稿の執筆のみに専念し、面倒な出版はお任せしたいという方向け
- 全く何の知識を持たなくとも、全てパブフルの担当者が出版に関する事に対応してくれる
- 申請は全てメールのやり取りのみで行われる(ひな形に沿って、メール本文に依頼事項を書き、原稿を添付するのみ)
料金
- POD版の出版費用は20,000円となる(もちろん、一般的な取次店に比べれば破格)
- 改訂費用は1,000円~2,000円(請求が1,000円のときと2,000円の時があったが、違いが分からなかった)
- 出版費用の支払いは書籍出版後に、パブフルの口座へ振り込みとなる
- 配信後1度、無償改訂に対応してもらえる
- 出版後に5,000円引きクーポンが発行され、表紙作成プランにも利用することが出来る
- 表紙作成は、デザインも含め5,000円で対応してくれる
- その他、Amazon電子書籍出版プラン 19,800円のメニューや、楽天kobo同時出版+5,000円、文章校正: 10,000円などのサービスもある
利用後の所感
- 出版が初めてで、右も左もわからなかった際に利用したが、担当者が親切に対応してくれた
- 自分自身は執筆に専念し、出版はお任せしたいという方には最適なサービス
- 電話番号等は公開されておらず、メールベースのやり取りとなるため、対応スピードはパブフルの担当者次第となる
- 初版の出版費用は有料で高く感じられるが、改訂費用に関してパブフルは格安(実用書など、改訂が頻繁にあるようなジャンルの書籍であれば有利)
- 文書校正をお願いしてみたが、「てにをは」程度の確認であり、文章の内容まではチェックが入らなかった
さて、今回は紙の本(ペーパーバック)の低コストな出版方法についてご紹介させていただきました。
いよいよ次回記事より、『NextPublishingからのPOD出版』についての具体的な手順について説明させていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします。
なお、低コストな出版についての記事をまとめて読んでみたいという方につきましては、Amazonから販売中の『ゼロ円出版』をご確認ください。