#保守SNS がMastodonのライセンス違反でソースコードを公開せず
トランプ前大統領が立ち上げた Truth Social は Mastodon をベースにしているが、Mastodon のライセンスである AGPL を遵守せずに使用している。
これに対して、Mastodon は声明を発した[1]。Mastodon は 10 月 26 日に Truth Social に正式な書簡を送り、ライセンスに則りソースコードを開示するように求めた。AGPL での規定では、権利者から通知がなされた場合、30 日以内にソースコードを開示する必要がある。でなければソースコードを使用する権利は永久に失われる。
実は日本においても誠に残念ながら現在進行系で AGPL ライセンスを遵守せずに Mastodon を使用している不届き者がいる。
東京大学から懲戒解雇された大澤昇平である[2]。この元東大特任准教授は国産 SNS を謳う保守 SNS として SAKURA を立ち上げた[3]。
この SAKURA は Mastodon をベースに作成されている。オープンソース・ソフトウェアである Mastodon に世界中の色々な人が貢献をしてより良いものを作ろうとしているため、厳密にどこの国が作ったとは言い難い。Mastodon の開発を始めた Eugen はドイツ人であり、ドイツ産である。何を以て SAKURA は国産 SNS なのだろうか。そもそもグローバル化の世の中でどこの国で生まれたのかのは不毛な話題であると思う。
大澤は 9 月 29 日に
Mastodon 利用について問い合わせが来ていますが、OSS の導入は支援者の投票で合意されたものです。
① 連合機能 → ユーザへの誹謗中傷の防止のため一時的にオフにしましたが、正式版リリースの際には再度オープンにします。
② AGPLライセンス → ソースコードは近日中に公開します。
と投稿している。つまり大澤は SAKURA に Mastodon を使用していることを認めており、また、ソースコードを開示する必要性を認識している。しかし、数日後にこの投稿は削除されている。
大澤は投稿が削除されていることを認識しており
エンゲージメント率が一定数以下のツイートは、AI が自動的に削除しているからです。
① ソースコードは AGPL ライセンスにのっとって近日中に公開
② ツイートを削除したからといって、撤回したわけではない。
と投稿している。AI が本当に投稿を削除したのか疑わしいが、この投稿も削除されると困るので魚拓はとってある。
9 月 29 日の 30 日後は 10 月 29 日であるが、11 月 1 日の現在になってもソースコードは開示されていない。
大澤についてあれこれと私が Twitter で投稿していたところ、mstdn.jp ならびに mastodon.cloud の運営者[4]であり、Mastodon のスポンサー[5]であり、Mastodon のモバイルアプリの開発[6]に携わる運営の代表である Suji Yan が私の投稿を発見してしまった。
Suji は大澤のことを知り、一連の投稿をした。英語であるため、以下は私がした翻訳である。
Truth Social は AGPL 自由ライセンスである Mastodon を利用している可能性が高いことが判明しました。コードの悪用は契約違反です。分散型コミュニティは前進すべきです。
多くの人がこの問題を政治的イデオロギーと関係があると思っていますが、実はそうではありません。元大統領が代替のソーシャルネットワークを利用することは問題がありません。自由ソフトウェアを悪用することはサイバー社会の基礎を破壊することです。これはあらゆる場面でも同じです。
数日前には、懲戒解雇された東大の大澤昇平特任准教授のオルタナ右翼の SNS である SAKURA を立ち上げました。これも同様に FOSS を悪用しています。今や世界的な悪行の見世物になりつつあります。
自由ソフトウェアとオープンウェブは、私たちの民主主義と自由の柱であり、開かれた社会のために必要です。FOSS 運動、サイバーパンク運動、Bitcoin、Ethereum そして Web3 の進行中の聖戦はこれらの柱に基づいており、私たちはこの柱を失ってはいけません。
多くの人が既に Truth Social のケースに取り組んでいます。私は日本の SAKURA に対するケースを全力でサポートします。このサイトは FOSS の精神とルールを守るべきです。
FOSS と Web3 のコミュニティがこれらのケースで力を合わせられることを願っています!
10 月 31 日に大澤は 保守SNS®︎「SAKURA」の早期利用権が年内発売へ! という記事を公開した。大澤は Mastodon をベースにした SAKURA という SNS で 12 月までに商売を開始するという。話は逸れるがこの記事の中で 早期利用権(ファストパス)
という言葉が使われている。ファストパス
はディズニーの商標だったりするのだが…。
SAKURA にまつわる他の出来事も正直言って悪い意味で驚くことが多い。調べると色々と出てくる。それは置いておいて、ソースコードを開示すると言ったならば速やかにソースコードを開示すべきである。投稿を消したのなら、消したことが事実であり、具体的な日時を決めて大衆に向けて投稿すべきなのではないか。
Suji が言うように、政治的イデオロギーに関係なく誰もが Mastodon を使うことができる。それは大澤であってもトランプであってもだ。だが、ライセンスを遵守せず不正に利用している場合はその限りではない。ライセンスさえ守っていれば、好きにやってくれと思う。
繰り返すが、ソースコードを開示すると宣言した 9 月 29 日の 30 日後は 10 月 29 日であるが、11 月 1 日の現在になってもソースコードは開示されていない。
参考
東大発ベンチャーが届ける国産SNS「SAKURA」β版がついにリリース! - 駄