HiÐΞClassic

Defiの地図を作ってみたよ。

荀彧(じゅんいく)
3 years ago
いきなり言い訳ジャングルに到着したが...DefiのガイドブックあれこれDefi(Ethereum系)の地図 (as of 2021/5)1-1.  インターフェース(UXアグリゲーター)1-2. DEX アグリゲーターとYieldアグリゲーター2. Protocol/Dapps群3. Ethereum (Settlement Layer)作成に当たってまとめ

こんにちは荀彧です。

今回はDefiのプロジェクト(約50)を抽出してマッピングをしましたので、リハビリがてらそれを記事にしてみました。

ブログが久しぶりすぎて手が動きません...軽いタッチで行きたいと思います。

いきなり言い訳

突然ですがクリプトってちょっと目を離すとさっぱりTLの会話についていけなくなりますよね。

特にDefiですよDefi。

すました顔しているけどDefiブームの波に乗り損ねましたよね?

はい。私のことです。

どっかでイーサリアムの勉強しなきゃなーと思いつつしばらく離れている間に、どんどん新しいブームが来ては去っていき、みんな知らない内に仕込でたウニが降ってたり、農業したり、寿司握ったり、ケーキ焼いてウヘウヘしているし、一時期さっぱり訳が分からなくなりました。

完全にこの写真の状態。にゃーん。

猫

TLにDefiの情報が流れるのは目にしていたはずで、正直に言うとDefiは敬遠してスルーしていたんだと思います。プライベートや本業で忙しかった点を除くと(これは本当)、信用とレバレッジを積み重ねて崩壊したサブプライムローンの記憶もあり懐疑的に見てリスクの分析や触りもしないで遠ざけていた点が大きいですね。途中からついていけなくなるともう思考停止してました。

とはいえ、Defiに詳しい方(Defi武将の信玄さん達)の話を聞くなりして、まあ個々のリスクは常にあるものの過剰担保の原則の範囲であればシステマチックリスクを過度に警戒するよりも、クリプトを追っていくのであれば壮大な金融の実験場になっているDefiを触らない機会損失の方が大きいようだ、という理解に漸く至りまして、もうバブルも終わる気配が秋風のように漂う中、気を取り直して一行はDefiの全貌を探るべくアマゾンの奥地へ出航することになった訳です。

(余談ですが、サブプライムローンはご存知の方も多いと思いますが、もし知らない方は名作の映画マネーショートがお勧めです。人手不足で先輩に呼ばれ今は亡きリーマンブラザーズのファイナンスの契約書のお手伝いとかしていたらサブプライムローン問題で市場が崩壊していくのを目の当たりにした自分としては、信用積み上げすぎてリスクを見通せない時が来ると将来またバブル崩壊が起きるのではないか、という警戒感はいつも心の片隅に置いておきたいと思います。)

ジャングルに到着したが...

さて。

現地に着きましたよ。

(...ここはDefiの森よ。好きなところにお行き。)

ここはどこ...私は誰?(ウホ)

どこに行けば...?ガイドブック...とかありませぬウホか?

ジャングル

というわけで、アマゾンにゴリラが生息している訳はありませんが、いざDefiに突撃しようにも、あるいはTLに新しいプロジェクトやあれがいいとトークンの情報が流れてきても、それがDefi全体のどこに位置するのか分からないと中々頭に入ってこないですよね。未知の密林に足を踏み入れ情況を把握しないで、APY高い!爆益!等とふらふらしているとあっという間に狩人(私の愛用するアマゾンの狩人のイメージ)の罠にハマりラグられてしまいそうです(この界隈にゴロゴロいる地雷原を地雷原だと分かって突撃して取るもの取って帰還する猛者の皆様は別として)。まあ、爆益とか、もうそんな空気感最早ない昨今ではありますが。

Defiのガイドブックあれこれ

私が昔から使っていたものもありますが、ほとんどは親切なDefi界隈の皆さんが発信していたり教えていただいたガイドブックで、その一部をざっと列挙してみました(詳しい方には周知のことかと思いますが。)。こうやって並べてみるとありがたい話で、先達はあらまほしきことなりですね。

Defi Pocket(本当の入り口はここが一番分かりやすくて助かりました)

Hashhub(日本語で分析していてスコープや内容の質も安定感がありお勧めです)

DelphiDigital(Defiのデータやその分析記事も充実、週次や年次のまとめレポートもお気に入り)

Coingekoの定期レポート(カエルとキャンディ。日本語でも読める定期レポートは勉強になります。)

The Block (コンテンツは色々ありますが、私はとりあえず日々の無料ニュース用)

Messari(Crypto界のbloombergらしいです。データ多い。たまに有料レポート読みたくなって苦悩します。)

Defi Score(Defiのレーティングが出ます!)

Defi Pulse(どことなくレトロな画面のランキング。端的な説明もすぐ出るのわかりやすい。)

Dune Analytics(評価のメトリックス充実。)

Token Terminal   (同じくメトリックス充実。)など他いいサイトは多くありますが、とりあえず。

Defiについての基本的な理解はこの辺(特にリストの上の方)を見ていくのが早いだろうと思います。

で、これらのガイドブックでDefiの概要や個別のプロダクト・相場の分析は入手できたのですが(いや、正確にはそこそこ前から手元にあったはずなのですが日の目を見ずに埃を被っていたのです...)、やっぱりDefi業界全体がどうなっているか直感的にイメージを掴むマップみたいなのが欲しいっ。

というわけで、勉強もかねて試しに作ってみました。

前置きでだいぶん引っ張りましたが、ようやく本題のDefiのマップです。

Defi(Ethereum系)の地図 (as of 2021/5)

全体図

全体図

...字が小さっ!!

詰め詰めで見辛くてすみません...。 そのままだと細かくて読めないと思うので、画像だけ別ウィンドウで開けますでしょうか? できればPCで見ていただいた方が見やすいかもしれませぬ。

作成前に実はマインドマップにしたらどうなるかワクワクしていましたが、想像を超えるカンブリア爆発っぷりでした。 Ethereumのエコシステムは充実していますねぇ。

図を構成する3本の大枝について
1. 画面上部の黄色及び青色で塗った、まとめサイト(アグリゲーター)群
2. 画面下側半分を占領するピンク色で展開する流動性供給のlayer (個別のDappsやProtocol群)
3. 左端の赤色のSettlement layerのEthereum
非常に乱暴に旅行サイトに置き換えると
アグリゲーター:Skyscannerでありエクスペディア
DappsやProtocol:ANA、JAL、ソラシドエアでありヒルトンホテルのホームページ
Settlement Layer:VISA, Master Cardの決済システム

みたいなものですな。

折角ですので、見やすいように、以下、この順番で地図の左上から拡大図を載せてみます(地図中の矢印の順序です。)。

(なお、このDefiを発展の過程としては、以上とは逆の反時計回りに、まずイーサリアムがあり、MakerDao等でETHを担保にDAIの発行等が発達し、競合となるDappsのDefiが増え、その内Dappsを統括して自動化するアグリゲーターが生まれてきた、と言う流れがしっくり来ますし、理解としても個々のプロダクトはその順序で見ていく方がわかりやすいかもしれません。)

1-1.  インターフェース(UXアグリゲーター)

インターフェース

これはデパートや楽天みたいなものでユーザーとのインターフェースに力を入れています。Zerionは知っていましたが、今回を機に触ったものもが多くありますが、それぞれ特徴もあり使いやすくて素直に感心しました。Instadappとかレゴっぽさがありますし、複数アカウント使う人はZapper便利だし、Debankも初めて触りましたがいい感じですね。もしここが順調に発達すると、個別のサイトに買い物行くよりは楽天なりアマゾンからアクセスした方が楽だよね、と言うことになり、みんなDefiといえばこの辺からサービスを使うと言うことになり、極端な話、その反射として個々のアグリゲートされた先のプロトコールのUIは別に関心持ってもらえないという状況になる可能性もあるかもしれません。とはいえ、このインターフェースに特化したアグリゲーターとその他の区別が明確にできるか、というとそういう簡単な話でもおそらくなく、インターフェースに力を入れてなんとかこいつらにユーザーの入口を握らせまないという別カテゴリのプロダクトも出てくるんだろうなと予想していはいますが。ちなみに裏側では、このアグリゲーターから以下のLiquidity アグリゲーターを参照していく場合と個々のProtocol やDappsを参照する場合があります。

1-2. DEX アグリゲーターとYieldアグリゲーター

アグリゲーター

前述のエクスペディア相当です。トークンをSwapするのにどこがお得な値段か探してきます。連携している先によってはMetamaskのように他の同業のアグリゲーターも探してくれます。1inchが有名で一番ボリュームがありますが、MetamaskはWalletを抑えている強みはありますよね(ただし手数料)。上で触れたように、Dexのアグリゲーターは求められる機能がシンプルなので、Metamaskのように入口をうまく押さえているなどの事情がなければ、中長期的には差別化としては有利な価格検索機能やその効率性に収斂していくのではないか、という意見にどちらかというと賛成です。追々使いながら使用感を比べてみたいです。

あと、みんなYield、YieldtってやかましいのでYield Aggregatorも競争が厳しそうです。利率を探すだけでは差別化が難しいためか、担保に出すトークンをYield Farmingして得られるガバナンストークンと自分たちのガバナンストークンの利回りも合わせ技で高い利回りを表示してYield Farming Aggregatorをアピールしている所も多いようです。ただ、それはセキュリティの話もありますが、それだけではなく、利回りもガバナンストークンの価格にとても左右されるのでは?とリスク積み上げ感にドキドキするとともに、攻撃対象としてもやや狙われやすい領域のようです。資金を活用するとして、バブルに乗るときは乗るでいいのかもしれませんが、いつ、どこまでリスクを取るかは考えていないと物によっては辛そうな予感。

2. Protocol/Dapps群

広範過ぎて最早拡大図になりませんので無理矢理に半分にしてみました。右半分 Protocol

左半分

Protocol

蜘蛛の巣ように張り巡らされていることからもプロダクト開発が活発な状況が伺えます。そういえば昔から軍事技術を少ない人数で秘密裏に開発した時は大して発達しなかったのに、民間に降ろされて資本主義の下で競争に曝されると爆発的に進化する例ってよく耳にしますが(インターネットの技術自体がそうでしたっけ)、なんかこの図を見ているとそういう人が集まり競争がもたらす事によるパワーみたいな活況を感じました。

小さいカテゴリ毎に伸びる枝の多さでプロダクトの多少の傾向が出ますが、やはりレンディング、DEXとderivativeあたりが主戦場として熾烈な開発競争となっていることが伺えますし、また、線はとても引き切れませんでしたがDapps/Protocol相互間でも相当連携し合っています。

ちなみにデリバティブは今回を機に色々覗きましたが、金融商品の開発ぶりも凄いもののStructured Fianceレベルになると内容の良し悪しを判断する前提として背景のデリバティブの知識が自分にあるのか、という点を突きつけられます。笑。ステーブルコインの工夫も面白いですが(なぜステーブルなのに儲けたり損をするのか謎ですが)、もう何ヶ月かするとLayer2対応のプロトコールによるDEXその他が増えてくるんでしょうね。そうするとこの図も変わってくると思いますので興味深いところです。

3. Ethereum (Settlement Layer)

今回はメインテーマではないのでパスしますが、Ethereumがあってこそ上の子達がその掌の上で遊んでいられることを忘れていけませぬな。

作成に当たって

因みに、そもそも分類ですが、確立したものがある訳でもないものの、以上に列挙したDefi関連のメディアやその他の記事を参考にしました(特にDelphiDigitalの記事は骨格部分でとても参考になりました。)。用語こそ違えども似たような構成が多かったので、適宜細かいカテゴリを作ってブレークダウンした次第です。個々のプロダクトのリストアップはきりがないので、原則としてDefi PulseやMessari等のランキングでVolumeの多い上位のEthereum対応のプロダクトをベースに最近私の目に付いたり関心があるものを列挙しました。かなりごちゃごちゃになったので個人的に定番or主要なプロダクトだと思ったものには丸で囲んでいます。ただ分類についてはどちらかというとこっちじゃない?と悩んだものも結構あります。また線を引く限界を感じましたが、 Dapps/Protocol相互間の連携や一つのプロダクトでもっと他の複数のカテゴリにまたがっているのもあったと思います。

なお、参考情報として、Messariのreportを元に2019年以降のDefiでのハッキング等の被害についてリストに挙げられたプロダクトについては傍線を引いて言及しています(中には保険でカバーされたり自主的に補償している例もあると記憶していますが、セキュリティ事故に関する傾向ということで見ていただければ)。これに関して注意点としては、私はセキュリティの専門家ではないものの各所で指摘されていることですが、リスクとしてはETH固有のリスクに加え(Ethereumに何か問題が起きると一蓮托生リスク)、Dappsやそれを統括するアグリゲーターなどレイヤーを重ねる毎に、それぞれのポイントにおけるセキュリティのリスクを積み重ねることになりますので、資金管理やセキュリティには注意が必要だろうと思います。ここでも利便性や効率性とセキュリティーはトレードオフの関係なのかもしれません。ここに載せたのは比較的メジャーなプロダクトだと思いますが、それでもやはり前述のとおりYield Aggregatorはこうやってみると結構攻撃を受けていますし、他のエリアもなんだかんだとちょいちょいやられているようですね。

最初は主要なプロダクトを中心にETHを入れて触って遊んでいましたが、途中でガス代高騰もあり力尽きています。ETHも各プロダクトにデポジットが分散してした結果なんだか遊び用のWalletが寂しくなりました。授業料高いですよねぇ。パン(ガス)がなければケーキ(ETH)を食べればいいのに、と貴族の戯れみたいになってしまいます。Layer2に無事移行していければある程度パン代も安くなりルイ16世も再び大活躍の時代に移行することを期待したいものです(ETH王政を倒したい新興勢力にも事欠きませんが)。でもまあ、バブル終わって不景気になったらまた触りたいですな。

まとめ

地図の紹介は以上となります。

地図を作ったもののどうしていくかは思案中ですが、よく提示される視点かもしれませんが、まず今後半年〜1年かけて徐々にLayer2対応のDEXなどのプロダクトが増えるんだろうな、と言う点と、今後マスに訴求してユーザーの敷居を下げていく方向に進むのであれば、より資産運用を管理しやすくするアセットマネジメント系の領域はデリバティブにしろアグリゲーターのカテゴリにしろこれからまだまだ発展の余地がありそうです(この地図では資産運用という観点でのカテゴリはうまくできませんでしたが)。あとは、NFT好きとしては、今回のNFTの盛り上がりを考えると、今後のDefiとNFTを繋げるプロダクトやプロトコールの発展は個人的にはとっても気になります。この辺は追々掘っていきたいと思います。

てなわけで、リスクの見合いで判断するのは変わりませんが、今後も新しい技術やコンセプトが出て興味が湧いたものはあまり食わず嫌いをせずにまずは触っていきたいです。Ethereumのエリアで開発されたコンセプトが他のチェーンに輸出されるのはよくありますし。

今回敬遠していたDefiの調べ直しを通じて気がついたのはいざ調べ始めると意外と時間は作れてしまったことでしょうかね。時間や労力とのバランスもあり中々全ては追いきれないのともちろん流儀に合わない事に手を出す必要はないので、もちろんどこかで判断して絞ること事は必要ですが、思い返せばむしろ諸々言い訳して新しいものを見に行くことすら面倒な不精な気持ちが大きかったかな、と思います。

折角目の前にある面白い時代の変化やチャンスを見逃すのはつまらないので、母港のドックに戻る度に長年の航海で船底に付着してしまう牡蠣殻やフジツボをゴリゴリ剥がして変な固定観念で凝り固まって動きが取れなくなっていないか振り返りながら、フットワーク軽く引き続き面白そうなネタを探して探検したいと思っています。

と言うわけで、今回はEtherum系のDefiの地図の紹介でした。 ご覧になった方に何か一つでも参考になれば幸いです。

ではでは!(他チェーンどないしよう...)


コメント
いいね
投げ銭
最新順
人気順
荀彧(じゅんいく)
3 years ago
コメント
いいね
投げ銭
最新順
人気順
トピック
アプリ

Astar Network

DFINITY / ICP

NFT

DAO

DeFi

L2

メタバース

BCG

仮想通貨 / クリプト

ブロックチェーン別

プロジェクト

目次
Tweet
ログイン